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フェリクス

ーーーーー私室にて


エマ殿。今朝、初めて会ったばかりなのに、何でこんなに気になるのだろう。

長きにわたる私の不調を一瞬で治してくれた。

賢くて、控えめで、魔法も使いこなして。

軽くて、ふわふわで、いい匂いがして。

声が可愛い。

考えれば考えるほど気になり、眠れなくなったフェリクスだった。





エマ

ーーーーー客室にて


…何だか長い一日だったなぁ。

…久しぶりに魔法使い過ぎてちょっと疲れたな…

…こんなに他人と関わったのは初めてだし…

…でも王妃様も第三王子様も良くなってよかった。

…図書室も行けたし。

…美味しい食事も出来たし。

…何だか第三王子様近かったな…

…すごい心配性だったし…

…明日は魔法の指導だ。頑張らないと…

考えている間に瞼が重くなりエマは眠りについた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


コンコン。

扉をノックする音が聞こえる。


エマは朝弱い。

まだふかふかのベッドの中にいるエマは、働かない頭で返事をする。



「…はい…」



「エマ様、マリーです。」

「朝食の時間になりましたが召し上がりますか?」



(…寝坊したかな…今何時だろう…)



「…あの、すみません。今起きたばかりで…」




「お疲れでしょう。食事はお部屋で取れるようお待ちいたしますので、ごゆっくりお支度ください。」


「あと、冷やしたレモン水を用意しましたので、お部屋に入れておきますね。」


マリーは少しだけ扉を開けてレモン水が乗ったワゴンを入れた。



「…ありがとうございます。」



扉が閉まったのを確認し、エマはのそのそとベッドから出て、レモン水を手に取り飲んだ。



(…スッキリして美味しい。)



そしてエマは顔を洗い、身支度をする。用意してもらった上質だがシンプルなワンピースに着替え、洗浄魔法をかけたマントを羽織った。



しばらくすると、マリーが朝食を持って来た。

「エマ様朝食をお待ちしました。」



ソファでボーッとしていたのでエマは生返事してしまった。

「…どうぞ…」



マリーは入室し、息を呑む。

後ろ姿であるが、エマのまっすぐで艶やかな銀髪がソファの背もたれから見えた。

「エマ様、フードは被らなくてよろしいのですか?」



(…あ、忘れてた…)慌ててフードを被った。

「…すみません。ありがとうございます。」




「エマ様はとても綺麗な御髪ですね。」マリーは思わず感嘆の声を出す。


「いつかフードが外れたら、是非ばあやにお手入れさせてくださいませ。」


「それと、フェリクス様が一時間ほど経ったらお迎えに参ります。」とにっこり微笑みながら、退室した。



それから、エマは朝食を取った。


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