魚釣り!
マユリ「拠点作る~」
レヴィ「楽しみね! ごはん!」
マユリ「やっぱり食いしん坊?!」
てきとーに拠点を作るよ!
気に入らなかったら直すしね!
砂浜が見える場所を探して少し西へ移動。小さな川と対岸に崖が見える、砂浜から少し上がった場所に作ることにした。崖にダンジョン作ろうと思うんだよね。私は作らないけど、それはあとでね。
地面に基礎を作って、何泊かしたことがあるログハウスのコテージを作るよ! 大きさとかは変えるけどね! 表面が丸太な家がログハウスでお風呂とかの施設が整ってるのをコテージと言うのでログハウスのコテージは存在するらしい。
無知って楽しいと思うよ! 人と話しててもなんでも知ってるより知らないことを聞くのが楽しいもんね。全知は切り離されてて正解だよ。
さて、基礎もしっかりしたコテージを手のひと振りで作ったよ。中はいくつもの部屋があるけど入ったところはリビングだね。ダイニングも隣にあり空間的に繋がってるよ。ソファとかも上物! さっそくふかふかを試そう。
あ~、これは人がダメになるやつですわ~。ふかふか。レヴィも楽しそうにテーブルを挟んだとこでふかふかしてる。紅茶もお茶菓子も[創造]して並べるよ。アイスボックスクッキーとかチョコサンドビスケットとかジャムクッキーとかのり巻きアラレとか硬くて歯が折れそうな醤油せんべいとかも並べる。チョコケーキとかは今はいいかな~。病気にならないしおやつも食べ放題だけどね!
チョコ系は嫌いじゃないんだけど初めて食べたのがビターできつかった記憶があって、それ以来ミルクチョコの渋さも感じてしまうんだ。インプリンティングだと思う。初めてが不味かったら引きずっちゃうみたいな? キノコは克服した。
ついでにナビさんに実体化してもらう。黒いクラシカルな長めのメイド服に眼鏡は銀縁! インテリっぽい! 銀髪に青い瞳、ヘッドドレスは黒い! 肌はうっすら赤く染めてるけど白い肌! 赤さまなみのもちもち肌! ちなみに赤さまは赤ちゃんの最上級呼びだよ!
「給仕の必要がないのでメイドを雇っても仕事が楽そうですね」
「実働はナビさんの分身にやってもらおうかな」
「ダリぃですわ」
「ナビは疲れないじゃん。べ、別に私もメイド服着たいとか思わないけど?」
レヴィのツンデレが可愛いね! まあ友達とか呼ぶ時にはやってもらおう。もちろんゴスロリで!
さて、寝床を確保したので中を見て回ろう。終わったら日も高いし釣りをしようかな。ナビさんによるとちょうど潮時だしね。潮時はちょうどいいタイミングの意味なんだよね。撤退するタイミングじゃないよ! 満潮や干潮は釣れないんだって。潮が動く時間帯が魚もそれに乗って動くからスレてない魚がいつもいる状態で釣れやすいらしい。スレると言うのは魚が釣りを見切って餌とかルアーに寄ってこなくなる状態だよ。
さて、コテージと言うだけあってトイレやキッチン、お風呂も完備。ちなみにエアコンはないけど私が壁とかに命じたら適温にしてくれる。命令しなくてもしてくれるらしい。神が作ったアイテムは気が利くのだ。物足りなければ施設を足してくれたりも全自動!
お風呂もちょー広い。二十五メートルプールくらいあるよ。外から見たら絶対に家の中に入らない大きさ。認識が歪んでるらしい。ちなみに外からは見えないけど中からは見える露天風呂にできる。神さまなのでなんでもありです! なんでもありって言われると逆に困ることない?
トイレとかの排水は家が処理してくれるので下水もいりません。この世界の物質量は自然に一定値になるらしいよ。消えた分は魔力になって植物とか魔物とかの生物が発生する。魔法金属とかもね。擬似的なエネルギー保存の法則?
