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カズヤは何時(いつ)もの様に店に到着すると予約をしていた美少女が待っていた。


(おおーっ、凄い可愛い()だ!)


彼女の名はしのぶ、スカートの丈は短すぎず、長すぎない丁度良い感じのワンピースを着用。

今日は張り切り過ぎて早く来てしまったとの事。

因みに、一人称は『ボク』だ。


(ボクっ娘キターッ!! いや、待て、落ち着け! よくよく考えれば美少女がボクって言うのはどうなんだ………うーん…アリだっ!)


デート相手が美少女と言う事で脳内テンションが爆上がりのカズヤ。


カズヤは早速カフェ的な店に行こうと言うと、しのぶは照れながらも手を繋ぎたいと言い出した。


他の店では手を繋ぐ等の接触行為を行う場合はオプション料金が発生する。

しかし、それとは対照的にカズヤの店では基本料は多少高いものの、オプションは存在せず接触行為も基本料に含まれる唯一の店。

会話の他に接触行為を求めてくる客も少なくないので、カズヤの店を予約する客はそれ目当てが多い為、しのぶの要求は普通の事である。


(いや、それにしても、 ここでかよっ!)


前回の件もあり恐る恐るしずくを見るカズヤ。

すると、しずくはカズヤに優しく微笑むだけで特に負のオーラ的なものを発している様子はなかった。

しずくの表情から手を繋いでも大丈夫と判断し、お客の要望もありカズヤはしのぶの手を握ってカフェ的な店へ向かった。


店に到着し、ドリンクの注文が終わると、カズヤは会話を開始。

カズヤは彼女を「しのぶちゃん」と呼び、女子が好きそうな話題や好きな男性のタイプ等を尋ねていると、しのぶの口から爆弾発言だ飛び出した。


「あ、あの…カズヤさん…ひょっとしてボクの事…女の子と思っていませんか…?」


「えっ!? いやいや…だ、だって、ほら、可愛いしワンピース着てるし…お、女の子…だよね…?」


「ボク…男の子です…」


(なっ、何いいいぃぃぃぃっ!!! まさかの男の娘だとーっ!! そ、そんな馬鹿な…)


しのぶが男子と知り、激しく落胆するカズヤ。

それと同時に何故女装をしているのかと疑問を覚える。


「で、では、何故…じょ、女装を…」


カズヤの問いに対し、しのぶは目を輝かせながら雰囲気が出るからと言い放ったのだった。


(いやいや、確かにビックリするくらい雰囲気だけは出まくってるけれども! そもそも男が女子専用のデートクラブに客として来るとかどうなのよ…いや…よくよく考えたら女子専用って何処にも書いてないか…いや、しかし…)


男が客と言う異例のケースに戸惑うカズヤを他所に、しのぶは更にカズヤをドキドキさせる行動をとった。


「男の子じゃ…ダメ…ですか…?」


そこに追い打ちをかけるかのように、しのぶは片手を口元に当て上目遣いでカズヤを見てきた。


(くっ…いちいち仕草が可愛いな、おい! 本当にこの子に例のアレが付いてるのかと疑いたくなるレベルだぜ…)


カズヤは本当にしのぶが男なのか完全には信じられなかったので、何故本来は女子が利用するはずのデートクラブに来たのかを尋ねてみた。

するとしのぶは、女子と会話したり近づく事には激しく抵抗はあるが、男子が相手なら落ち着くからと答えたのだった。


(これは…確かにこの世界の男子の発言ではあるのだが…)


しのぶの言い分はこの世界の男子のそれに一致していたが、それとは別にカズヤにはある懸念事項があった。

その懸念を払拭(ふっしょく)すべく、カズヤはしのぶにある質問を投げかけた。


「しのぶ君って…男子好き?」


ドストレートなカズヤの質問にしのぶは「はい…」と一瞬間を置き答えたのだった。


(やっぱりゲイだったーっ! しかしそうなると彼女、もとい彼は純粋にデートを楽しみに来たって事だ。ならば俺も全力で相手をせねば!)


こうして、男であるしのぶと普通にデートをする決意をしたカズヤだった。


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