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魔甲闘士レジリエンス   作者: 紀之


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第18話 邪竜病




 エリクシリオが異世界へと帰還して1週間が過ぎようとしていた。 


世間は5月に入りゴールデンウイークとなっていた。


それはこのf市内でも例年と変わらぬ活気が各所で盛り上がっていた。


他県や外国人観光客は文明存続委員会の情報統制でUMA関連の事件を全く知らなかったし、f市市民やf市のあるK県住民も自分達に直接の関係が無ければそれらの事件は気にもとめないかフェイクニュースの類だと頭から決めてかかかっていた。


「エリイさんがいなくなって寂しいって顔してるよ」いつまでも庭を眺めている芹沢達人を八重島紗良がからかう。


「そんなわけあるか。彼女に聞きそびれたと思っただけだ」


「自分の事どう思っているかって?」


「何でそうなる。風の鎧の姿や持ち主を選ぶ基準だよ」


「はいはい。二人ともこれから授業があるから手伝わないなら続きは上でしてね」


そんなやり取りをしている二人に梓が声を掛ける。


「梓さん、私塾は土日は休みじゃないのか?」


「ゴールデンウイーク中は土日も開いているのよ。課題が出ていたりするからね。まあずっと部屋に閉じこもってちゃ判らないか」


「そうだったのか。梓さん、俺も手伝います」


「ありがとう。それじゃあお願いするわね」


達人は梓と共に準備に取り掛かるのだった。


実際の所紗良の指摘は当たらずも遠からずだった。


彼がエリクシリオに聞きたい事は真実紗良へ語った通りだったが、それが単なる口実でしかないと認めていた。


認めた所でそれが一体なぜそう思っているのかは本人も分かっていないのだが。


そういう意味では他の事で体と頭を使う事は気晴らしにはなる。


だがこの日塾では勉強や課題は誰もやらなかった。


塾生の一人である小林亮平の話した奇怪な話に全員の興味がそこに移ってしまったからである。


小林亮平は活発ではないが学校の成績は中の上といういわゆる『普通』の男子小学生である。


そんな彼の様子がおかしいことに気付いた梓が訳を聞くと最初彼は話したがらなかった。


しかしこの所奇怪な事件の頻発している事やそれを解決できるかもしれない人間がいる、という梓の説得を受けてためらいがちに話し始めた。



『中学生の僕の兄ちゃんがゴールデンウィークの初めに2人の友達とo湖にキャンプに行ったんだ。でも2泊する予定がその日のうちに帰ってきて訳を尋ねたら『竜を見た』って言ってそれで怖くなって帰ってきたんだと言っていた。お父さんもお母さんも何かの見間違いだろうと相手にしていなかったんだ。けれど一昨日兄ちゃんの学校から連絡があって兄ちゃんと一緒に行った友達の一人がサッカーの部活中にいきなり叫び出した後教室へ駈け込んで教室の窓から飛び降りて死んでしまったんだ。さらに昨日はもう一人の友達が家に電話をかけてきたんだ。兄ちゃんの携帯に繋がらないからって」


「君の兄さんはあの日以来どうしているんだ?」


皆が思っている事を代表するように達人が尋ねる。


「帰って来てからずっと部屋に閉じこもっているんだよ。どういう訳だかあらゆる物を怖がっているんだ。今は僕たち家族の事も怪物か何かだと思い込んで自分の部屋に閉じこもっているんだよ。実際に様子を見に行ったら僕達家族の顔を見て『来るなこの化け物め!』ってこの世の終わりみたいな声を部屋の物を手あたり次第に投げつけてきて手が付けられないんだ。投げる物が無くなると布団を引っ被ってブルブル震えているんだよ。今日も心配でずっと家に居たかったけど家にいても気が変になるだろうし学校の事もあるからって強引に父さんにここへこされたんだよ」



「だとすると君のお兄さんもその飛び降りた友達みたいになるかもしれない訳か」


「そうなんだ。母さんは話してくれないけどもう一人の友達も死んじゃったみたいなんだ。電話で物凄いショックを受けた顔をしてたからきっとそうだと思う」


事件の異常性から亮平の家に行くことにした達人は亮平とそんな会話をしながら彼の家へと向かう。


近くに行くと外からでもはっきりと聞こえる怒号が彼の家から聞こえてきた。


言い争う声は二階から聞こえ、そこが亮平の兄の部屋なのだろうと達人は推測した。


お前、一体何をするつもりだ。


父親らしい男の言葉が聞こえ、いやな予感がして家に向かって走り出した二人の前に人間が1人降ってきた。


亮平の兄が飛び降りたのだ。


頭から真っ逆さまに落ちてきた兄は即死だった。亮平の兄の恐怖に歪んだ顔とその顔色どころか身体全体がどす黒く変色している事に二人は戦慄していた。





「全く手掛かりなしって事?」


「最初はUMAが彼の兄を脅かしていると踏んでいたんだが亮平君の兄の部屋に何者かが侵入した形跡が無かった。となれば彼の友人たちも似たような物だろう。彼の母親の話だと『俺があいつだったんだ』と繰り返し叫んでいてその後自分の部屋の窓から飛び降りたらしい」


