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2、第五皇子


「さて、どうしたもんか」


「おい貴様!!、イヴ・ペンドラゴンか!!!」


「はい?そうですけど」



胸糞悪い事情のせいで急遽帰る家を無くしてしまった私、一応、近くに実家があるので今日はそこで泊めてもらう気だった、最悪、父さん母さんまでも豹変していたら宿に泊まろう、それぐらいの金は持っていると、適当に街中を歩いていると、後ろから声をかけられる、良い服着ている男の子だ、どこかの貴族の子だろうか?。


八つ裂き乱射魔(アハト・アハト)と名高いお前を倒せば父上だって俺のことを認めざるを得ないはずッッッ!!勝負しろッッ!!」


「はぁ…………」


どこで私の事を知ったのかわからんが、今は子供のおままごとに付き合う気分ではない、なんとか適当に誤魔化せないものか。


「ーーーーいくぞッッッ!!」


「ーーーおわっと!!」


突然斬りかかってくる少年、私はなんとか避ける。


「さすがイヴ・ペンドラゴン!!!!、俺の剣を避けるとはやるな!!!」


「良い加減にしろ……」


「え?」


次から次へと訳のわからん事態が起こったことにより、私の脳の処理速度を超えてしまい、私の何かがプツンと切れた音が聞こえた。


「お望み通り、蜂の巣の八つ裂き(分解)してやる」


「やっとやる気になったか!!、よし勝負はこれからーーーッッッッッ??!!??」



「遅いんだよ」


キレた私は高速で少年の後ろに回り込み、一応残っている理性が殺したらまずいと言っているので、手加減した蹴りで空中へと吹っ飛ばす、なんせこっちは先日まで人を壊す仕事をしていたのだ、何歳の体はどこまで耐えられるなんてのは熟知している。


発疹皮膚武器展開(イラプション)

全武器砲身(オールアムズバレル)

魔硬化工程完了(ハードニング)

全砲門発射準備完了(セット)

目標補足(ロックオン)

…………一斉射撃(フルバースト)



「ーーーーガハッッッ!!!!」


私が詠唱を紡ぐと、全身から様々な武器と大砲が出現する、発射の準備を手早く完了させた後、空中の少年に向かって一斉発射する、どうすることもできない少年は全てをモロに喰らった、その後短い悲鳴を漏らし、地面に転がる。



「さてと、勢いでやっちゃったけど、誰なのこの子、でもなんか見たことあるような…………」


一応、弾の弾頭や武器の先を硬質のゴム素材に変えといたので命に別状はない、気絶はしているが、蜂の巣にした後、なぜか初対面のはずの少年に既視感を覚える私。


「ーーーぼ、ぼっちゃま!!!、大丈夫ですか!!!!」


「ああ、保護者か、んじゃあとよろしく………」


「ま、待ちなさい!!!!」


「何?、その子がいきなり斬りかかって来たんだから正当防衛だよ」


「こ、このお方は第五王子のアレン様ですぞ!!!」


「はい?」



いきなりの言葉に素っ頓狂な声をあげてしまった私。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(私ってとことんツイてないな)


「ハッッッッ??!!!、俺は一体」


「おお、目覚めましたか坊っちゃま、爺は心配しましたぞ」


取り敢えず、王子様をのしちゃったわけだからそのまま帰るわけにもいかず、でかい馬車へで王宮へと連行される私。


「ーーーあ!!、お、お前は」


「あ、その、さっきは失礼しまーーー」


「さっきのもう一回やってくれ!!!」


「「「「はい?」」」」


「さっきのウィーーンガシャガシャだ!!!カッコ良かった!!!!!もう一度見たい!!!!、それに王子である俺をあそこまで痛めつけるなんてさすが八つ裂き乱射魔(アハト・アハト)!!!誰であろうと決闘では手を抜かない!!尊敬に値する戦士だお前は!!!」


王子様が私に気づく、取り敢えず誠心誠意謝罪をしようとすると、王子様が興奮した様子で私をキラキラした目で見てくる、その場の全員が素っ頓狂な声を異口同音で呟く。


「………お、お褒めに預かり光栄です………」


どうやら怒ってはいないようなので一安心する私、無難な返答をする。


「なぁ!!!、もう一度見せてくれよ~」


「す、すいません、馬車の中で展開するのは危険なので、広いところでなら後で見せてあげますよ」


「ほんとか!!、絶対だぞ!!!!」


「は、はい」


そういえば私の技、男に人気だったたな、カッコイイとかロマンがあるとか、女の私は鉄臭いとしか思わなかったが、どうやら王子様も気に入ったらしい。



そうこうしている間に王宮へと着く私達。


「ここならば良いだろう!!!」


「は、はい、発疹皮膚武器展開(イラプション)


「おおおおお!!!!!」


馬車から降りた瞬間に催促してくる王子様、広さは十分なので要望通り武器を体から展開する、すると目を輝かせる王子様。


「撃ってみてくれ!!!」


「ちょ、ちょっとはそれは危ないかと」


展開した後、私の持っている武器が水鉄砲みたいなノリで試射テストを要求してくる王子様、流石に王宮でぶっ放すとかテロリストみたいな事はしたくない。


「ええ、つまんない~」


「あまりレディーを困らせてはいけないよ、アレン」


「あ、兄さん!!」


またまたなんか高貴そうなお方が登場して少年改めアレンを諌める。


「あ~、そろそろ私は失礼致します」


「失礼ですが、もう少しだけお付き合いいただけませんか、弟の件も謝罪したいので……」


「わ、わかりました………」


王子様の約束も果たしたので、こんな場違いな所とっとと退散しようとするも、アレンの兄に引き止められる、王子であるアレンの兄と言う事は必然的に彼も王子ということで、王子様の意見を無碍にできることもできず、王宮の中へと案内される私。






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