試験は初めてで。
マユリ「今日は三話更新です! お気を付けてぇ!」
ハツネ「学園にやっとたどり着いたね~」
(ダグラスさんが普通の迷宮で自分の倍ほどあるサーベルタイガーを剣に炎を纏う魔法剣で打ちのめす、まるで最先端ゲームのようなシーンが繰り広げられる。明るいフロアにタイガーを突き飛ばし、タイガーは消滅した。かっこいいね! ダグラスさんは、じゃきん、と剣を鞘に納めつつ振り返り西洋兜のバイザーを外すと前を睨み無表情にいう。「帰ったら……プリンだ」落ち着いた声で一言)
「ぶっくくく……」
(続く動画。西洋兜だけ被った黒の水着の青年がソファに思い切り背中から倒れ込む。痩せマッチョでスタイルがいい。メイド服のレヴィが小皿を持ってやってきて、それをテーブルに置くと男は跳ね起きてナプキンをつけ、スプーンを握った。美味しそうなプリンだ。「最初に兜外したら?」暗がりでレヴィが呟く)
「ド正論!?」
試験勉強の息抜きにダグラスさんシリーズの新作を見ていた。監督はハツネお姉ちゃん。毎度よくネタが出るなぁ。
試験って実は初めてなんだよね。テストなら何度もあるけど。嫌いじゃない方かな。怒られたことはないし。でも小学生だからなぁ。できてもできなくてもいい気がするんだよね。
受けるのはドゥーエスト王立高等学園。今年は王子さまや王女さまとか公爵令嬢も入るらしいのでこれは乙女ゲー世界を覗きに行かないとですなあ、と、受けることにしたよ。
試験の内容は一次がペーパー試験、歴史、魔物学、算術、文学、魔法学、錬金学で、宗教とか政治はないね。学園に合格してからかな?
二次試験、実技はよくある、魔法で壊れない的を狙うやつと三次、森で三日暮らしてなにができるのかを試験官がチェックするものとあるらしい。本格的だね?
この高等学園ではクラス分けは成績順だけど受けられる科目は同じクラスでも変わるので各クラス合同で授業するらしい。騎士を目指したり冒険者を目指したり商人を目指したり錬金術師や魔術師、官僚を目指したり、その希望を二年生の終わりまでに決めて、そのあとはそれぞれ二年~四年間勉強する。研究に携わったりもするらしい。高等学園とはいうけど半分大学みたいな感じだね。細かいことは受かってからかな? 異世界の算数とか簡単なのはなんでだろうね? 魔法があれば科学は要らないのかな。科学が通じる世界なんだしあればいいのに。まあこの世界の火をつけたり水を出す魔道具の方が私のどんな作りかわからない味噌マシンとかよりはマシだと思うけど。学問的に?
(ダグラスさんは壁際になぜか水着で追い詰められている。「……よすんだ……」なんかセクシーに拒否を示している。怪しい影が近づく。「ヌードルはダメなんだああああッ!」振り返るレヴィ。フォークに絡めたカップヌードルを真顔で音を立ててすする。向こうでダグラスさんが背中から崩れ落ちた)
「カップヌードルダメなの?! レヴィ顔が怖いよ!? なぜ水着?!」
はあ、はあ、はあ、勉強に戻ろう。中休みで疲れた。ちなみにテーブルに薄型のテレビを置いてある。ポテチの袋には隠せないサイズだよ。ポテチ(袋入り)もマシンでつくれるようにした。原材料は芋ならなんでもいける。袋までできちゃう謎性能。部屋はなにかノートに名前を書いて人を殺す人の部屋を模してナビさんが作ったらしい。意味はわからない。
そんな風に勉強をしたよ。ほとんど遊んでた気はする。まあ遊びに来たんだけどね。勉強も楽しいよ。
試験の当日。
