第六話:理由
・・・
疑問を持ちつつ何となく生かされていたある日、
「衛兵だ!衛兵がきたぞ!」
「くそっ!雇っていた魔法師たちはどうした!!」
「それが、全員逃げ出したそうです!」
「どうすれば、、、」
「ここまで研究は進んできたのに、、」
「お終いだぁっ!くそったれ!」
奴らが騒がしい。どうしたのだろうか。
アラームが鳴り響くと同時に数十人の人間が部屋になだれ込んできた。
「動くな!こちらは国属衛兵だ!魔法研究禁止法に違反している疑いがお前たちにある!ここにいるものは全員連行する!」
拘束魔法執行。先頭の偉そうな人がそう言うと、研究者たちの手足は鎖につながれたかのように動かなくなった。
研究者たちは次々と部屋の外へと運ばれていく。どなどな。
なんですか、この急展開。
・・・
突然来た人たち(衛兵?)の話を聞くに、やはりこの研究所では何らかの法を犯した研究を行っていたのであろう。
「なんとも惨い・・・。」
「あぁ。まさか国立魔法科病院の地下でこんな研究が行われていたとはな・・。たくさんの上の人間が関わっていそうだな。」
「そうだな・・。まぁとにかく今は生き残っている赤ん坊の保護をしよう。総員!まだ生存が確認できる子供の保護を!急げ!」
「「「はい!」」」
実際、今残っている赤ん坊はどれくらいいるのだろうか・・?
成功個体の二人と自分を合わせて三人。ほかに生き残っているのはいるだろうか。
「一人発見しました!・・・これは!」
「了解。どうかしたのか?・・これは、金髪。能力位最上位だと・・・」
「こっちにも一人いました!こっちも金髪です!」
「能力位最上位が二人も・・。」
「他に生きている赤ん坊はいないか!」
反応を見るにどうやらあの成功個体の二人は本当にすごい能力を持つみたいだな。
自分も見つけてもらわないと・・。
大きな声で泣くとこちらに人が寄ってきた。
「あ、こっちにもいました。・・ってアルビノ?失敗作か?」
「無能かぁ。よく今まで生き残ってたなぁ」
あ、やっぱり自分失敗作だったんだ。
「おいお前ら、能力位による侮蔑は法で禁止されているぞ。」
「あ、隊長。隊長は無能の肩でも持つんですか?法で禁止されているって言っても、その法をお偉いさんでさえ守ってないじゃないですか。」
「そうですよ隊長。むしろここで殺してあげたほうがこの無能も幸せなんじゃないですか?」
なんだか言い合っているが、自分はアルビノだったのか。だからこんなに肌白かったのか・・。
それにしても、アルビノは社会的に疎まれてるようだ。
「まあ、この事件に関してはマスコミがすでに話を聞きつけて、いろいろ報道しているらしいし、どちらにしろこの子は国で保護しなければならないだろうさ。例え無能だって生きていた赤子を殺したとなったら、いろいろと叩かれるだろう。」
「はぁ。まぁそうですねっと。・・・他に生きている子はいないですかねー」
そんな時、
「あうあぅあー」
近くから赤ん坊の声が聞こえてきた。
「ん?なんだ、もう一人いたのか・・・っと、この子もアルビノか。」
「結局生きてたのは、最上位の子が二人と最下位の子が二人か・・。なんとも皮肉なことだ。正反対の人生を送ることになるだろうな・・・。」
衛兵の一人に抱き抱えられたとき、もう一人のアルビノの子の顔が見えた。
光のように白く。どこか儚げな。天使のような。
守りたい。
あの子のこと守らないと。あの子が幸せに生きれるように。人生を謳歌できるように。
よかった
見つかった
生きていく理由が見つかった