第1話 魔法の鎧
「第一段階は成功ですね」しばらくして黒い外套の男が部屋に入ってきてそう言った。
「いつ魔法が解けるかと心配していたがね」黒川は左手の人差し指から指輪を外し男に手渡す。
緑色の金属で出来たそれは男の手に渡ると一瞬その輝きを増した。そして小さな箱に移されるとまた元の鈍い、しかし幻想的な緑色に戻るのだった。
「あの札付き共が従ったでしょう?これには他者の精神を鈍らせる力があり、それができたことは素質があるという事です」
「だからエレメンタル・エナジーを発見できたと思っている」
「ガイア理論でしたか?地球を一つの生命体とみるという」
「私の発案ではない。ただその理論から大気を皮膚、大地を内蔵、海を筋肉等と考えると当然血流の役割を果たしている何かがあると考えたのだ。エレメンタル・エナジーの流れが悪くなった事が昨今の環境問題の悪化であると仮説を立てた私はあなたの協力を得てこの文明存続委員会を設立したのだ」
「そして」と男が続ける。
「バランスの崩れた地球に異世界からの『侵略者』が現れそれと戦うために我々に必要なのが魔法の鎧というわけですが、残り2つがどんな形で異世界に残っているかもしくはないのか私も知りませんよ?」
「それでもいい。鎧には欠陥があることが分かったのだ。分かったのは最近の事だが。それに我々に反抗的な人間は少ない方がいい」
黒川はティブロンと名乗るこの男も『教え子』も信用はしていない。
黒川は彼がまだ何か重要なことを隠していると見ていた。
とは言え彼のもたらした情報や技術がなければ完全に手詰まりであることも理解していた。彼の思惑が何であれ完全に人間の手で完全に制御可能な人類の救世主を生み出すまでは互いに利用しあう。
『侵略者』たる怪物は人類の生活圏のどこにでも現れる。この事実が公表されればその恐怖とストレスは早晩文明社会を崩壊させる。文化文明の上に胡坐を掻いているだけである現代人には一から文明の再建などできない。
黒川博士の文明存続委員会とはそういう悲観論から生まれた組織だった。
紫色の空に赤茶けた大地。彼方に柱状の物体と岩の台地がある以外はそれがこの世界のすべてだった。
もし太陽の色までが違っていたら、沈着冷静なのでなく精神が摩耗していることで動じない4人の少年達でも発狂していたかもしれない。
全員まともな環境で暮らしたことがない。親から虐待を受けていた者や各種の違法行為に手を染める孤児院の出身であった。
そんな所から集められた子供たちがあの施設で掛けられた第一声は『救世主となってお前達をこんな境遇にした親を、社会を見かえしてやれ』というものだった。
それが何なのかはほぼ説明がないまま格闘技の訓練やサバイバル術を徹底的に叩き込まれた。
集合する度見知った顔が少なくなっていくその過酷さは平時『独房』(自分たちの部屋を彼らはそう呼んでいた)にいる子供達に一種の仲間意識を持たせていた。
地上数メートルから落ちてきた4人はその中でも古株で「札付き」であったこの連中の扱いには周囲の大人はとかく手を焼いており事実「魔法」でも使わなければこの場所へ連れてくることは不可能だったろう。
「皆無事か?」三島信彦の言葉に他の3人が大丈夫だと返す。
「何だか頭もさっきよりすっきりしているぜ」
ここがどんなに過酷な状況でも尊は嫌な奴から離れられて清々したと思っていた。
「連中に何かされたな。それが何か分らないのが恐ろしいが」
「怪物とやらはいるのか?人間どころか生物が生きていけない環境に見えるが」芹沢達人は先の鈴木清司の言葉には応答せずそう言った。