まあお金とか作りまくったらインフレとかはあるけど、[創造]は世界に影響が少ないようにはなっているらしい。神さまのスキルだしね。まあ影響を及ぼそうとしたら滅びそうで滅びない、とかできるんだけど。もちろん宇宙規模で滅ぼしたりもできるけど、意味あるの? 楽しくないよねぇ。
将来宇宙に廊下を作ってそこで生物が生活できる空間を作ったりとか楽しそうだけどね。しかしとんでもない能力だよね、我ながら。
これで「神さまに当選したのは違う人でした」とか言われたら心停止しそうだよ。ないけどね、主神さま過たないだろうし。そもそももう私心臓止まらないや。現実的な意味でも神的な意味でも。
まあ間違ったら無かったことにするわけで、フォシノーさまもたぶん気にしないと思う。
寝室、ベッドもふかふかよぉ~。天蓋付き! レヴィ一番に飛び込もうとしない!
うげ、ナビさんがベッドにすでにインしてる! 手招きやめなさい!
危険なので外出です。その前に、キッチンまわりは日本の設備と変わらないよ。ガスや水道がいらないから管とかないので、スッキリしている。冷蔵庫とかも壁の中に入ってて広い。絶対に指を切らない包丁とか、装備が一つ一つすごいわ。まあ料理は創造スキルで作れる。でもそれじゃ味気ないからね、多少は自分で切ったり煮たり焼いたりはする予定だ。……それも神業になってしまうんだよなぁ……。やっぱり学習って楽しいものなんだよねえ。死ぬまでお勉強したくなるよ。強制は嫌だけどね。
さて、釣りに行こう。難しい仕掛けとかはナビさん任せになってしまうので私がわかる範囲で、ルアー釣りとかちょい投げ釣りとかしてみよう。動かない釣りは退屈だと言うけど動く釣りというのはわりとある。アクションを加えたり細かくポイントを動くランアンドガンなんて釣り方もあるしね。私は渓流でポイントを変えながら釣るのが好きかな。
神の力で遠投すると一キロとか飛びそうだけど、百五十メートルからどんなに多くても三百メートルしか巻けないのが普通のリールだ。糸巻きね。マグロ用とか深海を狙うのはもっと長いけど投げ釣りには向かない。
よって、投げ釣り用スピニングリールのセットは作るんだけど糸は神スキルでいくらでも伸ばせるようにしておく。一キロ以上にするとアクションにも神スキルが必要になりそうだ。人類はたぶんやったことない世界だよ!
スピニングリールと言うのは竿に対して横巻きのリールのことだよ。縦巻きはベイトリールとかタイコリールとかいろいろ分かれてる。まあ瀬戸内海くらいならどんなに深くても水深二百メートルくらいなのでスピニングでも釣れるんだけどね。真鯛とかは深海魚だからその辺りにいるよ。
今回の竿はおかっぱり、陸から釣るから十二フィートのルアー用のを使う。これだけ長いと普通の女の子には重いね! リールもそれに合わせて五号ラインを百五十メートル巻けるやつ。今回はルアー用スピニングロッドでいくよ!
