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次のデート相手はギャルと聞かされたカズヤはギャルの分析を開始。


ギャル…この世界にも少なからずギャルと言われている生き物が存在する。

この世界においてギャルは希少種で他の女性と比べ、さほど男性への興味が薄く感じられる。

しかし、ギャルもこの世界の女性。その根本は普通の女性と何ら変わりはない。

男性に興味が無い様に振舞っていても、手を握られただけでドキドキしてしまう。そんな生き物である。


「カズヤさん?」


固まってるカズヤを心配し声を掛けるしずく。


「はうぁ!」


(ギャルの生態分析に夢中になっていたぜ…)


この仕事を始めて間もない頃、初めてギャルと言う生き物とデートした時は度肝を抜かれたカズヤ。

現在のカズヤは数々の修羅場で鍛え上げられてギャル耐性を獲得していた。


「くっくっく。ギャル恐るるに足りず! さあしーちゃん、さっさとプレリュードを奏でて貰おうではないかっ!」


「次のお客様が来るのは三十分後です。少し落ち着いて下さい」


カズヤの自信に満ち溢れた態度に冷静な対応をするしずく。



約三十分後、ギャル到着。



「それでは行きましょうか」


カズヤは両眼を閉じなが軽く頭を下げ、手を繋ぐため右手を出した。

ギャルが返事をしたので目を開けて顔を見た瞬間、カズヤは暫く固まった。


(なん…だと……これはギャルの上位種にして史上最強と呼び声が高い生物…ヤマンバとか言われている生き物だっ!)


ギャルは何処かの部族かっ! と言わんばかりのメイクをしていた。


「そう言うのいいから早く行こ」


現れたギャルの名前はセイラ。

セイラはカズヤが差し出した手を見ても繋ごうともせず急ぎカフェ的な店に行こうとしている。


(手を握るの拒否られたーっ! くっくっく。いいだろう…それでこそドキドキさせがいがあるってもんだぜ!)


カズヤは無言で手を戻すと二人でカフェ的な店へ向かった。

道中何度か手を握ろうとするも(ことごと)く失敗に終わり店に到着してしまった。


テーブルに案内され着席するも彼女からは一向に話をしようとはしない。

カズヤが過去にデートしたギャルは皆、マシンガンの如く話しかけてきた。

ギャルはそう言う生き物と思っていたカズヤは戸惑いながらも恐る恐る仕事を遂行。


「な、何か、き、奇抜なメイク…ですよね…」


「ああこれね。ちょっとカラコン入れてみた」


(そこじゃねーよっ! もっと他にあるだろっ!)


「あ、いや…カラコンと言うか、メイクが…」


「今日ね、ナチュラルメイクにしてみた」


(嘘だーっ! 何処がナチュラルだよ! じゃあ普段はどんなメイクしてんだよ! どう考えても食人種的な部族のメイクだろ! どんだけツッコませば気が済むんだよっ!)


今まで客に対して妄想こそすれ、殆どツッコミを入れた事が無いカズヤでもツッコミを入れざるを得なかった。

セイラは質問されれば答えるが、今の所自分から話を振る様子は無い。


ツッコんではみたものの、カズヤは少し冷静になりセイラの言葉を思い返してみた。


(いや待て…もし彼女の言う事が真実だとすると…彼女は生まれた時からその容姿と言う事に…ならば文化の違いで苦労をしてきたに違いない…)


カズヤは容姿の話を避け、日常的な話をしつつセイラの事情を少しずつ聞き出した。

そして、セイラから聞き出した情報を元にある一つの結論に達したのだった…


(やっぱ完全なるギャルだったーっ! よくよく考えたら生まれた時からその容姿ってありえないだろ俺…さすがギャルの上位種…最初に会った時から既に術中にハメられていたって事か…出来る…ならば…)


今までのギャルとは違い言葉数の少なさに苦戦するも、ギャルが好きそうな話題で巻き返しを狙うカズヤだった。


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