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「…失礼します。」


王妃の部屋に行くと、国王、第一王子、第二王子がベッドの上で上半身を起こし、沢山のクッションを背もたれにして座っている王妃に話しかけていた。



「フェリクス、エマ殿、先程王妃が目を覚ましたのだ!」「エマ殿改めて感謝申し上げる。」国王は頭を下げた。



「…頭をお上げ下さい。王妃様が目覚めたのは、王妃様ご自身の治癒力によるものです。」



「いや、エマ殿がいなければ、愛する王妃が弱っていくのを何も出来ずに見ているだけだった。感謝してもしきれない。」



(…こういう時は何で言えばいいのかな…)



エマが困っているとフェリクスが言った。

「では、母上の状態を見てもらえるかな。」



「…承知しました。」




「私を治してくださったのはそちらの方ですか?」

ゴールドブラウンの髪を纏め、フェリクスとそっくりのブルーの瞳をした美しい王妃がエマの方を向いて言った。



「…はい。」



「あぁ。ありがとう。どうぞこちらへ。」

王妃はエマを呼んだ。



「…失礼します。」

エマは王妃に近付き、様子を見る。



「…鳩尾の辺り、少しよろしいですか。」



「どうぞ、お願いします。」



エマは手をかざす。

(…回路は問題なさそう。)

(…魔力の流れも大丈夫。)

寝たきりでやや背中が痛そうに見えたので、ほんの少し治癒魔法をかけた。



すると王妃は

「まぁ!痛みが取れたわ。先程、エマ様は魔法の使い手なのだと聞いたの。」

「エマ様の魔法はとても暖かくて優しいのね。」

少々興奮気味に言った。

続いてエマのすぐ近くにいた、今までと雰囲気が変わったフェリクスを見て「あなたももしかしてエマ様に?」と言った。



「母上のご想像どおりです。」

「エマ殿は私と母上の命の恩人です。」

「魔法の使い手でもありますし、聡明で穏やか。」

「優しくて、声も可愛くて、仕草も可愛くて。」

「チョコレートが大好きで。」

興奮してきたフェリクスの肩に手を置き「落ち着きなさい。」と国王が言った。



(…何だか恥ずかしい…)

(…王家の方々は落ち着いているように見えて、意外と興奮しやすいのかな…)

と、エマが考えていると。



「夜も更けてます。そろそろ皆様お休みになられたほうがよろしいのでは。」マリーが言った。



「そうしよう。では失礼します。」

例の如く、フェリクスはエマの手を取り一緒に退室した。



それを見ていた王妃は、「あなたたちにそっくりね」国王と二人の息子に向かって言った。



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