一度八重島家に戻ってきた達人は亮平の家での一部始終を紗良に話す。


「待って。o湖って最近変なニュースが多いのよね。これは3日目にあげられた動画なんだけど」


紗良はスマホを操作し、その動画を達人に見せる。


その動画は【o湖の謎の大量死に迫る】といったおどろおどろしいタイトルが付けられており、動画が始まって投稿者の編集によるテロップで2週間ほど前から湖で魚や野鳥が次々に原因不明の死骸となって発見されているという説明が入る。


そのテロップが終わって1分ほどで何か細長い物がo湖の水面を移動しているのが映っていた。


投稿者にとって予想外の物が映りこんだことで投稿者は興奮気味に湖に近づくがもはやそこには何も見えなかった。


「これもUMAなのかな」


紗良が尋ねる。動画のコメント欄にも同様の物がいくつも書き込まれていた。


達人が懸念したのはそのコメント欄に『ゴールデンウイーク最終日記念に俺も行ってみるわ』といった記述が多い事だった。



「これだけだと分らん。そこのキャンプ場に行ったことは?」


「あそこ結構広いわよ。釣りだのハイキングできる場所はあるし、バーベキューランチもできるから大型連休じゃなくても休日は人多いよ。それと最終日は明後日だけど」


「いつ出てくるかはこっちの都合関係なしだろう。なら明日明後日o湖に行ってくる」




翌日朝早くから達人はo湖へ向かった。


湖周辺は紗良の言った通りレジャー施設等もあり交通の便はそれほど悪くない。


(母さんを見かけた駅の直ぐ近くじゃないか)


事件を知らないか、知っても根拠のないオカルトであると片づけてしまっていたら・・・


その新たな懸念は達人の内心で大きくなる一方だった。


達人の降りた鉄道駅は湖の目の前だった。


電車の扉が開くと同時に跳び出した達人は湖の道中ずっと自分の見知った顔が無いか探していた。


湖への道中には彼同様に怪物目当てなのか撮影機材を持った人間が多かった。


そして件の湖の手前では数人の男たちが口論をしていた。


達人は撮影の場所取りでもめているのかと最初思ったが、近づいていくにつれ聞こえてくる会話からそうではないらしい。


「何で近づいちゃいけないんだよ」


「そうだ。訳の分からん御託並べやがって」


撮影にでも来た物好き達に市の職員らしき男が応対している。


だがその眼鏡を掛けスーツを着こなしてはいるもののその男の風貌は胡散臭さ全開だった。


およそトラブルを解決するどころかトラブルを招き寄せるとか増やす印象を与える風貌だった。


実際しゃべり方も慇懃無礼であり


「ですから非常に危険なのですよ。ここには最近邪竜病を引き起こすニンキナンカが住み着いていますから。ニュースにあったでしょう、変死事件の?知らない?フム弱りましたねえ」


セリフと裏腹にその男はそれほど困った顔をしていない。


その事が相手の感情をまた逆なでするのだ。


「邪竜病って何ですか」


達人が割って入る


「ああ、お兄さんも撮影しに来たんですか?なら話は早い。直ぐ引返しなさい。邪竜病は精神と肉体を腐らせる病だ。奴の姿を少しでも見たが最後心が恐怖と希死念慮に支配されて耐え切れずに死んでしまう。そうでなくても体の細胞が徐々に死滅して無残な最期を遂げる、恐ろしい病気ですよ」


「恐怖に支配される?何を見るのです?」


「どうもあらゆるものがニンキナンカに見えてくるらしい。最終的には自分も怪物だったと絶望して死んでいくのが一般的らしいですよ」


「随分と詳しいですね」


「それはね。私もこの道の研究者の端くれですから」


「ここにその怪物らしき影がありましたがそいつがいつ出てくるとかは?」


「さあそこまでは。相手も生きていますからねえ。ただ本人には悪意はないと思いますよ」


達人は礼を言ってその場を後にすると人気のない場所でレジリエンスの鎧を装着すると湖が良く見える高所に行って探知魔法プサクフを唱える。


だが収穫はなく、その日は湖へ近づく人影もなかった為そのまま達人は帰宅した。



その夜


あの背広の男が湖に向かって語りかけていた。


「ああ姿を見せなくて結構。僕も邪竜病にかかりたくないのでね」


「昼間はありがとう。しかしやっと安住の地を見つけられたと思ったのにまた息苦しい思いをしなくちゃならないとはね」


「いっそ姿を見せてやるというのはどうだろう?正体が判らないから人間っていうのは好奇心を刺激されるのだから。今はあっという間に情報が広がるからね。その場で死ぬ奴も出るだろうがそれこそニンキナンカ、君の危険性を


