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スキル

 

 俺の名前を聞いたクラスの連中は、全員驚きを隠さなかった。



「............えっマジ?」


「ヤバいくらいイケメンじゃん」


「マジでいつもの小山がいないぞ?」


「何でダサい姿で学校来てたのよ」


「かっこいい......」


「今からでも遅くないかなぁ」



 これだ、この反応が見たかったんだよ。俺は自分の容姿をちゃんと客観的に理解している。学校での姿と

今の姿とのギャップがすごいことは自分でも分かっていた。だから皆が、こんな反応をすることは確実だった。


 本当は高校の卒業式の時にこの格好をするつもりだった。そしてさっきの皆のような反応を見た後に、ボコボコにしたかった。だけどもう帰れないかもしれないし、何よりこの姿を見られてしまった以上黙ってるわけにもいかなかったので、正直に答えた。



(次は俺の強さを見せるタイミングだな)



 次の機会を想像して俺はほくそ笑んでいた。そしてさっきから俺のことを凝視している、不良グループに顔を向けて笑った。



「っ!............」



 俺と目があった瞬間奴らは目をそらした。西山と橘以外。



「な、なあ?とりあえずみんなのスキルを把握しておこうよ。」


「そ、そうだよ。こっちの世界で戦うかもしれないんだよ。」


「うん、それがいいよ、それがいい!」



 オタク3人組はまたスキルを確認しようと言ってきた。なぜかやたらとスキルが気になっているように感じるが、今後の事を考えると一理ある。今度は誰も何も言わなかった。



「じゃあ出席番号順でいくか。なら最初は俺だな。」



 先生が最初に教えてくれるらしい。



「俺のスキルは【身体能力倍加】と【体力増加】と【魔力増加】と【自己回復】Lv.1と【威力上昇】Lv.1と【衝撃上昇】Lv.1 ......これで全部だ。」



 多っ!先生強すぎだろ。でもなんか筋肉タイプって感じで先生のイメージとあってるかも。他の奴らはどうなんだ?


 すると一人のクラスの男が、手を挙げていた。そいつは野球部でスポーツ万能なガタイのいい奴だった。



「俺も先生のとほぼ同じです。【衝撃上昇】Lv.1が無くて、【身体速度上昇】Lv.1があります。」



 その後も、似たような奴が多く出てきた。それらは皆、スポーツ系の男達だった。西山もこの部類に入っていた。

 

 次に教えてくれた女子は、【魔法威力倍加】と【体力増加】と【魔力増加】と【光属性威力上昇】Lv.1と【風属性威力上昇】Lv.1と【詠唱短縮】Lv.1を持っていた。そして他の女子も、何人か同じようなスキル構成だった。


 残りは順番など関係なく、適当にスキルを教えていった。残りのメンバーは俺以外の全員、【体力増加】と【魔力増加】を持っていた。そしてなんならかの特殊なスキルを複数持っているようだった。【精霊の加護】と【精霊魔法】Lv.1とか【錬金術】Lv.1と【形状変化】Lv.1など様々だった。



 皆に教えてないのは、俺とオタクグループの一人だけだった。



「俺はな【体力増加】と【魔力増加】はもちろんのこと、残りは一つだかヤバいスキルだ。チートだよ、チート。そのスキルとは、なんと【無力化】Lv.1だ!このスキルは発動されているスキルも魔力も無力化するんだ。でもこっちは魔法とか使えるんだぞ。やばくないか⁈」



 興奮しすぎだろ、こいつ。後日教えるとは言われたが、魔法はまだ使えるかわかんねぇのにな。まぁ[無力化]Lv.1のスキルがチートなのは認めよう。だが、俺はこいつに言っておくことがある。



「あっ、俺も【無力化】Lv.1のスキル持ってるわ。同じだな。」



 まぁ【体力増加】と【魔力増加】は無いけどな。これは言わなくていいだろう。



「はぁぁぁぁ?なんだよ、俺だけのチートスキルじゃなかったのかよ。............でもまだ特殊魔法と言うやつがが残っている。」



 そいつはがっかりした後、ぶつぶつとつぶやいていた。とりあえず、スキルの話はこれで終わりだな。一応、スキルは使わないように注意されたしな。



「みんなはこれからこの世界でどうするんだ。」



 先生が皆に聞いてきた。すると最初に口を開いたのはオタクはグループだった。



「俺はこの国を救いたいです。そして出来ればいろんなところに行ってみたいです。」


「俺も同じです。」


「僕も。」



 やたらとやる気だな。似たような設定のアニメでもあったのか?でも、俺も同じ気持ちだった。これからはこの国には世話になるからな。家族の事は気になるが、向こうは俺が死ぬなんて思わないだろう。.........もう会えないのはさみしいがこの世界で生きてみよう。こういう時は、気持ちの切り替えが重要だ。



「私たちはやっぱり戦うのは怖いです。」



 女子の何名かが集まっていた。まぁいきなり戦えなんて言われてもな。その後もいろいろ意見がとびあい、結局明日の謁見までにどうするかを決めておくことになった。



 さっきからたびたび感じる女子の視線は悪くないものだった。









 そして次の日、いよいよ王の謁見がおこなわれる時間になった。




 



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