表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

【本命】 既に岡田斗司夫は「なろう作家」になっている説

今年の3月、岡田斗司夫ゼミにて『無職転生』の解説動画が配信されました。

前半の無料パートではアニメ版、後半の有料パートでは原作小説。合わせて1時間半という大ボリュームでした。

「おや。急にどうしたの?」そう思った方は多いのではないでしょうか。

この疑問に対して3つほど仮説を立ててみたので、思いついた順に挙げていきたいと思います。


アニメ解説は岡田斗司夫ゼミの主力コンテンツのひとつです。しかし扱うものは基本的にはガンダムかジブリ作品です。もちろん例外もあります。自らが制作サイドと関係しているもの(『エヴァンゲリオン』『トップをねらえ!』)であったり、アニメ作りの現場を描いたもの(『なつぞら』、『SHIROBAKO』)であったり、なかなか狭き門です。そして『無職転生』はこのカテゴリに当てはまらないのです。


流行の深夜アニメを取り上げることがあっても雑談の域を出ませんし、名前は出したけど、そもそも観ていなかったというパターンは多いです。

本編をキャプチャしたフリップを用意して、時間を取って、研究結果ともいえる解説をすることはなかったのです。


とはいえ。何かひっかかるものがあれども。アニメ解説は面白く、「なるほどねぇ」と演出や作画の話に聞き入っていました。

話がアニメから原作小説に移り、異世界で海洋堂風のフィギュアを作ったくだりに入りました。

「さすがに数多ある異世界モノといえど、この組み合わせは今まで無いだろう」と考えた瞬間、脳に電流がはしりました。

「あれ。これはやってますわ、この子」


脳に走ったのは記憶で、4年ほど前のものです。同じく岡田斗司夫ゼミの映像でした。

「今、めっちゃ、なろう系読んでいる。もう、投稿しようと思っているほど。でも手のついてないジャンルがもう無くってね。異世界コミケすらあるんだよ?ただ異世界アニメスタジオはないの。何で誰も作らないのだろう?」

ざっとこんなことを言っていました。


なろう作家になりたがっていた岡田斗司夫。これを思い出したまでは、よろしいかと思います。

しかしその後、仮に岡田斗司夫が別名義で「小説家になろう」投稿をしていたとしても、どうして『無職転生』の絶賛につながるのか?そこですね。


二つありますので、まず一つ。

自分が戦っているフィールドを高く見てほしいという潜在的な気持ちでしょう。「なんちゃって小説家の溜まり場」としては見られたくないのです。

だから「なろう」にはこれだけ凄い作品があるのだと力説しているのです。ただ、この気持ちは全体の2割くらいのものでしょうか。


では残り8割、どんな考えをしたのでしょうか。

なろう作家として、敬意を示したのです。

一個人によって「小説家になろう」が開設されたのが2003年。それから紆余曲折あり、現行体制になったのは2010年です。その2年後に『無職転生』が連載を始めます。連載中に累計ランキング1位になった『無職転生』はそこから5年以上の間、トップとして「なろう」を引っ張りました。ここからくる敬意なのです。


大友克洋がAKIRAの最終巻でスペシャルサンクスに手塚治虫の名を記しました。この二人はほとんど接点がありません。出版社のパーティーで挨拶をした程度でしょう。このスペシャルサンクスをインタビューで聞かれた大友克洋はこう答えたのです。

「それは僕が漫画家だからです。漫画家なら当然じゃないですかね」


コレと同じなのです。

『無職転生』は現在の「小説家になろう」の主流を築いた作品です。異世界に転生した主人公が現代の知識を使って無双するファンタジー。この先駆者なのです。

「小説家になろう」の世界においては『メトロポリス』や『来たるべき世界』のような存在なのです。


『無職転生』の解説には絶賛を超える、プラスアルファがありました。普通の読者目線とは違うものです。それが先駆者への敬意です。つまり岡田斗司夫は「そこ」に居るのです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