気がついたら恋してた
私はどこにでもいる
高校生だ
恋だってしている
その相手が同じ性別ってところ以外他の人と違う点かもしれない。
でもそれは多分叶わない恋。
出会ったのは
入学式の時だった。
知らないばかりで戸惑っていた時に
親切に話しかけてくれたのは
南優馬は
イケメンですぐにクラスに受け溶ける
人だった。
運悪く私は彼に恋をしたのだ。
入学式以来何度も優馬は笑顔で話しかけたりしたり学校が終われば
一緒に帰るのが日課になっていた。
そんな優馬の隣にいるのが居心地が良くて笑顔と風になびくふわっとした髪が好きでもあった。
最初はただの友人の1人しか思ってなかったのに居ればいるほど
友達以上になっていた。
でもこれはバレてはいけない
バレてしまっては優馬に嫌われるかもしれないこれは隠さなくては
「しぐれー!!」
と私を呼ぶ声がした方を見ると
優馬が黒いジャージに身を包み
テニスラケットを手にしていた。
優馬はなんでもできる天才肌で
高校生を入学してまだ間もないというのに周りの部活の先輩はすぐに使える
優馬を欲しかった。
だけど当の本人はいつも体験入部だけして入らないのだ
勿体ないとは思う才能があるのに
たぶん今テニスラケットを手にしてるのも体験入部最中だと思った
「優馬今日も体験入部?」
「まぁ体験だけならしてもいいかな?って思ってな」
「どうして体験入部だけしかもしないの実力なんてあるのに」
「部活するよりお前と居た方が楽しいから」と優馬はそういうとへらっと笑い
んじゃ後でと言い手を振り立ち去る
そう言われるとそれ以上何も言えなかった。
ただつるんでいるだけとしか優馬は思ってないのかもしれないけど
その言葉を聞くと期待してしまうなんて
どうかしている。
部活の終わるのを窓から覗いて
ずっと彼をひたすら目で追っていた。
片付けるのが見えるとすぐさま校庭まで向かった
「しぐれ?待ってたのか」
「お疲れ様優馬。」
汗とドロが付いた汚れたジャージを見ただけで頑張っていたのがわかる
すぐにタオルを渡してあげた。
「悪いな」
「平気だよ帰ろうか」
タオルを受け取ると優馬は汗を拭いながら歩き始める
こういう汗を拭っている姿が
かっこよくて眺めてしまう
それに気づいた優馬が
「なんだよこっち見てなんか付いてるのか?(笑)」
少し悪戯ぽく笑いながら私にそう言った。
「いや…なんでもないだ」
「ならいいけど大丈夫か?」
と優馬は私の肩にポンと乗せて
「なんかあったら言えよと」
こんな私に優しく接してくる
それが逆に辛くにもなっていた。
もしも優馬が私がそういう好意を持ってしまったなんて
知ったら軽蔑をしてしまう。
そんな風にされると胸が苦しくなる
一瞬息が苦しくてここがどこか分からなくなる
なんかあったらなんて
言えるわけない。
友人なんて一目惚れなんてしなければ
こんな苦しい思いをしなくて済んだのに、
ましてや同性相手…異性ならもしかすると
楽になれたのかななんて事をふと考える
もし少しでも付き合う可能があったならとかありもしないのも考えては頭の中がぐちゃぐちゃになっていた。
「なぁ聞いてるか?」
「えっ?」
つい私は妄想にふけっていたら
話をきておらずその問いかけに真っ白になった
「ごめん…聞いてなかった」
「なんだよ朔夜ばか」
「ほんとごめん」
「じゃあたい焼き…奢れ
なら許す」
優馬はほっぺたを膨らませながら腕を組み
ぷりぷりしてる姿は愛らしくもあったし
そんな姿は好きだった
「いいよいくらでも奢る」
そういうとさっきまでぷりぷり怒ってたのに
ぱわーっと子供みたいにはしゃいでいた