知らしめる事になるだろうからね。それが判れば連中もおいそれと近づくまい」


「そうかな。なら早速明日やってみようかな」


「それがいい。君の真の自由の為にも恐怖はどうしても必要だ」




「殺人教唆とはあまり関心しませんね。ヒトガタ」


ニンキナンカと別れて湖を出た男にフライング・ヒューマノイドが声を掛ける


「フン。僕は彼の自由の為にやっているんだ。君のような恵まれた力を持つ者には分からない事だよ」


ヒトガタと呼ばれた男は悪びれずにそう返す。


「レジリエンスの事は聞いているでしょう?私はまた犠牲を増やしたくない。ニンキナンカの特性上助勢は無理ですからね。あれの『ウイルス』は我々にも効く。もちろんあのレジエンスにもね」


「なら黙って見ていることだね。真の自由を手にするには相応の実力を見せつけることが最も肝心だからね」


「ほう、人間に化けるだけのあなたにその力が?」


「おっといかん。あまりしゃべりすぎるのは良くないね。まあ彼の健闘を祈ってよ」


ヒトガタはその場を後にした。



「ちょっと達人、これ見てよって何をしてるのよ?」


リビングで事件について調べていた紗良がスマホを達人に見せる。


達人は左腕に手鏡を括り付けてそれを見ながら部屋の中を歩いていた。


スマホ内のそのスレッドには『【緊急告知】o湖に明日怪物現る!!』と書いてあった。


「これをどれだけ信じる奴らが出るかだろうな」


その内容を確認した達人は再び妙な動きを始める。


「それ、何の踊り?」


呆れた様子で達人の動きを見ながら紗良は言った。


今度は両腕だけ装甲を着けて左腕を見る。


「ギリシャ神話さ。駄目だ、やはり鎧にはきちんと映らないな」


そう言うと手鏡を左腕の篭手に括り付けるとそれを見ながら部屋中を動き回る。


「あのさ、こういうの詳しくないんだけどああいうのの正体って蛇とか魚とかでしょ?だったら水面が鏡の代わりになるんじゃないの?」


「そううまくいかない場合を考えている」


(最後はやはり刺し違える覚悟で奴と戦うしかないか)


それは口には出さない。彼としても八重島家に余計な心配をさせたくないのだ。


「その、こんな事しか言えないけど頑張ってね」


「ああ」





日曜日のo湖は昨日と違い人だかりができていた。


人々があの謎の文言にこれ程関心を寄せられる理由は何だろうと達人は思う。


あの背広の男が静止しているが数が昨日とは桁違いに多い。


達人は箱を起動させ中に入り、鎧を装着し飛び出した。


男を押し切り人々は湖に殺到する。


その時黒い巨大なワニの頭が水しぶきと共に姿を現した。


ゴツゴツした鱗と黄色く光る眼そして裂けんばかりにカっと開いた口


それらは見た者の恐怖を掻き立てるに十分だった。


集まった人々の歓声が悲鳴に変わっていく。


しかもこのワニ型UMAニンキナンカの発するエナジーが人々に与える恐怖とは各々の悲しみや後悔といった負の感情と勝手に結び付いて各自の奥底に必ずある『根源的恐怖』と希死念慮を呼び覚まし恐るべき増幅力と持続力とで他者の心を破壊する、心のウイルスだったのである。


