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17、sideルーガス、踏み込めない


「アンタ、女出来たの?」


「は、ハァッッッ!!??、ななな、何言ってんだ!!、そ、そんな訳ないだろッッッ!!!」


「ふ~ん」


俺はルーガス、王族の護衛をしている、俺に難癖つけてきたのは幼馴染のルフ、もしかしたら狼王になるかもしれない女、つまりは王女だ。


(にしても、あの人………)


黒く艶やかな黒髪、夜空のように煌めく黒眼、端正な顔立ち、もしかしたらあの人は『アイ』なのかもしれない、確証はない、一瞬、デジャヴったからなんていう曖昧なものでそう思っただけだ、もしかしたらルーという同僚も他にそういう名前の人狼族と知り合いってだけかも、確かめようと思えばいくらでも確かめられた、けど、あれ以上踏み込むのは何か怖かった、もしかしたら人違いかもしれないし、本物の『アイ』の生きているかどうかが確定してしまうかも、今までは生死が分からなかったので絶望と希望のバランスが保てていたが、もし……もしも死んでいるとわかってしまったら俺は……。


「じゃあ気になる人とか出来たんだ」


「だ、だから違うってッッッ!!!」


「だってなんかさっきから鼻の下伸ばしてるじゃん」


「ーーーなッッッ、だ、誰が鼻の下伸ばしてるって!!」


「アンタよアンタ!!、あーーいやらし、いやらしい」


「お、お前、そんなおてんばじゃ嫁の貰い手つかないぞ」


「な、なんですって!!もう一回言ってみなさいよッッッ!!!」


「何度でも言ってやる!、お前もちょっとはあの人みたいにお淑やかにだな……」


「あの人みたいに?」


「ーーーッッ??!!、あ、い、今のはなんというか、こ、言葉のあやというか……」


「フーーーーーーン、やっぱり気になる人ができたんだ~」


売り言葉に買い言葉でヒートアップする俺、ついつい口が滑ってしまった、気恥ずかしさから否定していたのに結局バレてしまった、めちゃくちゃ恥ずかしい。


「そ、そのーーー」


「誰?」


「へ?」


「だから誰なのよ、『あの人』って?」


「そ、それは」


「答えたくないってか、まぁいいわ、大体の目星はついてるし」


「お、おい、お前なんかする気か?」


「ふん、何も話さない人とは口利きませ~ん」


ヘソを曲げるルフ、俺とは取り合わず早足で歩いていく。



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