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ギルドが長いが迷宮は短い。

マユリ「ギルドの説明は長いんだよ」




 はあ、長い。とにかくエンシェントドレイクの処理とそれによってギルドマスターにはこれから真摯に仕事してくれたら許すと神言で申し渡した。神言なので私自身がどんなに頼りなく見えても納得する。このスキルがきっと一番ヤバいんだよねぇ。効かないケースがあるけど。


 そしてまあ、カラフルダンジョンのためにお金がいるので思い切り高値になるオークションに出品することにした。魚とか貝とか珊瑚の大物とか真珠とかをとりあえず引き取ってもらえたので懐は暖かい。テレポートで家に帰ったがどうも魂ドブスに追われていたらしい。魂ドブスはやることもドブスだ。顔じゃないよ?


 ちなみにダグラスさんに話したら額に手を当てて俯いて、悲しそうに「……ドブス」とか首を振りつつ呟いたのでハツネお姉さんと笑い転げたよ。やめてその重低音! 美声で言うことがドブスって!


 まあドブスは置いといて、ダンジョンのモンスタードロップのお金を少し増やせたよ。ドレイクのお金が入ったらだいぶ良くなりそうだね。


 私は迷宮都市の若手冒険者に混ざって潜るつもりだよ。まあ二週間したらテストがあるから王都にテレポートするんだけど、その時にはカラフルダンジョンに誘うんだ。神の計画に誤りはない!


 いや、あるよ? あるけどね? なかったことにするー。これはかなりみんな怖がってるスキルなんだよね。なんならナビさんすら恐れてるよ。まあ私はあんまり気にしないキャラだし発動しないと思うんだけどね。世乙辺とか掲示板でかなりやりすぎてる気がするけど気にしてないし。


 さて、ギルドでは私はAランクに認定された。テストはどうした、と思うかもしれないが考えてみてほしい。一軍を突っ込んでも勝てないエンシェントドレイクの素材をたんまり持ち込める冒険者をギルドがフリーにするメリットがあるのか。そういう話である。例えば素材を手に入れたその方法がどこかの勇者に頼んだのだとしても、勇者とコネができるなら冒険者ギルドは喜んでランクを売るだろう。そういうことだ。ギルドは商売である。営利組織なのだから。


 かっこいいことを言ったみたいな顔をしてみたがダグラスさんの受け売りである。


 そんなわけでエンシェントドレイクをオークションで売るまで長々と二週間を使いきる勢いである。ギルドの話が長いよお。ちなみに本体の方は反省したから治しておいた。またお肉をもらわないとね。


 ギルドが長いのでその辺の冒険者を掴まえてダンジョンに潜ることにした。治癒師名目でね。そのパーティーには冒険者スマホを譲る予定なんで魂が綺麗なパーティーを選ぶよ。もちろん。そのうち世乙辺(よおつべ)出演予定だしね。


 選んだ冒険者は駆け出しから脱出したくらいのDランク冒険者、ブルーフレアというパーティーだ。


 メンバーは戦士のミントさん、剣士のクミンさん、斥候のアニスさん、魔導師のバニラさんだ。


 ミントさんとクミンさんが同い年の十六才、アニスさんが十八才、少し離れてバニラさんが二十八才、見た目は同じくらい。


 リーダーはミントさんで普通の人族の、回復魔法がちょっと使える盾職だ。髪も目も染めたように赤い。炎のようだね。魂も綺麗だったのですぐに選んだよ。クミンさんは青い髪の狼獣人らしいのだけど、顔は普通の人間だね。耳は頭の上から生える大きな三角だから目立ってる。動きが素早くて滑らかだ。戦ってきた人って感じ。古傷とか治したら喜んでくれたよ。体も動くようになったらしい。アニスさんは斥候職のお姉さんで小人族らしく小さいが弓の腕がいいらしいね。ガンナーになりそうだよ! 最後がなぜか一人お姉さんのバニラさんだけど、見た目は他のみんなと変わらない。エルフなのだ。


 この世界のエルフも物語のように長生きらしい。小人族もね。獣人は少し短い人とやたら長い人がいて一概に言えないみたいだね。狼獣人も魔法が使える人は長生き傾向みたい。クミンさんは使えるらしい。将来は魔法剣士だね。