ペーパーはまあまあできたと思う。全部埋めたというやつだ。まあトップ取るつもりはないんでナビさんカンニングはしていない。無意味だし。でも神記憶だけはあるんだよね。集中力も神だし。他の生徒も一般から多く来てるね。王都まではテレポートで来てしまったからギルドに行ったり観光をしたり王様に会ったりするつもりだ。服装はいつもの女神服じゃなくて冒険者一般の服装。質はいいけどね。貴族とかはテストを受ける建物も入り口も違ったらしい。トラブルを避けるためかな? 合格したら同じ気もするけど。
次は実技だね。会場に移る。みんな真剣に的を見ているけど、鑑定結果は王宮付きの魔導師で壊せるレベル。そんな装備で大丈夫だろうか? まあみんな手加減するか。ナビさんはなんにも言わないけどなんか企んでる気がするな。
順調にみんな魔法を放ってみせている。一般の子でもわりと使えるんだね。スキルは誰でもは使えないけど魔法で上回れるスキルが多かったり、修練方法次第でどんな系統の魔法でも使えるからみんな魔法は自衛のためもあって勉強するらしい。物語でよくある魔力ヘロヘロな庶民もいないみたいだよ。小さな女の子が大きな雷の弾を放って的を初めて破壊した。周りは感嘆しているけど女の子は不安そうだ。試験官の怖そうなおばさん先生はにこやかに頷いた。女の子も安心したみたいだね。この先生見た目怖いけど魂が光を放ってるよ!
私の番だけど、なぜかみんな見た目のことばかり言ってるね。
「可愛い……」
「え、貴族はこっちに来てないよね?」
「いや、庶子とかはくるよ」
「王族でもあんなにオーラ無いよ!」
「不敬だよ! 事実だけど!」
「あの子どんな服が似合うかなぁ?」
「平民なら! 妻に! 我が家の嫁に!」
「おっぱいもみたい! 一緒に寝たい!」
ちょっとうるさいくらい。神様ボディだから老若男女関わらず魔法的な手段を伴わずに魅了するらしい。でもちょっと騒ぎすぎかな。妻とかいってる子は騎士爵の従者の息子で実質平民だけど? 最後の女の子怖いよ!?
『静かにね』
久しぶりな気がする神言をかけたよ。常に使ってる気もする。
うーん、ちょっと今までの流れを壊してみたいいたずら心がわいてきた。実技は一番を取ろう。
どうすればいいかな? まずは普通に的を消す。……ん? 反応ないね。地味だったか。
的を再生する。反応ない。なんか振り返るのが怖くなってきた。あれ、ひょっとして派手じゃないとダメとか芸術点とかあるのかな?
ナビさんがなんか企んでるのはわかる。なんにも言わないし。乗ってもいいけど。
的を飛ばす。空に。『鳥のように羽ばたけ[創造]』
的が大きな一対の青い翼を生やして鳥のように飛ぶ。静かだ。あれ? なんか反応無さすぎない?
的を上空で花火のように破裂させ地上に再生。……そうだ、こういうイベントって的の後ろの結界も破壊しないと高得点にならないんだったね!
派手にいくよぉ! この国一番の魔導師の得意技で、太陽爆裂! よし、やっぱり結界も壁も壊れた。もちろん被害なんて出さないよ。修復。結界も強化して張り直し。あらかじめスキルをいっぱい作っておいたから的を鳥にするくらいしか神気は使ってなかったり。あ、ちなみに私の領地とかカホノ村の人はこの国一番の人でも瞬殺以下だからカウントしてないよ。強くなりすぎたのだ。
……あれ、ひょっとしてだけどまだ足りないということは無いよね?
試験官のおばさん先生(推定三十代後半)は眼鏡を光らせているけど真顔だ。うろたえもしていないよ。凄いね!
心を見るとちょっと小じわを気にしてるらしいので十五才ほど肉体細胞が若返るスキルも使ってみたよ。そこで眼鏡の先生はこちらを見る。肌をペタペタ触りだしたよ。大丈夫、十代にも見えるくらいだよ。手鏡を出してあげる。収納スキル~♪
「……あなたが神か」
なんか言い出したよ?! あれ?! いつの間にかやりすぎてたかも?!
