ラノベ作家と食後の会話
久々投稿…
こっちの方の更新も頑張ります。
食事も終わり、今は家族でゆっくりお茶をいただく。
ふぅ…キツイ…お腹がはちきれそうだった。
隣を見ると、シータが俯いてる。顔に出さないよう頑張っているが、額に脂汗をかいている。だいぶキツそうだった。
「……シータ、だいじょうぶ?」
私の問いかけにゆっくりと頷く。無理はしないでね…と伝えておく。
「さて、アルト。この後はどう過ごすんだい?」
カップを置き、お父様ーーロベル・フィーリアがみんなに訊ねる。
これはフィーリア家の毎日の恒例行事。私は前世でそこまで両親と話した思い出は無いが(私を含めて仕事が忙しかっただけで、休みが合った日は話したりもしたけど)多分普通では無いのだろう。もちろんいい意味で。それだけ父親が子供達の事をしっかりと見てくれている、と言う事なんだと思う。
「私は午前中は1人で剣の修行をしようかと。午後からは仲間達と模擬戦をする予定です。」
と答えるお兄様、アルトリア・フィーリア(11)。
お兄様はよく養成所(この世界における学校のようなもの)の仲間達と模擬戦をしている。
日々共に高め合っていくその姿は、身内贔屓なしでもかっこいいと思う。
将来はいい男になるんだろうな…脳筋にはならないでほしいな…
「なるほど。修行はいいことだ。ぜひ頑張りなさい。リーシャはどうだい?」
「私は図書館に行こうかと。この間借りた本の返却ついでに、調べたいことがありますので。」
お姉様、リーセリア・フィーリア(10)も答える。
お姉様は同性で身内の私から見ても超美人だと思う。
フィーリア家特有の綺麗な銀髪。見るからに優しそうな瞳。同年代の子達と比べてもすらっとしている体躯。
きっと養成所でも同性異性関わらず数多の人々の視線を釘付けにしてるんだろうなぁ…
「うむ、そうか。今はどんな本を読んでいるのかな?」
「はい、今は歴史書を読んでいます。勇者様の歴史には物語では語られることのない多くの謎があるとされています。それをすこしでも知りたいと思いました。」
「なるほど、それは素晴らしいね。その時代のことは詳しい文献が少なくて、学者達でさえまだ完全には明かされていないらしい。何か新たな発見ができるといいね。」
「はい。」
お姉様が微笑む。可愛い。
お姉様は勇者の物語が大好きらしい。その好きと言う気持ちがお姉様を学者の道に引き摺り込もうとしている。多分もう片足膝くらいまで浸かっているのでは…⁇
しかし、貴族としてのマナーの授業や勇者と聖女の家系としての訓練もしっかりとこなしているからすごいんだよねぇ…この人…
「レーベはどうするんだい?」
「ええっと…とくによていはないですね。」
私の双子の弟、レーベシア・フィーリア(6)は少し考えた後に、答える。
何もないんかい‼︎いや、レーベらしくていいんだけどさ…
「アリサとシータはどうするんだい?」
おっと、話が振られた。
今日か…私も特にすることないんだよね…
うーん、どうしようか…
「わ、わたしは…メイドとしての、おしごと…を……」
後半になるにつれて声が小さくなっていくシータ。
「そうか。大変なことも多いとは思うが、頑張りなさい。応援しているよ。」
「ひゃ、ひゃい…がんばり…ましゅ…」
笑顔でシータのことを応援するお父様。
そしてガチガチになりすぎて噛んじゃったシータ。
可愛い…
「えっと、わたしは……いえ、わたしもとくになにもないですね。」
「そうか。…よし、分かった。みんな、頑張るんだよ。レーベとアリサは後でちょっと来なさい。連れて行きたいところがあるんだ。」
「「はい。」」
2人揃って返事をする。
何があるのかは分からないけど、悪いことでは無いんだろう。
ちょっとだけワクワクする。
「じゃあ、そろそろ行こうか。」
お父様の合図と共に全員が席を立ち、それぞれ移動をする。
さて、わたしも準備をしないと……