15、(ざまぁ)sideイザベラ&アルフレッド、冒険者になる
「ーーーーなんでッッッ私がッッッこんな事ッッッしなくちゃッッッいけないのッッッッッッ!!!」
「ーーー口よりッッッ手を動かせッッッ!!!」
お金がなくては生きていけないので、何か仕事をしようとするが、面接まで漕ぎ着けても名前を名乗ると、顔を入念に確認してきて、絶対に落とされる、今働いてる奴らより私の方が百倍優秀なのにッッッ!!!。
最後の砦が冒険者というわけだ、冒険者は元犯罪者や荒くれ者達が多くなる職業なのでさすがに私たちも拒否される事はなかった、元々、英才教育をされていた私とアルフレッドはなんとか試験を突破、無事冒険者になれ、Fランクからスタートだが、ぶっちゃけ冒険者という職業は割に合わない、ダンジョンで一攫千金、なんてよく聞くがそんなもの砂漠で小さな指輪一つを探し当てる並みに難しい、まず、低レベルのダンジョンや魔物ではせいぜい一日の食費が稼げれば良い方だ、命をかけているのにこの安い報酬、しかも魔物にも冒険者と同じランクがあるんだが、Fランクの冒険者ならFランクの魔物を倒せるといった事はない、基本的に魔物ランクというのはそのランクの冒険者が複数人で戦えば安定して勝てるっていうだけだ、つまり、ただでさえ低い給料がパーティーで分けるのでさらに低くなるというわけだ。
「ハァッッ、ハァッッッッ、ゴブリン如きにここまで手こずるなんて」
「クソ、もっと真面目に剣の稽古しておけばよかった」
「ベタベタする、気持ちわるい、臭い、お風呂入りたい」
「我慢しろ」
冒険者ギルドに討伐証明部位を提出して、少ない報酬を貰う、雀の涙だがあるだけマシだ、今日の分の仕事は終わったのでねぐらへと帰る。
「臭い」
「仕方ないだろ、金が無いんだから」
私達の今の住処は馬小屋だ、ギルドが初心者冒険者のために無料開放している、馬糞が転がっていて臭くて汚いが、雨風を凌げるだけマシだ。
「おやすみ」
「ああ、おやすみ」
最初の内は口喧嘩が絶えなかったが、徐々にそんな体力すら無くなってきた、無駄に体力を使うと明日の仕事に影響が出かねない、下手をすれば死ぬ。
「ーーー起きろッッッイザベラッッッ!!」
「何よもう」
なぜか脂汗を浮かべて私を起こすアルフレッド。
「借金回収に参りました」
「へ?」
キチッとした服に身を包んだ男達がそこにはいた。