学園に行くよ。まずはこの世界の迷宮都市!
マユリ「お約束だよ!」
さて、三月には学園で試験があるから世乙辺が楽しいけど置いといて、王都に向かいます。途中に迷宮都市があるみたいなのでカラフルダンジョンのチャレンジャーを探しに行く意味もあって、そこで二週間滞在する予定。冒険者登録もしないとね。
カラフルダンジョンの方はカホノ村民の大人と子供たちと冒険者さんとムークル連合が団体対抗戦をやって盛り上がったよ。試合の中継はまた載せるね! ちなみに子供たちチョー強い。
学園に行くと告げると冒険者さんたちもカホノ村の人たちも困ってたけど、問題があったらナビさんがサポートしてくれるからねぇ。毎日帰ってこれるし。ちなみにムークルは連れていかないけどレヴィやナビさんはついてくる。呼べば出てくるし状況を察してくれるだけだけどね。
道具や食料、着替えとかは収納に詰め込んである。
うふふ、今の私は上機嫌だよ! ついにこの世界で冒険者登録! 待っててテンプレ、私が今いくわ!
ちなみにAランク冒険者でお得意様のダグラスさんからは紹介状とちょっとした冒険者あるあるを教わっておいたよ。ナビさんに聞けば分かる? そこで楽をすると人とコミュニケーション取れなくなるからね。
まあそれは置いといて、ダンジョンの街、迷宮都市マールブルに来ました~!
入領税は小銀貨一枚、百グリン、約三千円。安いと見るか高いと見るか。兵士さんに神笑顔で手を振って別れる。顔が真っ赤だね。まあ神さまが設計した美少女だからね!
領主さんは悪い人みたいなのでナビさんを伝って遠隔神言であらかじめ心を入れ換えさせておきました。あんまり長く滞在しないけどね。
街は石畳できれいに整備されているよ。外壁と土の丘に囲まれた土地で、露天掘りみたいな構造の街になってるね。段階的に真ん中が一番深くなるように掘ってるんだけど、たぶん元々は鉱山で中央にダンジョンが現れたんだろうね。宝石や鉱石、それらを目当てにした魔物が多いらしい。
魔道具も出回ってて街には街灯もあるし、看板にもネオンが煌めいているね。魔石加工技術も進んでいるらしい。錬金術で現代世界みたいに発展しているんだ。まあうちの村には及ばないね! ちなみにあそこはソルクルス辺境伯領の南にあるんだけど、ドレイクの住む山のせいで開拓は入ってなかったので王様に正式にもらうつもり。神の脅しとかでるかもしれないけど、面倒くさいから神言で認めさせるかもね。正式とは。
迷宮都市マールブルの冒険者ギルドにナビさんのナビでたどり着いたよ。ゲームでよくある光る矢印で案内されたから楽勝。絶対に迷子にならないね。
冒険者ギルドの建物は四階建て。漆喰の白い壁がまばゆいね。ギルド長も悪い人なので(以下略)。え、まともな人いるよね?
ギルドに入ると中は意外と清潔。あれだね、悪い人って見た目はきれいにしたがるよね。ビシッとした服を着てるけどヤクザなことを平気でする感じ? かえって怖いなぁ。あ、神だから平気だわ。さっそく柄の悪そうなオジサンが前に立つ。身長二メートル超えたムキムキで私の横幅三倍はあるマッチョさんだ。意外にも魂が綺麗だよ! 顔は無精髭だらけで筋肉質なカクカクした顔で団子鼻だけど魂はイケメン!
「おう、お嬢ちゃん、こんなとこになんのようでぇ」
「冒険者になりにきました!」
「どっかの貴族のお嬢さんかぁ? ここはお前さんみたいな娘が来るところじゃねえ、帰りな!」
テンプレ台詞いただいたよ! でも魂イケメンだから脅しも力が入ってないよ! 親切心百パーセント!