レジリエンスは右腕で逆三角形を描き水魔法『ディーネー』(ギリシア語で渦巻の意)を唱える。


途端怪物の周りの湖水が逆巻く渦となって怪物の姿を隠す。


「今のうちに早く逃げてください。あの怪物をこれ以上見てはいけない!」


達人は渦の状態を確認しながら叫ぶ。


巨大ワニは渦を押し破ろうと何度もその頭部を打ち付けるがその度に渦は青い火花を散らしながらそれを阻んでいた。


その内に怪物の体が徐々に変化していく。


半球の頭の後頭部に鶏冠の付いた巨大な単眼


横に張り出した肩


中世の軽歩兵を思わせる鎧状の鱗は以前戦ったリザードマンに似ている。


ただし得物は双刃の剣と手持ち式にしては大型な楕円形の盾を構えている。


ニンキナンカは双刃の剣を風車の様の回し渦を破壊するとレジリエンスに襲い掛かる。


レジリエンスは怪物に背を向け右手で逆三角形を描きながら『カスレフティス』(鏡の意)と唱える。


彼の左腕に水の鏡が出現する。


それはショッピングモールの戦いでエリクシリオが見せた魔法だった。


達人の考えた作戦はギリシャ神話のペルセウスのメデューサ退治と全く同じだった。


つまり本体を直接見るのでなく鏡に映ったニンキナンカの姿を見ながら戦うというものだ。


最も神話と違って今回の相手は寝ておらず、こちらも姿を消すとか空を飛ぶ便利アイテムはない。


ニンキナンカは双刃剣を左右に巧みに薙ぎ、時には突き出しながら、更にレジリエンスの動きをけん制するべく左手の盾を突き出してくる。


これらの攻撃を相手を直接見ないという不自然な体勢で防戦一方のレジリエンスは集中力やスタミナをいつも以上に消耗させていく。


レジリエンスからしてみればこのタイプのUMA特有の単眼からの熱線も警戒しなければならない。


何度めかの薙ぎ払いの後ニンキナンカの単眼が光る。


「来たか」


レジリエンスは右腕を曲げ反射魔法の体勢に入るがそれは罠だった。


ニンキナンカは単眼を光らせただけでそのまま盾を構えて突進しレジリエンスの右腕に盾を激突させた。


盾の脇から怪物が顔を覗かせビームを至近距離で放つ。


火花を散らして吹き飛ぶレジリエンスは起き上がりざま左腕の鏡を見るが水の鏡の表面は波立ち景色を映しだすのに

若干の時間を要した。


「どこに行った?」ようやく鏡面を取り戻した水鏡で敵を探す。


その時鏡に思いがけない人物が映った。


「母さん!?そんな馬鹿な」


その女性はあの小さな子供と共に避難していた。


そしてあろうことか彼女らの向かった先はあの背広の男の許だったのである。男は2人を連れて早々に立ち去った。


その動揺は彼の心から敵の存在を忘れさせるに十分だった。ニンキナンカに左腕を切り付けられ、鏡が破壊される瞬間遂に彼は直接怪物を見てしまった。


その瞬間訳の分からぬ恐怖が鎧を貫通して達人の心に汚泥の如く浸み込んできた。


その泥は今まで戦ってきたUMAの形を取り続けた。


当初こそそれに達人は耐えていた。


しかし記憶を新しい物から古い順に巻き戻すように泥の作り出した三体のビックフットを見てあの時の悲しみや後悔が一度に自分でも困惑するほどに押し寄せてきた。


三島信彦だったビックフットが首筋に刀を当てる。


「そうだな。お前には俺を殺す理由がある」


最後にあの女性が本当に自分の母親か確かめたかったが。


そう思った時ビックフットの姿は無く、代わりに目の前に立っていたのは父親だった。




あの日


いや達人の覚えている限り芹沢一家はいつも飢えていた。


飲んだくれの父と懸命に働く母


だが暮らしは楽になるどころか父の作る借金でどんどん困窮していくばかりだった。


ある日遂に父は息子を殺して食べようと母に言い出した。


『なあに、子供はまた作ればいいさ』


その言葉が芹沢達人の運命を決めた。




「うおおおっ」


首筋に押し当てられた双刃の剣を達人は雄叫びと共に押し返し逆にニンキナンカを炎の剣フレイムキャリバーで切り付けた。


今や恐怖や悲しみではなく怒りと決意に満ちた彼の心は火の魔法である身体強化の魔法を極限まで引き出すとそれによってレジリエンスの身体機能を増幅させる。


「ありえない!?僕の恐怖に打ち勝つ生命体がいるなどとは!!」


「ニンキナンカ。最後に警告する。この地を捨てて他の誰もいない場所に行け。お前は危険すぎる」


「断る。今度こそ僕は誰にも迫害されず自由に生きるんだ。ありのままで生きていいと言ってくれた人がいるんだ」


そう叫びつつニンキナンカは双刃剣を振りかぶる。


だがその剣は炎の剣に触れた瞬間鍔ぜり合いになる事無く瞬時に溶かされる。


今度はレジリエンスがニンキナンカの首筋に剣を突き付ける。


「分ったよ。諦める」ニンキナンカの言葉に杖先の剣を消し背中を向けるレジリエンス。


だがその背に向けて怪物は残ったもう片方の刃を突き出した。


だが刃は届かず、逆にレジリエンスの杖の石突に備えられた宝石から伸びた細い炎の剣に腹部を貫かれていた。


間を置かず、レジリエンスはもう片方からも炎の剣を作り出しX字を描くように怪物を切り捨てる。


「馬鹿野郎」達人はそう呟く。


周りを見回すと避難は終わったのか達人の周りには誰もいなかった。


(よかった。母さん達は無事なようだな)


それだけがこの戦いで得た、彼の唯一の慰めだった。


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