みんなが騒がないと思ったら神言で縛ってたからだった。解除。
「すげえッ」
「自信なくしたぁ! 帰るう!」
「いや、先生若返ってんだけど。ぶっちゃけ好み!」
「知るか! あの子とお友だちになったら名声思うのままじゃん!」
「……お館様に報告せねば……」
……テンプレがフェスティバルでやってきたよ。うん、ナビさん怖い。ダグラスさんの動画見て落ちつこうっと。はぁ。
ちなみにそのあとの森林演習の方。
「森の中なんて楽しそうね~!」
商人の娘さんが早速絡んできた。名声思うのままじゃんとか言ってた子だね。不思議と魂は綺麗だ。名声だろうと力がないと弟妹を守れないって意思を感じる。うん、この子は友達になれるな。小人族のエミーちゃんというらしい。よろしくね? 商人のことはエミーちゃんに聞こう!
次に声をかけてきたのは女の子みたいな顔の小さな少年だ。名前はバット君だね。優しい顔をしているけど心は強い。なんか魂が覇気を放ってるね。髪と目は綺麗な青だ。種族はハイエナの獣人? 珍しいね。ちなみに肌はつるつる。尻尾と耳以外人間な子だよ。
「僕は英雄になりたい。力を貸してほしい!」
ストレートに来たなあ。まあトレーニングくらいはするし領地でカラフルダンジョンアタックしてもらおうかな。この試験に合格しなくても拾うよ。
やっぱり学園に来てよかったよ。有力な人が多いね。お、もう一人見っけた。
恐る恐るだけどしっかりこちらに視線を向けてきている。両手を顔の下で握りしめて勇気を貯めているよ。
「しっつれいします! 女神様!」
「女神じゃないけど?!」
女神だけど、看破した?! まさかね?! ステータスとか鑑定とかに対してとか、神スキルで当然隠蔽されてるよ?
「貴女のように美しい方が女神じゃないわけがない! 貴女に小物やドレスを作って着せ替えしたい!! 邪な者は見ただけで滅びる神ファッションを与えたい!!」
なんか変態だけど魂は燃えてるね。ちっちゃいから怖くないけど。友達になってもいい人だ。王都の小物屋のリリカさんというらしい。この人はドワーフ。黒髪に黒目だよ。スマートだしドワーフらしくないね! 王都に出店してるんだから相応に力はある家だろう。
「ふん、庶民にしては、う、うつく、しい、な」
なんかギシギシ音がしそうな歩き方で革鎧のフルアーマー少年が完全に負け戦だけど前に進むような心持ちで偉そうに声をかけてきたよ? 大丈夫? 汗が空に置いた海を決壊させたみたいに出てるけど?! エルフだからって傲慢に振る舞わなくて大丈夫だよ?!
「う、うえ~ん、わ、私のつ、つまとかむりだ、と、ともだち、いや、従者? 私がね? 下僕! 奴隷でも大丈夫!」
「君が大丈夫?!」
彼は騎士の従者の息子ラッドリン=イヴァンス君というらしい。ラッドと呼んでくれたら嬉しくて崖から飛び降りるとかいいだしたからそれは止めておいた上でラッドりん君ね。なんか貴族の端くれだけど平民と変わらなくてでも騎士になるなら誇りは必要で、でも自信ないし、みたいに心はすごく混乱してるね。魂は緑に輝いている。森を愛しているらしくてドリアードに好かれている。友達おっけー。
こうして、試験を突破できるかわからない段階でパーティーを作ったよ。小人商人のエミーちゃんにハイエナの英雄志望バットくん。ドワーフの小物屋さん職人ドワーフなリリカちゃんに前向きなのか後ろ向きなのかよくわからないけど頑張る少年エルフのラッドリンくんの四人だ。これが私たちの第三次試験、森での野営パーティーだよ!
……掲示板に大惨事試験とか書かれないようにしよう。誰だフラグとか言ったの。
マユリ「ダグラスさんいいキャラだよねぇ~」
ハツネ「海パンもっとやれ!」
ダグラス「撮影場所は常夏なんだ。すまない」




