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第五話 黒の聖女は転生直後を思い返す

目が覚めると森の中だった。

お約束の転生パターンだな。


まあとりあえず起き上がり自分の服に着いた落ち葉などを払う


着ているのは貫頭衣ってやつかね。なんとも心もとない

手術着っていうような感じですーすーするよね。女子はよくこんなもの着ていられるもんである

男なら邪魔なものが・・・・


ん?


ありませんよ?邪魔といって悪かった。

大事な物なんですけど?


ない!ない?ナイ??


まさかと思いよく触って調べる。幸いパンツは履いているようだが一番大事なものがそこにはなく触れると体の芯まで来るゾクゾクとした感覚。

自分の胸を触ってみる。


うんこっちもないな。

とは言えほんのりとふくらみのある感じ


まちがいない


ジョシニナットルヤンケー


はっ!、思わず関西弁になってしまった



いやいや、待て。確か魔導人形って言ってたね

まずはこの体の仕組みを知ることがか一番だよ


此処はお決まり、ステータスオープン



《Roger that status window》


まさかの英語音声とは思わんかった。女神さまも粋な訳し方にしてくれるものである。

幸い目の前に出てきた画面だがタブ式メニューになっている。しっかり設定は工具アイコンなので分かりやすいまずそこをクリック。つーっても意識するだけだけどね


ありましたありました。言語を日本語に変換

リスタートっと


名称:ヴァリアビリスファルマ タイプⅢ


属性:汎用型


固有名:櫻野川有栖


性別:女


胸:貧乳


うん、メインメニューはこんなんでした

しっかり女と書かれているのでそこはあきらめるしかないみたいだな

てか貧乳って書かなくてもよくない??よく言うよね、貧乳はステータスであるって

誰がこんなとこでうまいこと言えと?

一人ボケツッコミしかできんわ!!


ちろりと胸元の服を引っ張ってみる

まあ確かに元男子としては行動に違和感ないサイズだしこれはこれでいいのかね?

何か納得はいかない気もするんだが今は気にするのやめとくか


とりあえずほかにもタブあるんだよね


スキルタブとステータスタブ、そして武装である


ステータス


体力 100%


うん、まさかの一行だけでした。

これタブっていうよりバイオス設定みたいだよな

変更できそうにない項目というかしかも残量表示だけだよ

まあ感覚的にわかるからそれはいいのかもな


じゃあお待ちかねスキルタブ


AからZまでずらりと並んでいる

26種類のスキルってことか?

でも開放されてるのって全くないようですべて反転文字である。


あとは武装タブなんだけど


ランサー       Lv ■■□□□

セイバー       Lv ■■■□□

ショットスティンガー Lv ■■□□□


見ればランサーは実体の槍、セイバーはライトセーバー、ショットスティンガーは魔導銃のようである。

現状のスペックだと普通にセイバーはジェダイってる感じだしショットステインガーはおまわりさんの持つショートバレル拳銃って感じである。

これはどうやらこの体の通常装備みたい

あとはスキル覚醒により武装スペックが増減とのことらしいので今は試せないな



大丈夫かね?こんなんで


「あら?貴方が新しく来た子なのね?」


突如声がかかる。驚き振り向くといつの間にかそこには三人の女性がいた。


一人は身長150くらいの小柄なローティーンといった風貌。ストレートロングの金髪がザ、美少女という感じの女性。

そのわきを挟むようにいる一人は意志の強そうな表情の女性である。髪を編込みぴっちりと結い上げているのは美しいと同時に鬼女上司という感じ。

そして反対のもう一人は異様な雰囲気。

顔の上半分を白い仮面(マスカレード)で覆い一切表情がない。服装も上だけタキシード下は網タイツといった手品のアシスタントといった感じである。なんだ?この異様な三人組


「異様な人間を見る目で見られるのは心外ですね」


「すいません、うそをつくの忘れてました」


「正直は美徳とは言いますがあまり度を越した正直は嫌われますよ」


「そうですかねぇ。この場合はしょうがないと思いますけど」


少し呆れたような表情になったが真ん中の美少女は雰囲気を戻す


「我が主よりの神託で貴方を迎えに来ました。私は秘密の花園(ガーハイマーガーデン)の一席、アイナ。宜しくお願いしますねドライツェン」


「ドライツェンって何だ?」


「貴方のことです。この体は魔導人形ヴァリアビリスファルマであることは説明を受けているでしょう?」


「ふーん、なるほど。言われて得心しましたね確かにあなた方は同胞のようですね」


気にはしていなかったのだが言われるとインストールされている知識を思い出す仕様のようだ

この体は魔導人形の13号機(ドライツェン)

そして目の前の少女が魔導人形の1号機(アイナ)ってことね

じゃあきっとほかの人たちも魔導人形の仲間ってことなんだろう。

そして女神さまの言っていた使徒たる魔導人形部隊

それがこのガーハイマーガーデンという事らしい。


「でも俺の知識的には使徒で13番目って縁起悪いんだけど?」


「あら?どうしてです?」


「うちの元居た世界、地球じゃだいたい12人で切りよく揃ってますからね」


十二神将とかね十二使徒とかもあるよね。てか13番目ってユダじゃなかった?


「気にしたことはないですね。そのような俗信も寡聞にして耳に入ったこともないです。貴女はどう?」


俺の説明を聞いて仮面の女性に聞く童女。仮面さんは無言で首を横に振る

まあ問題ないならそれでいいか。

どちらにしてもこの世界では頼るしかないんだからな


「とりあえず知識はあるみたいで何よりです。貴女を仲間として歓迎いたしますねドライツェン」


「アリスと呼んでください。不本意だけどそれが俺の名前なんで」


「どうして不本意なの?いい名前じゃない」


「どうしてってこの世界じゃ知らないけど俺の元居た世界じゃアリスって一般的に女性名ですよ?」


「この世界でもそうよ?男性でアリスって聞いたことないわね。それに可愛い名前だけど貴方には似合ってますよ?」


「アリガトウゴザイマス・・・・・」


orzになりながら力なく言う


まあ俺も今のところ女性の体だし名は体をようやく表せたのでよしとしますか

逆にゴリゴリの男性名でこの姿にならなかっただけましだと思う事にする


「とりあえず私たちの街に一緒に来てくださいますか?ここは危険ですので」


「危険?魔物でも出るんですか?」


「魔物程度何という事もありませんが、今のこの場所が危険なのです」


「危険ってなんか感覚的には動物とかも一切いない場所みたいですけど?」


「此処は狭間の領域です」


「はざまのりょういき?」


「はい、我らが主。女神イスラフィーネの創造外の事象により今この世界は世界間転移のできない状況にあります。」


「ああ、あの高次元事故ってやつね」


「そうです。詳しい説明は省きますが我ら人類陣営そして魔族陣営それぞれに直接干渉はできなくなっているのです。唯一主の干渉できるのがそれらの陣営の境界である狭間の領域だけという事なのです。」


「えっとつまり魔族領に近いから危ないってこと?」


「端的に言いますと。あと時空変動はある程度近くに魔力持ちがいれば感知できますのでなるべく早く移動した方が・・」


アイナが言葉を言い終わらぬうち突如として落雷のような轟音と衝撃が襲ってくる


ちょ?なになに?!何が起こってるんだ?


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