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城内に入ってフェリクスとアレクセイの後について行ったつもりだった。が、魔法陣の術式の事を考えながら歩いていたからだろう。気が付いたら前に誰もいなかった。




(…やってしまった。)




そう考えていたら。




「エマ殿!」フェリクスが駆けつけて来た。




「…申し訳ございません。」




「まさか城内で迷子になるとは。」ほっとした様な、

少しあきれた様なフェリクスにふいに手を取られた。




「…あの…」




「城にいる間は、私と手を繋いでいるように。」




「…はい」





しばらく歩いた後、一際重厚な扉の部屋の前に着いた。入り口には全身鎧の騎士が立っている。フェリクスとアレクセイに礼をした後、扉の横に移動した。




「では、私はこちらで失礼します。」アレクセイが全身鎧の騎士に並ぶ。




「ご苦労であった。」

「さ、エマ殿。早速だがこちらの部屋の中で話を聞いてもらいたい。」



「…承知しました。」




扉が開けられ、手を繋いだまま中に入る。




「失礼します。」




部屋には、40代半ばくらいの威厳に満ちているが少しやつれた様な美丈夫の男性と、フェリクスを細くした様な端正な顔立ちの20代くらいの2人の男性がいた。



部屋に入るなり。




「フェリクス何があったのだ?!」

一目見て、今までのフェリクスと様子が違うのがわかり、3人とも驚いていた。




フェリクスはこれまでの経緯を説明した。




「なんという事だ!」40代半ばくらいの美丈夫の男性は興奮しながら叫んだ。




その男性はエマに向かい

「失礼した。私はこの国の国王である。」

「この度は急に来ていただき、申し訳ない。」


そして国王は2人の男性の紹介をする。

「第一王子のアルバートと第二王子のフィリップである。」





「…東の森に住むエマと申します。」

「…このフードは人前では外れません。被ったままで申し訳ございません。」





「よい。よい。」

「それより、フェリクスの体調不良を治してもらい感謝申し上げる。」

「そして、この城に来てもらったのは他でもない。診てもらいたい人がおるのだ。」




「…私は医者でも治療師でもございません。」




「そうでなくともよい。」




「実は、私の愛する妃が、2ヶ月程前から寝たきりで苦しんでおる。手を尽くしておるが、良くならないのだ。」

「ただ、フェリクスの魔法薬を飲ませたら一時的ではあるが、呼吸が楽になったのだ。」

「どうか私の愛する妃を診てもらえないだろうか。」




「…もし、診て何も出来なかった場合は…何か罰があるのでしょうか…」




「今まで診てもらった人には、口外しないようにお願いはすれど、罰などは与えておらぬ。」




「…」

「…承知しました。」




「ありがたい!では早速こちらへ、と言いたいところだが、何故ずっと手を繋いでおるのだ?」




「父上、エマ殿はすぐ迷子になる故、城内にいる間は手を繋ぐ許可を取っております。」




「そうであったか……本人から許可を得てるならよかろう…」




第一王子アルバート(…とうとう始まったか。)

第二王子フィリップ(フェリクスも我々の仲間入りですね。)




王家の男性は独占欲が強いのである。

フェリクスはまだ無自覚ではあるが。。。




隣の部屋へ続く扉を開けると、そこには寝たきりのまま、苦しんでいる王妃がいた。





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