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第三話 黒の聖女は聖女に会う

アリスは第二支部を出たあと王城方面へと歩いていく。


ペンタゴニアの五支部は王城から等しく等距離なので王都内を五区画に区切り五支部にが担当するという形になっている


聖女のいる大教会は第二支部担当なのでこうやって大教会の依頼は第二支部のものが受け取りに行くことになっているのであった。


教会に入ろうとしたところでアリスは顔見知りにばったりと出会う。


「おや?アリス君」


「エランドー様どうなさったんです?教会にまで来られて。」


「ああ、ここも巡回ルートなんだよ。少し聖女様と長話をしてしまったみたいだな。急いで本来のルートに戻るとするか」


「お気を付けください。焦るのは事故の元ですよ」


「ああ、ありがとう。肝に銘じておくよ」


「あ、あの少しよろしいですか?」


そう言っているとエランドーの連れていた騎士が一人進み出てアリスに話しかける。


「もしよろしけれ・・・・」


「さあ仕事だ、行くぞ」


何かを言いたそうな騎士の口をアームロックして引き摺って行くエランドー


「すまないなアリス君、こいつにはよく言って聞かせておくよ」


「お手数おかけいたしますエランドー様」


奇麗な一礼をし姿が見えなくなるまで頭をあげないアリス


「まったくキモイっての」


顔をあげ憎々しげに呟くアリス


「アリスさん、淑女がその物言いはいけないわ」


「ゲ、シスターニーナ」


「げ、もいけません」


「申し訳ありませんシスター。少しストレスがあったのかもしれませんね」


「それはいけませんわね。聖女様のお時間も今しばらく空きませんししばらくは私がお相手いたします。どうぞこちらへ」


「は、はあ」


「いやそうな表情も出ておりますわよ?さあこちらへ」


「はあ、」


今度はあきらめた表情でシスターに引っ張って行かれたアリスであった。



一時間後聖女の執務室にはやつれた表情のアリスと逆につやつやな表情のシスターニーナがいた。


「絞られたみたいだね、アリス」


「いや、ってか悪態一つついただけでなんで一時間の淑女教育なんだよ?わけわかんねぇよ!」


「アリス!言葉遣い」


「いや、ここはいいよ、いつも言っているように無礼講だし、此処くらいはガス抜きさせとかないといつかアリスが魔王になっちゃいそうだからね」


怒るアリスを制そうとするニーナだったがそれを止める聖女アイナであった。


「まあ防音結界は完璧ですからいいんですけど」


不承不承従うニーナ


「さて、まずはアリスの今週の採点だね」


「今週は満点でしょ?依頼はパーフェクトおまけに哀れな少女も救っちゃったし」


「じゃあアリスの今週の成績は、ドルるるるるるるるるる 75点!」


口で下手なドラムロールの後に言う聖女アイナ


「ちょっと?おかしくない?減点しすぎじゃない?ミッションに一切ミスはなかったと思うんだけど」


「そうですね、まず生活態度です。貴女二人の女の子と宜しくしてましたね」


「あう!?」


「行きずりで黒髪だからばれないってって町に入ったばかりの冒険者の女の子に手を出しましたね?」


「いや、だってあの時助けてあげないとガラの悪い男に引きずり込まれそうだったんだよ?それを思うととりあえず体に傷はつかないし報酬としては悪くないかなって」


「レイプから助けた女性に手を出すのは同じレイプ行為です、反省してください。そこで減点5でした。」


「はい、しゅみましぇん」


しおれるアリス。


「あとは減点20点の方ですね。」


「そう、それおかしくない?言っても今週はそれ以外に何もしてないよ?!」


「伯爵に高出力のショットスティンガーを打ち込んだことです」


「高出力っていつも通り三点バーストで両肩と太腿撃っただけじゃない」


「その太腿ですけれど大腿骨の付け根、股間部近辺でした」


「ああ、手元が少しずれたかな?」


「お陰で触りたくもない伯爵の下半身を触る羽目になってしまいました。」


「あ、紛いなりにも貴族だから聖女様に治癒依頼が来たってこと?」


「気持ち悪かったのでマイナス50点。少女を助けた功績プラス30点合計マイナス20点です」


「いや、それアイナの主観でしょ?おかしくない?」


「私がルールブックです」


「横暴だ!審判の変更を要求します!」


「変えてもいいですけどニーナにしますよ」


「要求は取り下げます」


「どういうことかしら?」


アイナとのやり取りを聞いていたニーナが感情のない声で聞いてくる

いや、そのままでしょ。もっと苛烈な審判なんて願い下げでしょ


「まあ良いじゃないニーナちゃん。アリスちゃんもこれに懲りてあまりアイナちゃんを困らせちゃだめよ」


「はい、わかりました。」


「何でクリスの言うことは素直に聞くのよ」


「胸に抱きしめてくれるからでしょ?」


「君たち人を節操のない異常性欲百合者のように言うのやめてくれない?」


「違うの?」


「ちがうよ?わかって言ってるでしょ!?」


ダンとテーブルを叩いて言う


「だから()()男!!男なんだってば!」


力説する。


しかし


「まあ元ってところですけどね」


「そもそも今は女性でしょうに」


「この二人に言ってもわかってくれないってまだ理解してないの?」



アイナ、ニーナそしてクリスともに呆れた視線でこちらを見る


全くなんでこうなったんだよ。俺はくしゃくしゃと頭を抱えてうなだれた






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