カラフルダンジョン二号計画
マユリ「会議の話だから退屈かも?」
ハツネ「私は好きだから任せとき」
執務室に移動して話すことはカラフルダンジョン二号計画。名前も決めないとね。二号はイヤだ。
「おお、マユリ様、いらっしゃいませ」
「こんにちは!」
出迎えてくれたのはやっぱり騎士団長のミライアさんだよ。
三十代だけどダンディー。マッチョ。大型犬。
「おお、王よ、宝物庫もそろそろ整理が必要ですな」
宰相さん、カンブル=ガイス=ナギサリオ公爵。おじいちゃん。髭が長くてモノクルをしているよ。髪型が玉ねぎ。
「おー、マユリちゃん久しぶり。いつも娘と遊んでくれてありがとうね」
この気安く喋りかけてくれる人はレニーちゃんのお父さん、グロリア=レイ=バレット公爵。王弟殿下でもあるよ。スマートでイケメン。レニーちゃんのお父さんだけど二十代くらいの見た目。実際は三十代だよ。付き合いやすい人だけど高位貴族だからね~。
「さて、今日はマユリ殿が大きな仕事を持ってきてくれた。小会議を始めよう」
王さまは名前はグレン=ドゥーエスト=ドラヘル。ドラヘル王国の王さまだよ。弱腰とか言われてるけど柔軟な思考をしてるし正確な判断をしているだけだね。弱腰言ってた人たちはだいたい不正してたし。戦争したいだけのバカだね。
「私も参加しても?」
「うむ、人手がいるからな」
この人はザイン=マッケン伯爵。元侯爵で財務大臣をしてたけど私が告発した人ね。クリスタスくんのお父さんだよ。少し自分の考えで仕事をしてしまうことがあるんだよ。神言で直したけどね。なので財務大臣に復職する予定。すぐにはダメだけどね。国の中心にいた人だから迂闊に外に出せないと言うのもある。処刑するほど罪が重くない。なので表向き降格だけど職務自体はほぼ現状維持。お給料は下がってる。彼は領地がない法衣貴族なので大変なはずだ。
『ハツネ:皆様、カラフルダンジョンマスター、ハツネ=ヤマカワでございます。この会議は第二カラフルダンジョン、一般公開に向けての会議とさせていただきます。第二カラフルダンジョンはミサキ領東部、王都との取引を目標として小都市の建設も伴い大規模な改造を施すものとなりますのでここで予め告知させていただくものです。ダンジョン内物資などについての予定はそちらに資料として送らせていただきます。どうぞご検討ください』
ハツネお姉ちゃんは私と同じレベルだから届けたいところへ書類を届けるくらいは余裕だよ。見当外れの検討はご健闘をお祈りするんだよ。(すでに飽きてきた)
「おお」
「アイテムバッグ、欠損回復ポーション、能力強化カード、レアスキルカード……、どれもオークションにかけるレベルですな……」
「ふむ……ううん。インゴットや素材もかなり出すんだな。素材とは別に食料も普通に採れるわけか」
王さまと宰相さんが驚きつつも笑顔になっているよ。グロリアさんはじっくり見てるね。(見てるだけなので飽きてきた)
「おお、武器や魔道具もありますな」
「残念ながら銃器は無しですか」
ミライアさんとザインさんの興味は武器か。銃器はねぇ。(眠くなってきた)
『ハツネ:銃器についてはマユリが認めないものには与えられません。試作をすることは止めませんが、よく考えて決めるべきです。予めの法整備をお勧めします。いずれ広がるものですので』
ハツネお姉ちゃんってすごくない? 冷静にまとめてよく喋れるよね。私こういう空気苦手~。ちなみにさすがにこれは配信してないよ。(なので飽きてきた)
「お茶とお茶請けだよ~」
「おお、ありがたい」
「マユリ様のお菓子は美味しいですからなぁ」
「俺ももらおっと」
「ズズズ……」
「ミライア殿……早いですな(じと目)」
息抜き大事だよぉ。ようかん食べよ。洋館でよう噛んで食べるんだよ。おばあちゃんがよく言ってたんだ。緑茶に合うなぁ。(完全に飽きてる)
やっぱり私難しいの苦手。神なのに。(お茶に集中している)
「まず名前決めよう? 資料はあとで読めるし」
「おお、そうですな」
「しかし女神様の土地の中となるとやはり」
「まあ本人が決めた方がいいよな」
「賛成です」
「うむ、上手いアイデアが思い浮かびませんな」
賛成って、ミライアさんなんにも考えてないよね?! まあいいけど。アイデアはあるんだよ。(飽きてたので焦った)
「まず今あるカラフルダンジョンはヴァルハラ。新しく作る方はヴィーンゴールヴだよ!」
『ハツネ:なるほどねえ。単純に分けるならそれでいいかな。意味合いはともかく。でも長くない?』
「うーん、じゃあ急ぐ時は本館と離宮で」
『ハツネ:安直ぅ。まあ他にアイデアないしいいんじゃない。カラダン本館とカラダン離宮ね。分かりやすいか』
えへん(どや顔)。だてにナビさんのよだれがついた枕に気づいて取り替えてないよ! 関係ないか!(帰りたくなってきた)
『ハツネ:そしてこの簡易マユポンにより回収されたアイテムは一旦地上で買い取ります。大量に物資が出回っての経済崩壊は防がねばなりませんし簡易マユポンも皆さんにお譲りするわけには行きませんからね。でも逆に言えば輸送に人材を派遣したり道路などの建設、開拓、道中の拠点開拓など、仕事を作ることができます。財源は交易で賄われるでしょう』
「経済効果が計り知れん」
「うむむ、むしろ人手が足りなくなるのでは……」
「あー、それかぁ。だがこれさ、冒険者が集まったりアイテムバッグで輸送すればかなり解消できるよな」
「むむぅ」
「なるほど、その手はありますな」
「問題はバランスかなぁ?」
『ハツネ:は?! マユリがまともなことを言った!?』
「ひどいんだよ?!」
そこでみんなに一斉に笑われる。(ナビさんはやはりスルー)
こんな感じで会議は夜遅くまで続いたんだけど、私は途中で帰って寝た。(枕は取り替えた)
マユリ「ハツネお姉ちゃん変な才能有るよね」
ハツネ「みんなが未知の事実を列挙してるだけだけどね~」