「ここからくるんじゃね?」毛利尊は地面をトントンと足で叩く。
この世界の地下に何があるかわからない以上それはありうる話だった。
「所長の言っていた塔とやらはあれだな」信彦は全員の不安を払うよう話題を変える。
ここから距離にして2㎞ほどだろうか。比較する建物等が無いので実際の距離は分からなかった。
「近づいてみたらただの岩だったというのは勘弁してほしいが」
「やめろよ清司。そう見えてくるだろうが」尊がげんなりした声を出す。
「こうしていても始まらない。とにかくあれを目指していこう。周りを警戒しながらな」
信彦の言葉に全員賛同し、信彦・清司・尊・達人の順番に縦一列で歩き始める。
殺風景な荒れ地で聞こえるのは風の音と4人の呼吸音のみ。
この2つの音は4人の逆立った神経には何か得体のしれない獣の声として感じられ、都度誰かがビクリと体を震わせる。
「脅かすなよ。風の音だよ、信彦」
尊はもう何度目かになるか判らないほど同じ事を繰り返している信彦のウルフカットの頭に向かって声を荒げた。
彼からすればあの髪型が時折化け物が舌を出しているように感じられてそれが気にいらないのだ。
加えて時折2名ほど立ち止まって地面の様子を探るがそれらしい音や動きは感じられなかった。
塔への道のりはこんなわけで遅々として進まないのだった。
塔へ少しは近づいたかと思われる、わずか10数分ほどで焼け付くような日差しに加えこの世界の空気が体にまとわりつき徐々に全身を締め上げる感覚に全員疲弊していた。
「おい、皆大丈夫か」
「俺は大丈夫だ」信彦の声に答えたのは達人のみである。
清司と尊は呼吸が荒くふらついており、尊はついに倒れる。
彼の腕を支えて達人は歩き始める。
「ライバルが減って嬉しいと思わねえのか?」
「鎧が選んだのがお前だったらどうする。またここまで運んでくる手間を考えろ」
「そうかよ。おい信じられるか?ガキの頃親に『この世に産んでくれなんて頼んでねえ』と言ったら『我々が頼んだ』とか言って黒服連中に車に連れ込まれてこれだ。見たんだ、奴らが親父に金を渡しているのを。だから」
「ならこんな理不尽に打ち勝つためにもここを出るぞ」
達人にとって『家族』の記憶とは錯乱した父親から自分を逃がすよう懸命に抵抗している母親の声のみであった。
そんな彼が出会った文明存続委員会の施設の子供達は自分と似たような境遇で連れてこられた仲間だった。しかし明日顔を合わせる保証のないという関係性は互いの過去を話すという事をさせないでいた。
初めて知った仲間の過去は彼の心でずっと燻り続けていたある思いを再燃させる。
この世は理不尽極まりないものでしかない。
あらゆる理不尽に打ち滅ぼす力を彼はずっと求め続けていた。
異変は突如起こった。
達人は急激に気分が悪くなると同時に支えていた尊の体の感覚がなくなり達人は思わず隣を見る。
驚くべきことに尊の代わりに怪物がいた。ザンバラ髪の骸骨状の頭部に剣道の防具のような物を胸と手足に着けている。
互いの目が合った。
尊だった怪物はうなり声をあげるといつの間にか手に持っていた槍を振り回し達人に襲い掛かってきた。
「やめろ尊」寸でのところで槍を避け、後ろに下がる。
何事かと振り向いた清司と信彦も突然の事態に驚愕していた。
「尊が怪物になった?」「尊やめろ。俺達がわからないのか!」
二人の言葉にも返事はなく、怪物は槍を突き出してくる。
「いい加減目を覚ませよ!」清司は槍を躱すとそのまま殴り掛かる。
しかし拳は怪物の体をすり抜けてしまった。
