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ヒロインムーヴ

マユリ「ヒロイン道とはなんであろうか」


アリス「また頭のおかしいこと言い出したぞ」




 私ってこの世界のヒロインのはずだよねぇ。でもちっともヒロインになれてないんだよ。全知全能なのに!


 お人形遊びはしない。これは絶対ね。恋愛はぜんぜん期待してない。


 ふむふむ。


 全知全能でも私がヒロインになる道は閉ざされてしまっているんだよ。


 しかたない、こうなったら、私には最終手段がある!


 遊ぼう。


(仰ぐ:どうしようこの子)


(カレー:ホットケーキ)


(仰ぐ:カレーも実はヤバい子なんだよなぁ)


 今回はぁ、ヒロインムーヴしまぁす! え~と、ヒロインってなんだっけ?


(仰ぐ:そこからか。カリンさんとか詳しそうだが)


(カリン:突然巻き込まれた?!)


(レヴィ:まずは全てを斬る)


(カレー:そんなヒロインはいねぇ)


(ハツネ:大変なことに気づいたが私たちのなかにヒロインがいない!)


(仰ぐ:現実見せんじゃねえ?!)


(カレー:オレ結構ラブレターとかもらうけど? 女の子に)


(アリス:それヒーロー)


 みんなで盛り上がってるんだよ。仕方ない。やはりここは恋人ごっこしようね。ユノくんと遊ぶ。ムークル街にテレポートするよ!


「突然すぎて意味がわからないよ」


「ごめんねえ、なんかこの女神さまをヒロインじゃないってムーヴメントがあるからヒロインムーヴしたくなったんだ」


「十分に素敵なヒロインだよ」


「みんな見た? これがイケメンだよ! ひーほー! じゃなかったヒーロー!」


「ぶくくっ、クスッいや、マユリはマユリだね」


「そこ~、バカにするの禁止ぃ~」


「ほめてるよ。ぷっくくく」


 もう、ユノくんは王子さまなんだから無口無表情でいいのに。腹黒だけど。この女神の目をもってしても見抜けないけどね。


 とりあえずどうしよう。ヒロインと言われたら私が一番困る。恋愛しないもの。


「ユノくんカートやる?」


「うん!」


 うおお、今の見た? すごいくすぐるような可愛い笑顔だったよ!? 彼がヒロインではなかろうか。まあいいや、カラフルカートにいこう!


 選手はわたし、カレーお母さん十四才、ユノくん、レニーちゃん、スズメちゃん、アリス、ミント、セリエ。ミントはブルーフレアのリーダーでセリエはダグラスさんのチームの治癒師さんだよ。


(ハツネ:控えめに言ってカオス)


 分かってるけどやるんだよ! ぶっちゃけめっちゃワクワク!


 GO! ハツネお姉ちゃん解説お願いね!


『唐突に始まりましたカラフルカートレース、ちょっと長めのコースを四周します。出走者の車種を紹介しましょう』


 一番私はパワータイプ。二番ユノくんはダッシュタイプ。厳しい相手なんだよ。三番のカレーお母さんはパワータイプ。ゲームは絶対最強だよね! 四番レニーちゃんは小回りタイプ。計算高そうだよね? 五番スズメちゃん、実戦は最強。スピードタイプで刺してくる! 六番のアリスはパワーを選んだね。これ実は荒馬で使いこなすの難しいんだけどアリスだからそこは余裕かな。七番ミントさんは奇襲してきそう。ダッシュを選んだね! 八番セリエさんは余裕のパワータイプ。


 楽しくなってきたよ! いくよ! ハツネお姉ちゃんの解説は盛り上がるんだよぉ!


『はい、始まりましたカラフルカートリーダー戦、次のリーダーは君だ! さあ、選手を見ていきましょう。一番はこの人、世界一優しい破壊神小学生マユリ! 二番はユノ王子、巻き込まれたかと思ったらすごく楽しそう! この人冒険者志望だった! 三番は異世界の最強カレー戦士カレーお母さん!(誰がお母さんだ!) 四番はレニーウェル公爵令嬢! 悪役とか言わないで! すごくいい子だよ? 五番はスズメちゃんね。神勢以外では最強の十二才。彼女が楽な相手だと思う人は死ぬね! 六番はアリス! 我が友よ! こいつが弱いと言う感想を持てないだろ。聖女! 七番はミントさん、ブルーフレアのリーダーだ。実績のこしてるよぉ! カラフルダンジョンでブルーフレア知らないのはモグリ! 八番最後はセリエね、ダグラスチームで実は日本人転生者でアリスとカリンと私で四人で酒飲んだりする! そんな八人によるカート戦、配信しなきゃバチが当たる! GO!』


 さあ、始まったよ! まずはダッシュのユノくんとミントさんが先に出る!