「まあまあそういうなピエール。お嬢さんは治癒師かな? ようこそマールブルへ!」
「チッ、嬢ちゃん、あいつには気をつけろよ?」
この人この顔でピエール?! 名前もなんか紳士な執事見習いみたいな名前だよ! 見た目は肌も汚れてるし着てるものも不潔そうなのに!
あとその話に割って入ってきたお兄さんの魂は真っ黒だから油断してないどころかすでに悪さをしたら自分に跳ね返るように設計した神性結界に嵌めてある。頑張って生きてね♪
その二人を躱して奥へ。ちなみに動きを悟らせない神の歩法で抜けたので遠くから見ていた人も私の動きは掴めないよ。ギルドカウンターのお姉さんも驚いてるね。ちなみにカウンターや仕切りも白い。上には看板が下げられていて「新規登録受付」と書かれているね。忙しい時は他の部署の説明とか援護もしているらしい。ナビさんはすべてを知っている。この人の魂は……ピンクだね。そういうことだよ。海外だと青がエッチな色らしいけどまあ私の認識で見えてるからね。え、女の子も大丈夫ってなにが? ナビさんがおかしなことを言い出したよ?
まあ私のことはいいでしょ。性欲ないし。
「では、新規冒険者様にはギルドの説明をしていきます。まずは戦闘能力、これは必須になりますが治癒師などもおりますので総合的な能力を測られます」
うん、あとは物語で読んだのと同じだね。ランクは最高のSからA~Fの七段階、捻りはいらないけどないね。Cランクまでは能力やこなした依頼の数でランクが決まる。ちょっと違うのが依頼をこなす方法が他からの買い取りでもいいらしい。それだけ人脈や資金があるということだし、ギルドとしては依頼さえこなしてくれたらいいのね。ギルドのお客は冒険者じゃなくて依頼人ってことだね。あとさっきのごんぶとマッチョのピエールさんも依頼人なら丁寧に案内してくれたらしい。さすが魂イケメン!
緊急依頼や指名依頼はあるけど強制依頼はないらしい。そもそも冒険者はホームを持っていても基本はどこにいるか分からないしふた月も帰らないなんてこともザラ、怪我したり亡くなることもあるので強制とかとてもできないようだ。当たり前な気もするな。そもそもAランク冒険者を縛るのは得策じゃないよね。戦争をやってるんだから一騎当千の兵に逃げられたら堪らないだろう。そこは貴族さえ気を遣う。Sランクになると王様にも意見できるらしい。まあその人と王国の関係次第だけどね。
基本的にはギルドは大陸単位で連携していて国には従わない中立の立場となっている。でも冒険者にも故郷があるので守ってくれるなら助かるだろう。戦争に参加するのを禁止するルールは無いようだ。まあ大規模な盗賊討伐みたいなこともあるし、戦争も守るだけならそれと変わらないかもね。
あと、悪魔が活性化しているらしい。気をつけよう。負けないけどね。神だしね。
ダンジョンに入れるのは個人だとDランク以上、もしくはCランク以上のパーティーに入ることが必要らしい。さっきのピエールさんに絡んでいた魂ドブスのイケメンが絡んできたよ。
「お嬢さん、うちのパーティーはBランクなんだ。一緒にどうだい?(お酒でも飲ませて楽しませてもらおうじゃないか)」
心の声が聞こえてしまったよ。読心スキルは寝ててどうぞ。神も不便だよねえ、こういうの聞こえちゃうんだから。
私は無視して買い取りでもランクが上がることを受付のお姉さんに確認する。弱気そうでほっそりしたクリーム色の長髪で事務員さんにしておくのがもったいない感じの美人さんだよ。ネームプレートにはアジルと書かれている。彼女の魂がピンクなんだよ……。するりと神の歩法で買い取りカウンターに向かう。
「買い取りお願いしまーす」
「おう、嬢ちゃん、見たところ荷物がないようだが?」
おっと、銀髪に銀のひげ、百二十センチくらいの小柄でちょっと耳が尖ってて鼻が大きめ、ドワーフさんだね!