間髪入れず繰り出された槍にもし信彦が腕を引っ張らなければ清司の体は貫かれていた。
「どうなっているんだ、これは?」ここで三人は『怪物に出会ったら逃げろ』という黒川の言葉の意味を理解した。
「塔に走るぞ。一刻も鎧を手に入れないと説得にするにせよ戦うにせよ不可能だ」
「ハアハア・・ウッグ、お前たち二人が行ってくれ。俺は足手まといだ。ここで何とか時間を稼ぐ。」
信彦の提案に呼吸の荒い清司はそう言うと怪物に向かってゆく。
その背中に二人が言葉をかけようとした瞬間苦しみだすと彼の姿が尊と同様の姿に『変身』し、逆に尊が「変身」し
た怪物と共に二人に襲い掛かってきた。
残る二人に幸いだったのは怪物二体が変身したその体に慣れていないのか、攻撃や動きが緩慢だったことだ。
重い体を引き摺り、息も絶え絶えに怪物達から逃げ続けて彼らは岩石をくりぬいてできた塔に入る階段に到達した。
「聞こえたか?」
「ああ。呼んでいるな」
「なら信彦お前が行け。俺が二人を引き付ける。適正値はお前の方が高かったはずだ」
「いや。俺はここまでだ」
達人は信彦の体が変身しかかっているのを見た。
「いいか。鎧を手に入れたら俺達ををを」言い切る前に信彦が異形の姿に変わる。
その姿は他の二体と同じ骸骨状の頭の上に烏帽子をかぶり両肩にも鎧を付け、刀を持っており上位の存在ともとれる物だ。
類人猿型UMAビッグフット
文明存続委員会が世界にひた隠しにしていた人類抹殺の先兵
その群れに3人の少年達が加わりかつての仲間に牙を剥く。
信彦の変化した指揮官の怪物が塔の入り口に向けて大きく飛び跳ねると同時にその後ろにいた他二体が槍を繰り出してきた。
その攻撃をかわし切れず左肩と右足を切られ倒れるが、その横を信彦だった怪物が転げ落ちていく。
怪物は塔に入ろうとして塔入口に仕掛けられた結界に弾き飛ばされたのだ。達人は階段を駆け上がり体を投げ出すようにして入り口に飛び込んだ。
円柱上の塔内部はいくつかの踊り場とそれにつながる部屋のある長い螺旋階段がありそれが屋上まで続いていた。
達人は服を裂いて布切れを傷口に巻いた。尊が変化した怪物に切られた足の傷は肩より深く、足を引きずりながら階段を上る。
塔内の空気は外と違い清浄さを感じられる物で不思議と外にいたときに感じた圧迫感や気分の悪さが薄らいでいる。
(まるで塔がこの異様な世界を拒絶し排除しようとしている様だ)
その排除された異物たる怪物達が塔をグルグル回っているのを見る達人の頭にはそんな考えがよぎった。
痛む体を引きずりながら達人は螺旋階段を上っていく。
(連中が諦めるとは思えん)達人がそう考えるのは信彦の変化した怪物が自身を襲うより塔に侵入する方を優先したことからも彼らにとってここにあるものは脅威なのだ。
それが本能であれ知性であれ彼らは何かしらの方法で突破してくるだろう。
その方法は原始的だった。
達人が最上階のすぐ下の踊り場に差し掛かった時そこに面した窓から1体の怪物が塔の壁を蹴り上がってくるのが見えた。
「まずいな」痛む足を引きずり急いで最上階についた達人だったがそこには何もなかった。
屋上に続く扉がある。外に出ると体の不調が戻ってきてついに彼は倒れてしまった。
顔を上げるとそこに先客がいた。
先程の怪物ではない。
遮光器土偶のような見た目の2体-片方は背が高くもう一人はその腰くらいまでの高さ-が魔術師の彫刻が施された
長方体を見ていたがこの新しい侵入者に目を向けるとこんな会話が交わされていた。
「あんな格好で外をうろつくなど考えられません。爺、怪物に襲われたのかも」
