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18/29

18、、イヴvsルフ1


「遅いッッッ!!!!」


「ーーッッッ『魔硬化皮膚(ハードスキン)』!!!」


目にも止まらぬ速さで相手は突っ込んでくる、いつの間にか懐に潜られた、相手は鋭い爪で攻撃を仕掛けてくる、迎撃は不可能と判断し、防御を固める。


「ーーーーーッッッ??!!!」


「残念、王族の狼牙硬爪(ウルフラム)は一族最高硬度を誇る、鉄や鋼じゃ防ぎきれない、むしろ下手な防御はしないほうが良いんじゃない?、ノーガードで食らっちゃえば痛みを感じる暇もないからねぇ」


体を硬化する魔法を使うも、その皮膚が浅く斬られる、人狼族の爪や牙は全種族通して屈指の硬度を誇る、なんせ、鉄や鋼を加工するのによく用いられるほどだ、そして王族ともなればその切れ味はまさしく名刀のそれだ。


「なんでこうなったんだっけ?」



いくら怪我をしても大丈夫な結界が貼ってある闘技場とはいえ、なぜか王女ルフとやり合っている自分の状況が信じられず、一人呟く私、話は数時間前に遡る。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「ーーーくっだらないッッッ」


「「「「!!?」」」」


なぜか今回は交渉室への入室が許された私、まぁ、こちらとしては寒い廊下よりは室内の方が暖かいし、できる限りロイから離れたくないので好都合と言えば好都合だ、交渉は難航していた、その時間中なぜかルーガスがこちらをチラチラとみている、何か用かと目線を向けるとすぐさま目を逸らしてしまう、どうしたのだろうか、そんな事を考えているとあちらの王女ルフがいきなり大声を張り上げる、その場にいる全員が同時に驚く。


「ど、どうしたのだ、我が娘よ」


「くだらないって言ったのよパパ、グダグダ長い話して、私達は誇り高き人狼族でしょ??!!、何か気に入らないことがあったら決闘で雌雄を決する」


「し、しかしだな、相手は他国の王子、いくら闘技場で怪我をしないと言ってもだな」


王女様は結構戦闘民族な価値観をお持ちのようだ、しかし、こちらとしても王子様を矢面に立たせるのは頂けない、狼王が至極真っ当な正論を言う。


「………誰が王子様とやるって言ったのよ」


「「「?」」」


今度は全員同時に首を傾げる、では一体誰と戦うと言うのだろうか。


「ーーアンタよアンタ!!!、護衛のアンタ!!」


「ーーーへ??」


王女様はなぜか私を指名してくる、ついでに威嚇するように低く唸っている。


「お、おいルフお前何言ってーーー」


「アンタは黙ってなさいよルーガス!!」


護衛のルーガスがルフを嗜めようとするもむしろもっと大きくなる声。


「すみません、王女様、私はーーー」


「アンタが勝ったら今回の交渉はそっちの好きにしていいわ」


「ーーーーッッッ、負けた時は何を要求するつもりですか?」


「そっちが負けた場合はそうね、アンタは一生人狼国への入国を禁止するわ」


それとなく断ろとするが、ルフの言葉に硬直する私、負けた時の代償を聞くも、どうやら私個人にしかペナルティーは発生しないようだ、チラリと狼王の方を見る、なんか言い出したら聞かないからな~みたいな顔で頷く。


「いいでしょう、その決闘、受けて立つ」


「ーーーなッッッ、い、イヴさん!!!」


「大丈夫です、必ず勝ちますから」


ロイが心配してくれるが、この好条件は見逃せない、なぜなら勝ったらこちらが優位に交渉を進められる上、負けた所で私が獣人国に入れなくなるだけーーーいや、やっぱり重い罰だ、このモフモフ天国に二度と入れないと言うのは……しかしそんな心の声は顔には出さずロイが安心できるよう勝利宣言をする。


「準備は良いかしら?」


「いつでもどうぞ」


取り敢えず闘技場へと移動する私達、構えるルフ、緊張感が最高級に高まった瞬間、彼女が動く。

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