ルアーは遠投ならバイブレーションがただ巻きで釣れてくるんでいいんだけど、今回は神スキルで作れるのでよく釣れそうなミノーを使うよ。バイブレーションというのは横から見るとフナとかタイみたいな、丸っこくて縦に見ると薄いんだけど、普通に糸、ラインを巻き取っていくとぶるぶる震えるのでバイブレーションという。カラーはピンクとかもあるよ。重いルアーなので水に沈んでいくんだけど棚を取って釣るのに向いてるよ。棚を取るというのはルアーが泳ぐ深さを浅いところから深いところまで選べるということ。
そして今回使うのはミノーという、イワシのような小魚の形をしたルアー。長さはバイブより長いけど細い小魚、いかなごみたいなのもあるルアーで、カラーリングがナチュラルで小魚のようにしか見えない。釣り人が釣れるルアーなんて言う人もいるけど、それくらいリアルなカラーでリアルに泳ぐ。三又のルアー用の針がお腹のとことしっぽに付いてるよ。
さて、つりはじめるよー。遠投するよ~。竿を肩から後ろに構えて両手はラインに指をかけるのと竿を保持するのに下の方を持って、肩越しに振るんだけど、糸を止めているベールという金具を起こしてないと投げられないよ。しゅっぱっと竿を振り、ラインを放すと、どんどんラインが伸びていく。神スキルはここだけでいいんだけど、ルアーも私が作ったので神器だし、ラインもそうなので普通の釣りではないね。ルアーは自ら小魚のように泳ぐしお魚の好む香りとかオーラまで出してるしラインは不可視で絶対に切れない。普通の釣り人なら使ってみたいかもしれないけど入れ食いになるよ? テクニックがいらないのはつまらないよね。ちょっとロッドアクションを入れてみよう。
竿をコツコツと振ると、ラインを伝わってルアーがアクションをする。ペンシルとかポッパーとかフローティングルアーやミノーみたいなお魚に近いアクションをするルアーだとこの竿の動きでかなりルアーの動きが変わる。ルアーの名前は調べてね! ロッドアクションは自分のやり方を探すのも楽しいよ。私は自然とポンプリトリーブを使ってたけど、まあみんなおんなじことを考えるよね。でもテンプレートで釣れても楽しくないよね! オリジナル技とかカッコいい!
まあ釣れないけどね! だからみんなやらないんだけど!
普通に巻いてるとガツン、と当たりがきたよ! 竿が海へと引き込まれてるよ! 重い! おさかな~!
「フィッシュ~! ってこれ大きいなぁ!」
しまった、これタモアミかギャフとか必要なやつ!
レヴィを呼べばよかったんだけどとっさだったので助手を作り出した。神造生物だよ。まあ人間も神造生物だけどね。
垂れ耳で二足歩行の、プードルとかテリアみたいな丸っこい顔にモコモコの焦げ茶色の体毛が全身に生えている、コボルトとか言われる獣人を一メートルくらいの体型にした全体的に丸っこい新生物が爆誕した。君をムークルと名付けよう! てきとうにいま考えた!
「きゅきゅ~!」
「鳴き声が可愛い! タモさんをガッチリ持ってるけどその手どうなってるの?! 犬の手だよね!?」
「きゅ~!」
そこは神パワーね! 神造生物は融通が利くよね! 人間は利かないよ。お人形じゃないからその方がいいよね!
っと、おさかなおさかな~! ちなみに今のやり取りは神スピードで0・1秒以下でやったよ!
大きくて黒い背中のお魚が水を裂くように泳いでくる。二メートルくらいありそう。一日じゃ食べられないよ~。百キロくらいありそう。私の二倍と変わらない! 二倍より大きい!
脊椎動物は魚から哺乳類まで食べられるのは鱗とかヒレとか毛とか骨とか内臓を除いて半分から六割くらいが普通らしい。無理したら全部いけるけどね。五十キロ食べるの何日かかるの? 一食一品で五百グラムも食べないけど一日一キロとしても五十日。もう今日は釣らなくていいくらいだね! 海中散歩の時にもいろいろ拾ったし!
釣れてきたのはブリみたいな形の皮は青い赤身の魚だね。神眼なので肉とか透視しようと思えばできてしまう。水の照り返しもスルーして水の中が見えるので偏光グラスも必要ないけど作ってかけてみる。帽子もフィッシングキャップだよ! 服は水着のままだけど! 変態っぽくない? だいじょうぶ? 結界の中は常夏に設定したから寒くはないけどね!
やっと近くまで寄ってきた魚、暴れるので麻痺させてタモアミに引き込んだよ。最後は神業に頼っちゃったね~。収納スキル発動~。最初からこうすればよかったけどムークル産まれたからよし!
夕ごはん食べちゃおうか。明日はなにをしようかなぁ~♪
帰り道、夕日を浴びてドラゴンが飛んでいったよ。雲を引っ張ってて、一瞬鳥みたいに見えた。高いところを飛んでるんだなぁ。あれはナビさんによるとドレイクというらしいよ。
ムークル「きゅきゅ~♪」
レヴィ「またなんか作ったのね……もふもふ」
マユリ「やっぱりもふもふはいいねぇ♪」
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