「長年探し続けていたお父上の遺産を今こそ受け継ぐときですぞ。お嬢様、面倒なことになる前にお早く」
促されて背の高い方が長方体を開くとそこには神秘的な藍色の杖を持った鎧が現れた。
「これは四元将のどれでもない・・まさかお父様が一番期待をかけていたという試作型?」
そこに三体の怪物が塔の外壁を上ってやってきた。鎧とそれを着ようとしている者の存在を認め一斉に襲い掛かる。
背の高い方がその杖に手を触れた。
瞬間その体に電流の如く衝撃が走る。
「ああっ、選ばれたのは私ではない?」
「ここまで来てこの仕打ち。低性能の期待外れと言われ我が主人から名前さえ付けられなかっただけのことはあるわい」
従者は主人を守るべくその身を怪物の前に躍らせる。
指揮官は箱ごと壊せると思っているのか部下の1体に命じて槍で力任せに武器を振るわせる。だが中の鎧がバラバラと散乱しただけだった。
装着者(未遂に終わったが)を狙った2体の内一体は従者を槍で跳ね飛ばし指揮官が長身の土偶に切りかかるが得物の長さの差かこちらは寸前で躱されてしまった。
「イオアンネス、伏せなさい!」言いざま右腕を外すとその中から人間の手と思われる白く細い手が表れ青白い火球を怪物に向かって飛ばす。
火球は怪物の1体に当たり吹き飛ばす。
彼女は追撃せず腕を動かし鎧のパーツと達人を浮揚させ屋上の入り口に持っていくと再び右手に篭手をはめて自分も駆け込んだ。
従者の老人も後から駆け込むと息も絶え絶えの達人を見て「まさかこやつを生かして鎧を着ける気ですか?いっそ殺してしまった方が」
「そうすれば鎧が私を選ぶと?鎧は彼を選んだのです。でなければここにいる理由が無いでしょう。私は鎧が選んだ人間がどうするのか見てみたいのです。さあ手伝って下さい」
しぶしぶイオアンネスも装着を手伝う。
「よせ。近づくと俺も変身して襲うかもしれないぞ」
「そうならないようにしているのです。動かないでください」
足から腰のパーツを着けると肩と一体化した上腕と銅鎧を着け肩と一体化した上腕と最後に篭手を着ける。これは先程の遮光土偶同様に指先まで金属製で、上腕と内張りされた柔軟な黒い金属と接続され関節を保護する。
最後にオレンジ色のV字状のバイザーと額に緑色の宝石を持つフルフェイスの兜を装着しイオアンネスが左腰のスイッチを押し込むとシュッという空気が閉じる音がする。
次の瞬間達人は巨大な手で頭を鷲掴みにされ全身の皮をはがされるような感覚を覚えた。
真っ暗だった視界はぼんやりとしかし徐々にはっきりと見えてきてはいるものの関節部を動かせばギシギシと今にも壊れそうな音を立てて歩行も満足にできないこの鎧は研究用か観賞用であって実戦で役に立つとは達人には思えなかった。
「忘れ物だぞ」最後に爺と呼ばれた方から杖を渡された。
最も達人がこれを杖と分かったのは後のことで30cmほどの長さで先端に藍色の石がうめこまれたその四隅に赤・青・緑・黄の金属片がついているため最初棍棒だと思っていた。
何時までたっても動かない事を見かねた老人がついに達人を突き飛ばす。つんのめりながら扉の結界を突き抜け杖で
体を何とか支えて転倒を免れた。
外に出た瞬間達人は自身に風や光、熱そして足元から上ってくる土のエナジーが体に流れ込み鎧に組み込まれた魔術的な力が目覚めさせ、いくつかの断片的な情報を達人の脳内に映し出す。
(これがエレメンタル・エナジー!?火・水・風・土の4つの魔力で動く鎧。これがソーサリィメイルというのか)
それを見た二体の怪物が互いの得物を交差させるよう槍を突き出す。