「ワシはドワーフのイワフ。よろしくな嬢ちゃん。で、なにを買い取る? 服とか宝石は商業ギルドに行ってくれよ?」
「うーん、ドレイクの肉とか爪とかあるんだけど、どうしよう? ここに置けないよ?」
「あん? 収納袋、いや、収納スキル。こいつは珍しい」
「五百人に一人くらい持ってるでしょ?」
「それぐらいと言われておるが、普通は隠すじゃろ」
「あー、そりゃそうだよね」
「き、きみぃ、収納スキル持ちだったのかい?」
魂ドブスがまたきた。別に知りたくないが名前はベンジャミンらしい。ピエールさんとよく名前で喧嘩しているそうだ。便所民と心の中で呼ぼう。だって魂ドブスだし。女の子食い物にして薬漬けにして殺してるような人だよ? 話もしたくない。しかも十人単位とか、この領地腐ってるな。まあトップのマールブル迷宮伯さまには心を入れ換えてもらったから(強制)そのうち良くなるよ。毒殺とかされないように神性結界も張っとこう。なんか子供も汚いのがいるし。まともなのもいるみたいだけど。こっちも結界張っとこ。ここまでコンマ一秒。便所民は張りついたままだった。当たり前か。
「買い取りはどこでするの~?」
「部位はどの辺りになる? まさか全身か?」
「いや、前足と後ろ足と翼、六本だね」
「こいつは大物だ。解体所に行こう。久しぶりの大仕事だな!」
「あとソルクルスオオクロアジもあるよ」
「それもまた大物だな!」
私とドワーフのイワフさんは便所民を無視して解体所へ移った。周りの人は便所民をからかって笑ってるね。さすがに鼻水とか流してるよ。泣くな男だろ! 心は真っ黒だけど!
「ここに出してくれや」
そこは運動場くらい広い、サッカーとかできそうな場所だった。こんな広い場所取れるのか。二百メートルはあるね。あ、地竜王はさすがに入らないな。
「もし地竜王とか獲ったらどうなるのかなぁ?」
「地竜王?! ぶふっ、があっはっはっは!! お嬢さんおもしれえなあ!! 地竜王獲ったらさすがに街には入らねえなあ」
「だよね~。じゃあこれ、エンシェントドレイクの手足と翼ワンセットね~」
「はぐっ?!?」
ん? ドレイクだよね。さっきそんなに驚いてなかったじゃん。
「え、えええ、エンシェントドレイクとドレイク一緒にできんじゃろがい! ちょっ、ちょっと待て一旦しまえ、金が足りん! ギルマスのとこに行くぞお!!」
「え、あ、はい」
ナビさん? 黙ってたね?
『たじろぐマユリ様にハアハアしました!』
『筋金入りだ!?』
そのままイワフお爺さんに連れられて三階のギルマスの執務室へ。そういえばギルマス改心させたばっかりだな。どうなったんだろう?
「おいギルマスぅ!! 金じゃあ!!」
「あ、ああ、イワフか、どうしたんだいそんなに慌てて」
「なんじゃ? いつもの毒は吐かんのかい?」
「う、うむ、どうやら悪い夢を見ていたようだ。これから罪を償わねばいかん」
「そりゃ結構なことだがな。仕事だ。デカい山だぞ!」
「そうなのか、ぜひ聞こうじゃないか」
「……な、なんかいつもと違いすぎて気味が悪いのう。お前さんの罪がなにか知らんがチャラになるくらいは大仕事じゃぞ? この娘が、いや、マユリお嬢ちゃんだったな、お嬢ちゃんがエンシェントドレイク持ち込みよったんじゃあ!!」
「はあ?! エンシェントドレイクってソルクルス辺境伯領が困っていた古竜? 本当に?!」
なんかお話が長くなりそうだよ。
ダグラス「冒険者の心得とは!」
マユリ「話が長くなるんだよ」