 セリエさんとアリスが横から車体をぶつけてくるよ! 分かってるなこの人たち!でもね! カレーお母さんは静かに抜けていった! パワータイプ仕事しろ!


『マユリ、マナポーションを力ずくで取った! 結果最後方にさがる!』


 期待されてないのは分かってるんだ! え、一番人気? 知らないなぁ。スズメちゃん、するうり、と伸びていく! スピードタイプの真骨頂だけどあの子このゲームすでに知り尽くしてない? 天才なのは知ってた!


 レニーちゃんは普通に抜けていく。まあパワータイプより小回りの方が速いからなぁ。


 前方でカレーお母さんがスキル発動したね! 近距離だからヤバいかと思ったけど前方に雷撃した模様!


 セリエさんがやられたみたいだね。よこ抜けていくよ。アリスが六位。セリエさんがこんなとこで終わるはずがないから見張っておこう。


 ぎゃあー! セリエにサンダー食らったよー! 抜かれた~!


 カレーお母さんが五位に抜けていったから私は最下位だけど全力でショートカット入れていく。前が見えてこなーい。


 アリスはひょいと五位に上がる。カレーお母さんは効率的にマナ(魔力)を使わないで四位に上がっている。一番大事なのは妨害行為だもんね。ゲーマーのカレーお母さんは強敵!


(カレー:お母さん言うなし!!)


 なぜか先頭集団を走ってたミントさんを追い越す。誰かのトラップにはまったね?


 七位にまで上がったんだから上を追い越していこう! ユノくんのお尻が見えたよ!


 アリダー! サンダー!


 王子さまはお尻からサンダーを受けて私が追い越したよ! ぷくく、残念!


 五、四、三、二、一はセリエ、レニー、アリス、スズメ、カレー! みんな強敵だ!抜けるのか?!


 というかやっぱりスズメちゃん強いのね! スピードタイプは使い勝手悪いのにまるでカーブが無いようにドリフトきめて走り抜いていくんだけどあの子おかしくない?!


 レニーちゃんもそういう意味ではおかしいね! セリエは最初からおかしいけどカレーお母さんが強いの! ゲーム把握してるからまなぽ取りまくるし! やめてサンダー!


 荒すぎるんだけどこのゲーム! 死○星が見えるよ!


 どうにかダッシュ系アイテム拾って走るゥ!


 前には四人だね。まあこのレース四周だから抜いてもまだ終わりじゃないんだけどガンガン行くよぉ!


 際どいコーナリングでまずは抜かれてたセリエを抜く! スイーツ食べすぎだから!


 レニーちゃんのお尻も見えてきた! さあ、抜かす……あれえ! 土壁ぇ!?


 レニーちゃんは貯めたマナで土壁を作ってきたんだよ。私ギリギリで回避するも大きく減速して膨らむ。これやばすぎない?


 まだ四周あるからいいけど超やる気だよね!


 後ろからもユノくんとかセリエ迫ってきてるゥ!


 このレースやばくない?!


 コーナーギリギリを攻めるゥ! ショートカットはパワータイプの特権だよぉ!


 アリダー! サンダー!


 レニーちゃんを抜いて前に行くぞ。


 つかカレーお母さんが見えない! これ抜くの無理じゃね?


 せめて目の前のアリスはぶっちぎる! ふぁいあ!


 丸焦げ停止アリスを抜くよ! 体当たりでさらにスピンを食らわせる!


 きびしいよぉこのレースゥ! まだ前にスズメちゃんとカレーお母さんがいるとか無理ゲー!?


 スピードは緩めないでコーナーを刺す! ラップをギリギリまで削らないと前が見えないんだよお!





 最終ラップまで二人に追いつけなくて女神なのに三位で終わったよ。このゲーム大好き。一位はカレーお母さん。おめでとう。


 ヒロインムーヴってなんだっけ。まあ負けたけどいいよね。スズメちゃんがヒロインだよ。スピードタイプ使いこなしてたよ。一般村人なはずなんだけどチート過ぎない?






マユリ「天知る地知る私が知らない」


アリス「全知全能なのにな」


マユリ「愛など知らぬ!」


アリス「それっぽいセリフだな!」




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