 私が治癒師でいきなりAランク登録ということで揉めるかと思ったけど誰もなにも言わなかった。はて、と思ったけどみんなが私の神ステップでするするベンジャミンこと魂ドブスをさんざん躱していたのを見ていたのと、エンシェントドレイクの話も影から聞いていたので只者じゃない認定されたらしい。嗅覚がいいね! 実際貴族にしても手を出せないレベルということだね。実際は王さまや教皇さまより私が上なんだけどなあ。


 まあ絡んでこられても神言で回れ右だけどね。危険はナビさんが見ている上に神性結界もあるんで問題ない。もちろんミントさんたちにもすぐにかけている。まあ魂が汚い人が寄ってきたらわかるし躱すし、ナビさんによる影の処断とかありそう。まああの人トラブル好きそうだからなんでもない相手なら近づける気もするな。じっさいにほぼなんでもないけど。


 さて、ギルドで時間を使いすぎたから撮影もかねてさっそくこのパーティーでダンジョンに潜ることにしたよ。


 ダンジョン入り口で小娘な私がAランクなのでちょっと揉めたけどさすがに、帰るかな、とか呟いたら通された。そもそも偽造不可能なのがこのギルド証だし、冒険者は自己責任だ。Cランクより下なら多少過保護に意見するけどAランクに意見する職員はまずいないらしい。そこまで行ったらそうだろうね。


 冒険者ギルドは貴族に対しても冒険者なら一切責任を取らない姿勢だし、冒険者がいさかいを起こしたら普通に衛兵に捕まる。保護はされません。衛兵より強かったら普通に冒険者ギルドや騎士が出てくるよ。そこまで行けばお尋ね者で普通に町では暮らせなくなるね。冒険者だろうが無かろうが問題を起こしたら捕まる。当たり前だね。ギルドでも見せしめで厳しい処分を下すよ。二度と冒険者は名乗れなくなるね。わりとそのあたりは徹底してるらしい。たびたび規約については言われるらしい。


 だから長いんだよギルド! ダンジョンに入るのだ。


 マールブルダンジョンは鉱石や砂の魔物、宝石を取り込む妖精のような魔物、それを食べる魔物なんかが集まっているらしい。硬そうだ。


 最初は治癒師の振りをしつつついていく。治癒師の見本がヒャッハーなセリエさんしかいないけど、どうしよう。うん、真似してはダメな気がするよ。


 三階層くらいを楽に突破して、周りに人がいなくなったあたりで公表してみる。


「私は主神さまに遣わされた女神なんだ~」


「うっ、やっぱり只者じゃなかった……」


「名声を高めるチャンスだぞ」


「まあ強すぎるよね~見た目が子供なのに~ねぇ」


「光栄ですわ……森を出て良かったですわ……」


 ミントさんには分かっていたようだ。まあ明らかに人間じゃない動きも挟んだしね。クミンさんは功名心が高いらしい。心は綺麗だから大丈夫だろう。アニスさんは斥候だけあって観察が仕事だからバレバレだね。バニラさんの話は聞けば聞くほど「エルフめんどくさい」と思わされる。とにかくプライドが高く、必死に努力するなど短命種族がすること、だのと大したことできないのに偉そうらしい。触れたくないよぉ……。滅ぼしそう。


 でもバニラさんみたいに他の種族を見下さない(シティ)エルフも多いらしい。学校の先生をしている子供好きなエルフはたくさんいるのだとか。全部が悪いわけじゃないっていうか、文化が悪いだけだね、これは。でも面倒だから手は出さないけどね。バニラさんもそれでいいらしい。町エルフって苦労人が多いイメージあるなぁ。


 それから今日のダンジョン探索が終わったら私のホームに来てもらうことにして、サクサクっと敵を倒して隠し扉見つけてボス倒して、ブルーフレアのひと月分稼いでから帰ることにしたよ。撮影はしたけど使うとこ無いかも?


 ダンジョンが簡単すぎる! というかこんなダンジョンで大丈夫か? ハツネお姉さんの有能さがすごいんだが!? カラフルダンジョンは面白いしね!


 まあ、ちょっとギルド対応で時間を取りすぎた感じがあるよね。ダンジョンより長かったよ。まあ規格外が入ってきたら慌てるか。もっと神ムーブした方がいいのかもしんない。ナビさんが手加減よろしくとか言ってきたけどね。私小卒だしぃ~。と無知ムーブしておく。まあナビさんもニヤリとしていたよ。実体化させてブルーフレアのみんなに紹介しておいた。レヴィも拗ねてるので紹介したよ。可愛いと話題に!






マユリ「それで戦うとなると早いんだよ」


レヴィ「斬れないもの無いしね」




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