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 わたしが返答に迷っていると、チェシカがハッとし、にわかに慌てだした。


「す、すすすまね、です。じゃないや、えっと、えっと……申し訳ねえです! こんなこと聞いて、失礼でした……!」


 あわあわとするチェシカ。

 多分、わたしが言葉に困っているのを、不機嫌になったと勘違いしたのだろう。


「先輩にも気をづけろって言われてたのに……! すまね、あぅ、申し訳ねえ、です!」


 逆に可哀そうになってしまうほどの慌てぶりである。うーん、フォローしてあげたいところではあるが、このまま流れにまかせて適当に誤魔化してしまおう。


「まあ、わたしはディルミックとお金で契約してるから。顔がどうであれ、家族にはなるよ」


 仮に、わたしから見ても不細工だったとしても、それなりに良好な関係を築けたとは思う。性格が悪かったら、人柄が掴めない最初のうちはともかく、今ほど歩み寄りはしなかったかだろうけど。


「一緒にご飯を食べたり、助け合ったり、雑談をして……そういうのが家族だって思ってるから」


「……んでも、『してあげたい』ってなるなら、やっぱり『好き』なんじゃないですか?」


 なおもチェシカは食い下がる。この子、意外と恋愛話とか好きなのかな。


「どう、なのかなあ。……分かんないや」


 わたしは少し突き放す言い方をして、会話を打ち切った。

 チェシカは今、ディルミック実はイケメン説(異世界基準)を信じているからこうして多少彼へ柔らかい対応をしていても何も言わないが、これが本当に不細工(異世界基準)だったらまた対応が変わってしまうのだろう。


 まあ、このくらいの言動なら、普段から割とボロが出ていると思うので、今更取り繕うのも遅い気がするのだが……。


 そうだとしても、とりあえず言葉を濁しておくにかぎる。

 少し無理に会話を切ってしまったので、変な空気になってしまうかな、と思ったが杞憂だった。

 狙ったか、と思うほど丁度いいタイミングで扉がノックされた。返事をすると、廊下に控えていたヴァランが「奥様、昼食の準備が整ったようです」と声をかけてくれた。


 ――助かった。


 正直、ほっとした。これ以上深堀りされて話を求められても、わたしは曖昧に話すことしか出来ない。


「お昼、食べに行くわ」


 めちゃくちゃ動揺していることがバレてしまうような、違和感のある言い方になってしまった。ただ、チェシカはこれ以上失言をしないように、とばかり気を向けているからか、それに気が付いていない様子。


 うう、義叔母様にも言われたことだし、気を付けねば……!

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