大漁旗VSラグナロク、殲滅戦
仰ぐ「さーて今日も女神様仰ぐか」
カレー「なんか不安になること言うな」
最近は対人戦よりモンスター討伐レースが多いんどけど、みんなもやっぱり大きなモンスターを倒すのが好きみたいでね。陣取りとかも人気だし、人間同士で殴りあうのはみんな苦手みたいだよ。星の閃光も子供だからって手加減されるのはムカつくみたいだし。最強チームに手加減とかないよねー。
なので手加減する必要がない陣取りやモンスター討伐がみんなに好かれている。カート? あれは私も燃えてる。
カラフルダンジョンで好かれてるのはあとはボス戦だねえ。ホワイトクロウとしては大好きなんだけど、1対多だから普通に負けるんだよねえ。悔しいけど。
さて、今日の試合は異世界人チームラグナロクと地元大人チーム大漁旗の討伐戦なんだけど、討伐対象モンスターを大型ドラゴンとドレイク十匹の群れにしたよ。この2チームは私もよく知らないから楽しみなんだよ。全知は仕事しないんだよね。ナビさんだし。
だいたい現在最下位チームだから大漁旗が弱いなんてそんなわけないんだよねえ。彼女たちはカホノ村チーム、つまり最強チーム星の閃光の大人チームなわけです。勝てない理由なんて、稼ぎに必死で別に対人戦はおまけだからなんだよね。週一で遊んでる感じ。最近は生活が落ち着いてるからこれからが怖いチームなんだ。
星の閃光は毎日一日中なにかしらやってる。私たち運営がプロチームと認めてその中でも第一位になったのはそこまでの経験があったからなんだよ。
なので、大漁旗もアマチュア(つまり普通の冒険者)に比べたら弱くない。Aランクくらいは余裕かな。まあカラーリングウェポンも強すぎるからね。通常なら最大でも百発当てたらドラゴンでも倒せるマシンガン。反則です。まあ神の力だよ。
その大漁旗メンバー。リーダーは村長のお母さん、キンメおばあちゃん。前線に突っ込んで真っ先にやられるダメな指揮官なんだけど、チームはがっしりまとめる人望があるリーダーだよ。
副官はヒメダイお姉さん。このチームはヒメダイチームと呼ばれることもある、実質的な司令塔だよ。
斥候はカジキお兄さん。女神の使徒チームのハーミスさんとは逆の、無口なタイプ。斥候としてはすごく優秀だね。ヒメダイお姉さんのことが好きらしい。
ガシラおじさんは無口なスナイパータイプ。眉毛が太いあのスナイパーに似ているよ!
フジお姉さんはキンメおばあさんと同じ突撃タイプ。二丁のマシンガンを抱えて転げまくるよ! スナイパーもできる!
このチーム攻撃力では明らかに上位なんだけど、組織力が今一つで負けてるんだよね。防御というか脇が甘いというか。……昔のタ○ガーの野球チームではないよ? ほんとだよ?
次は異世界転移チーム、ラグナロク!
ポテンシャル一番高いチームだと思ってるんだよね。足りないのはレベリングと慣れ。監督がすごい野球チームだと思ったらだいたい間違ってないよ! 現地民に対して知力が負けてるわけないんだけどね。
掲示板でも最初から活躍してたから知名度も高いチーム。
リーダーは女神を仰ぐもの、仰ぐさん。あおがなーい。うそあおぎー。
(仰ぐ:あおぐわ。めっちゃあおぐわ)
(カレー:なんか流れ弾きそうだからスルーするわ)
お次は副官のカレー好きちゃん。ボーイッシュな十四才の真のガールだよ!
