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14、もふもふがいっぱい


「モフモフですね」


「ああ、そうですね、なんと言っても人狼国ですからね」


なんとか人狼国に到着、目の前に広がるのは狼耳と狼尻尾が生えている人狼達、今わかった、なぜ彼らが奴隷として扱われるのか、こんな尊い種族、手元に置いて愛でたくなってしまうからだ、そしてどんどんその愛が歪んでしまーーー。


「ーーーー聞いていますか?」


「へ?」


「王宮へ向かいますが、よろしいですか?」


「そ、そうですね、そうしましょう」


目の前で癒しの大渋滞が起きてたので、注意散漫になり、隣のロイの言葉を無視してしまったらしい、狼狽しながら返答する私。



ーーーーーーーーーーーーー



「俺はお前らが嫌いだ」


「そうなんだ……」


王宮に着くなり、人狼国の長、狼王と交渉を始めるロイ、少し心配だが、国の政治の話になるのでお互いの護衛は交渉室の前で待機、そうしていると不意にあちらの護衛が声をかけてくる、名前は確かルーガスだったか?、第一声で嫌いと言われるとは思わなかった、どうやら私達に対する不信感は根深いらしい。


「私は好きだけどな君達の事」


「ーーーーッッッ!!、揶揄ってるのか!!」


「いや、変な意味じゃなくて、本心からそう思ってるよ」


「フン、そうだよな、今は交渉の場について来てるからそういうしかないよな」


人狼族……かな?、背が大きく、精悍な顔つきと体つき、まさしく歴戦の戦士といったところか、しかし、その勇ましい男に不釣り合いにある狼尻尾と狼耳、不愉快そうに立つ狼尻尾と狼耳、これがギャップ萌えというやつか、ああ可愛ぇ~、癒される~って、いつまでも癒されてるわけにはいかないと思い直す。


「交渉の場だかなんだか知らないけど、私は嘘ついてないよ」


「ーーーーッッッ??!!!、お、お前、まさか………」


「ん?」


適当に返答をするとルーガスが突如驚愕し出す。


「そ、その、いくつか質問しても良いか?」


「私が答えられる範囲なら……」


しばし押し黙った後、声をかけてくるルーガス、別に構わないと返答する私。


「お、お前は、その、ずっと王族の護衛をしているのか?」


「いや、むしろ最近やっと慣れ始めたってところかな」


「軍人か?」


「当たり、よく分かったね」


「戦争には参加してたのか?」


「してたよ」


「………………」


色々質問してくるルーガス、最後の質問に答えた後、しばし黙る。


「ねぇ、こっちも質問して良い?」


「な、なんだよ?」


「もしかして私とどっかで会った事ある?」


「なッッ、なななな、何を言ってるんだお前!!!、そ、そんなわけないだろッッッ!!!」


質問内容からなんとなく、自分と面識があるのかと思い質問する私、しかし、即座に力強く否定するルーガス。


「なぁ~んだ、残念」


「なんだ?、会いたい人でもいるのか?」


「そりゃいっぱいいるさ、特に人狼国にくる事は殆ど無いからねぇ~、ついでにかつての同僚に会えるならこれほど嬉しい事はないよ」


「そ、そうか」


「あ、そうだ、ルーガスさんに聞いておきたいんだけど、私の知り合いに人狼族がいたんだけど、何か知らない?、名前はルー君だったかな?、いやぁ~ちっちゃくて可愛かったな~」


「ーーーブッッッッ!!??」


「ん?、どうしたの?」


同じ人狼族なら何か知っているかもと知り合いの特徴を伝えるとなぜか噴き出すルーガス。


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