それを後ろに飛びのくとその位置を狙ったかのように最後の一体が刀で切りかかるが体を半回転させ躱す。
先ほどまでのぎこちなさが嘘のようだ。
火の魔法の一つである身体強化の呪文がこの鎧に刻まれているためである。
「やめろ!お前達とは戦いたくない。元に戻ってくれ」
俺達を殺せ そう信彦は言おうとしたに違いない。
逆の立場なら自分もそう言うだろうと達人は思う。だとしても実際にそうできないのが人間というものだ。
三体は達人を中心に三角形を描く形で取り囲みそれぞれの武器を頭上に掲げ光線を発射した。
三条の光が収束した後にいくつもの光線として周囲降り注ぐ。その内の1つが胸部に命中、火花を散らす。
「グウッ」うめき声と同時に達人は杖を落とし膝をつく。
その様子を見て女性(と思われる)土偶が飛び出し叫んだ。
「唱えなさい!『フロギストン』と」
その声に先ほど火球を受けた怪物は先程のお返しとその遮光器土偶に向けて光線を放つ。
達人は異形2体の間に割って入ると「フロギストン」(燃素という意味)と唱えながら右腕を突き出す。
右腕から赤い火球が迸り尊だった怪物を包み込む。
数秒後赤い炎に包まれた後赤い光をまき散らし爆発した。
その光は空中で渦を巻き激しい稲妻と突風を巻き起こし、徐々に赤黒い穴となって周囲を吸い込まんとしていた。
「やってしまった・・・彼らを守るためとはいえ俺は仲間を殺してしまった」達人はしかし体が動いた以上これが正しかったのだろうとも思う。
心のどこかではもはや彼らの人格は無く、破壊の権化なのだと。そう自分に言い聞かせる。
あの渦が自分達をここに連れてきた物だと直感的に悟った彼は『現実世界』に残りの二体が出てくることは避けるべきだった。
鎧によって強化された聴覚が聞き取った後ろの二人の会話から決着を急ぐ必要があると判断した。
「奴は力を制御できていませんぞお嬢様!これ以上は外にいるのは危のうございます」
「ですが鎧は機能不全を起こしているようですし彼は経験のない素人のようです。こんな強い魔法嵐を引き起こすとは思いませんでしたが。魔甲闘士よ、風の声に耳を傾けなさい」
「風に?」
意識を集中すると兜の額に埋め込まれた緑の宝石が輝き達人の脳内にいくつかの映像と声が朧げに浮かび上がる。
(火は身体能力の向上や攻撃を、風は言葉や意思の伝達を得意とするのか。そしてこの杖は)
そのビジョンの教えるまま「プノエー(ギリシア語で突風の意)」と腕を突き出しながら唱える。
強風で2体の怪物の動きが鈍る。この風は攻撃能力が僅かながらあり怪物たちの全身に傷をつける。
その間に達人の持つ杖に変化が起きる。杖の先端から赤い炎が剣状の伸び揺らめく。
この杖は四つの属性に対応した武器を形成するマルチウェポンである。
「ハアアー!」二体をまとめて十文字に切り裂く。
先ほどと同じく現象が起こると空は天変地異としか言いようのない暴風雨と稲妻の狂乱の中達人は
(信彦、清司、尊すまない。俺もすぐに向かうからな)
渦の中に吸い込まれながら仲間達に詫びる。
残された異形2体はこの事を知っていたのか、爆発の直前に塔に入り嵐が過ぎ去るのを待った。
そして鎧が入っていた箱が消えているのに気付いた。
「行ってしまった。今までの苦労が水の泡じゃ」
「そうですね。でもまだ行方の分からない四元将もまだあります。それに彼はそう遠くない内に戻ってくる。そんな予感がするのです」
絶望的な声音を呟く老人をもう1人が慰める。
そして励ますように
「さあ、嵐が去ったら町へ戻りましょうやる事は沢山あるのだから」