(ハツネ:真のってなんだよ嘘ガールがいるっていうのかよ私はガールだよ真のガールだよ間違いなくガールだよ?!(ノンブレス))
気にしすぎぃ! 三人目は誘われし者ことサソワレさん。最初に誘ったゴブリンに負けた人なんだけどね。
(サソワレ:あの時はお世話になりました)
こちらこそなんだよ。いきなり異世界でゴブリンを殺せと言われたら日本人九割は固まると思うもの。武器があっても殺し合いはきついよぉ。カラーリングならわりとやっちゃうけどね。
次はヨミさん、蘇りし者……この人海外の女性兵士なんだよ。すごい美女。カラフルダンジョンテストプレイで死んでから蘇りし者を名乗ってるけど別に元の世界のその人とは関係ないよぉ。日本語含めたいくつもの言語をスラングを含めてペラペラ話すスーパーエリートなんだよね。すごい視界の広い戦略家なんだよねぇ。ネットだと逆に視界が狭い気がするよ。
最後がサトリさん、悟った人とか言うコテの人だねぇ。他の人が意見を言うとボソッと締めくくる人なんだよ。的確だけどちょっと厨二病。世界は多重次元構造のフラクタルなんだってさ。
キャラクターめっちゃ濃い、この2チームによるドレイク退治、スタートだよぉ! まずは大漁旗チーム、護衛のドレイクを倒せるか!!
『キンメ:中央のドラゴンを狩るのが一番なんだろぉ?』
『ヒメダイ:あんな強いので時間潰せるかバカばあちゃん! ドレイクを倒してポイントを稼ぐのぉ!!』
『フジ:じゃあ全部ぶっ倒しちゃおうねぇ!!』
『ヒメダイ:フジ姐さんも、戦力をバラけさせたらダメなんだっては!』
『ガシラ:!』
『ヒメダイ:ガシラさん冷静にスナイプしてないで?! 頼りになるけども!!』
『カジキ:むう!』
『ヒメダイ:カジキさんは斥候だって! なんで斬り込むのよぉ!?』
……うん、カラダン最弱チームだけあるね。全員が超ワンマン。これで結果を出すのが怖いんだよ。星の閃光に勝つこともあるからね。地球人チームのラグナロクは……。
『ヨミ:おー。ドレイクね。こいつ倒しちゃっていいんだよね!』
『仰ぐ:フラグ立てんじゃねえ! カレー援護!』
『カレー:動いてるっつーの』
『仰ぐ:さすがだな!』
『サトリ:諸行無常』
『仰ぐ:負けてるんじゃねええええ!!』
『ヨミ:まあ適当にやってたらいいやん』
『サソワレ:この人日本人じゃないんだぜ。信じられないだろ?』
『仰ぐ:天才が多いんだ、このチーム。以前のデータで測れると思うなよ』
『カレー:終わったらカツカレーな?』
両チーム普通じゃないんだよ? カラフルダンジョンプロチームがプロたる所以だね!
戦いが始まるよ!
『カレー:ドレイクかたいからさあ、逆にマシンガン掃射の方が効くと思うぜ。弾数弾数ぅ』
『仰ぐ:各員、カレーの指示に従え! スナイパーサトリ! 援護だ!』
『サトリ:らじゃ』
『ヨミ:自由に行かせてもらうぜ!』
『ハツネ:ヨミさんって仰ぐとカレーに影響され過ぎじゃね? 本人はハニーブロンドのスゲーかわいいお姉さんなんだぜ。なんでようへい?!』
『ヨミ:お金のために決まってるだろうが!』
『ハツネ:美女に男言葉教えたやつマジグッジョブ!!』
試合はやはり上位チームのラグナロクが優位に進めていった。特筆すべきはガシラさんのスナイプだろうか。死神のように的確に撃ち抜いていったよ。カレーお母さんの遊撃が鋭くてドレイクが次々倒れていく。仰ぐお母さんは隙を見てドラゴンにロケットランチャーを叩き込む。これで試合の形成が一気に傾いた。
無理に突っ込んでいくキンメおばあちゃんがカラーリングされて倒れ、ヨミさんが突っ込む。
最終的には組織的な能力はたぶんカラダン最強のラグナロクチームの勝利で終わった。みんなでカツカレー食べたよ。
仰ぐ「意外とあっさりだったな」
カレー「やっぱり敵の数が多い方が楽しい」




