表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
孤独になる友達  作者: Ag尊士
1/1

孤独になる友達1

童貞で一生暮らせる?

『孤独になる友達』第1話。


 僕は友達が欲しかった。でもどうしようも無かった。僕は今も孤独なまま。ただ人々の視線が怖かったのだけは覚えてる。



 僕は今時は珍しくも無い不登校児だ。僕の部屋だけが世界の全てだ。


 親は諦めてもう何も言わなくなった。朝になると食費が置いてある。


 学校の担任教師は毎度の如く電話攻撃。最近は面倒になったので留守電機能をオンにしてる。


 昼になると起床して、近所のコンビニに弁当を買いに行く。店員は白い目で見てくる。こっちは客だぞ?


 弁当を食べ終わって、PCの画面に向かう。日課って訳でも無く自由にネットを徘徊する。ネットの海は広いけど行く処は大体決まってきたな。


 良い感じにSkypeやチャットに没頭する。時間なんて気にしない。気にしない。


 夕方に家のピンポンが鳴る。あー頼んでた荷物が届いた。取り敢えずSkypeとチャットを閉じて、荷物の梱包を解き商品を確認する。


 あ?代引きなのかって?いやいや、ケータイ払いだよ。


 頼んでたモノは宗教関係の怪しい書籍と、催眠術本とか哲学書とかだな。 


 目次を眺めて、面白そうな部分だけをかいつまんで見る。


 んー今回は外れっぽいな。つまんねー。


 トイレで用をたした後にまた玄関からピンポンがなった。


 出てみると、クラスの知り合いが、プリントを届けてくれた。


「これ、先生が読んどいてって」


「あ、どーも」


 別にクラスの知り合いってか副委員長なんだけど、見た目は可愛いけど、別に愛想も無いし、そんなにタイプでも無い。


 「アンタさ? 委員長なんだから学校に出なって……って先生が言ってた」


 「ふーん」


 なんて言うか、こんな感じで愛想が無い。好みでは無いが、ちとエロゲーのし過ぎで、なんてエロゲー的な展開でも期待しようにも、別に何も無い。


「じゃあ、私はちゃんとプリント届けたから」


「あー、うん」


 なんてエロゲー的な展開も無く。さっさと帰っていった。


「あーつまんね、プリントもどうせ読まないし、さっさとネットに戻ろう」


 引き籠りが長引くと、独りごとが増えるって何かで読んだけど、まあそれもそーだなって自分の発した言葉になんか辛い事思い返す。



ただいま


おか



 こんな感じでチャットが流れる。なんつーかここが世界の全てってか、居場所って感じ。あーでも毎日話してるから話題も尽きたな。挨拶だけでチャットが進まない。


「暇だなー」


 ふっとプリントに目を落とす。あーなんか人に久々会った気がする。んータイプじゃないけど女の子と話せて嬉しく無い事も無い。


「タイプでは断じて無いが、なんか良い匂いだったな。シコって寝よう」


 手持ちのDVDで、副委員長に似てる子を探し、取り敢えず抜く。部屋は換気をあまりしてないので、イカ臭いって思う。


「賢者タイムなう。今度は新しいDVDも買おう。このAV嬢は何と無くだけど顔似てるし、うん」


 良い事閃いたって思って僕は頭良いって自分で自分を褒める。


「気分良いし、まあ想像を膨らませて、もう一回抜くか」


 しかし、中々イケない。


「んーあれか? 臨場感足りないのか?」


 ふと、ベッドに置いてたプリントに目が行く。なんか、シコってもイケないので、諦めてプリントに目を通す。


「アイツには、まあタイプではないが、お世話になってるから、一応今回だけ目を通すか」


 お世話になってるって大袈裟だな。あーでもなー、まあ想像だけだが、オナペットになってくれてるし。一応感謝しなきゃな。僕は自分を納得させて、学校のプリントに目を通す。


「お? アイツの書いてる文章があるな、これ読もう」


 んー、なんか堅苦しい文章で、色気も糞も無い……ダメだエロゲー脳の恐怖だ。普通の文章しか乗ってないってコレ。


「エロゲーのし過ぎだな。頭ヤバいバグってる」


 プリントがつまらないから、読むのやめて、ベッドに放置した。裏返しになったプリントに何か、手書きの字で文字が書いてあった。


「ん? なんか書いてあるな。えーと字汚いなコレ」


ー学校に来ないのなんで? 私で良ければ相談乗るよ?ー


 ……


 ん? エロゲーのやり過ぎか? これは何か悪意がある気がする。あーネットで良く観る「釣ってみた」ってヤツかな?


「これは、罠だ! 乗ったらアウトだ! いや担任の仕業かもしれん! 流し込みって高等テクニックだ!」


 被害妄想全開の僕。色々と可能性を考える。



からかい?


釣り?


流し込み?


皮肉?


哀れみ?


新手のイジメか?


恋人詐欺か?


恋人詐欺……恋人になる振りして、一発やって、高級なモノ貢がされて、その後バイバイってヤツだよな?確かテレビかネットで昔観たぞ?


ん? 一発ヤッテ?


……罠だけど、乗っかるかコレ!



「よっしゃ! DVD買うの無駄! 本人で抜くんだ! そう言えば好みのタイプだった気がする!」


 こうして、僕の無謀な賭けが始まった。いや負けるって解ってるけどさ? 童貞捨てたいじゃん?



ー続けるのか? これ? アウトじゃね?ー

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