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エピローグ

「えええええ!」


 叫んだのは、わたくしではなく、フィンドル様でした。


「あら」


「いや、あら、じゃないよ! なんで急に前髪が無くなったの⁉︎ えっ、あのもっさり前髪は何処にいった? っていうか、マミコ、いや、レアリア。レアリアって、そんなに可愛い顔だったの⁉︎」


 パニックに陥っているフィンドル様に、落ち着いて、と声を掛ける。


「前髪は呪われていたのではなくて、女神様の祝福だったんです」


「女神様の祝福?」


「女神様が、わたくしに相思相愛の相手が出来た時、前髪は短くなる、と。それまでは切ろうとしても切れないし、髪留めを使ってどうにかしようとしても、どうにもならなかったんです」


「相思相愛の相手……」


「はい」


「という事は、マミコ、いや、レアリアは私が好きだって事で良いんだ。ヨウヘイである前世の俺で、ステンス・フィンドルという今の私を好きという事でいいんだよね⁉︎」


(あ……。そういえば、そういう事になるんでした。前髪の説明のつもりだったので、すっかり忘れてましたが、つまり、そういう事になるわけですよね)

「はい……。好き、です」


 多分、この気持ちが恋愛感情としての好き、なのでしょう。いつも彼に笑っていてもらいたい、美味しい物を食べてもらいたい。わたくしが、そうしたい。という、この気持ちこそが。


 それから直ぐに、わたくしの前髪の真実をステンスが皆に暴露すると共に、皆に婚約した宣言をしまして。わたくし達は、誰にも気兼ねする事なく一緒に居ます。

 ちなみに、ステンスが言っていたように、もっさり前髪が無くなって目隠れ令嬢で無くなったわたくしは、可愛い顔だったようで、令息方からデートのお誘いがいくつか来ました。


 物凄い掌返しですね。

 もちろん全てお断りしましたけど。

 大体、婚約者が居るんですけど⁉︎

 というか、そのお誘いの中にメソレム様とアデルネ様がいらっしゃるのは何故ですかね? 特にアデルネ様はわたくしの事を嘲笑しまくってましたけど?


 でも多分、本当は。

 呪われた令嬢ではなく、女神様の祝福を受けた令嬢という事が原因なのでしょう。

 男女問わず仲良くなりたい、と必死に媚びられていますから。

 もちろん、今更掌を返されても、ね。

 とはいえ、女神様の祝福を受けた令嬢というのは、要するに他にも良いことが沢山起こる、と思われるわけですよ。わたくしの両親程、女神様に対する信仰心が無くても、日本よりもこちらの世界の方が神様を信じている人が多いですし、ね。だから媚びられているのでしょうが、今更ですよね。


 ところで、わたくしに嫌がらせをしていた人達は、学院長で有る伯父様はとうにご存知だったようで退学にしようとしていたようなので、必死に止めました。伯父様から退学にしていいよね? なんて爽やかな笑顔で尋ねられて、それは大き過ぎる処分です! と宥めたのは思い出したくもないです。


「レアリア」


 遠い目をして伯父様との遣り取りを思い出してしまったわたくしは、隣のクラスから急いで来た彼に呼ばれて笑みを溢します。


「ステンス」


「昼食に行こう」


 婚約してからは、毎日、ステンスのためにお弁当を作って一緒に食べる日々を送っています。もちろん、例の花壇前のベンチで。

 ステンスに、わたくしの伯父様が学院長だと知られた時は、「前世の時から相変わらず、どんな人脈が有るのか解らんな、君は」 と呆れた目を向けられました。ただの親戚なのに。


 尚、多分どんな人脈云々というのは、前世で私が働いていた頃の会社の専務とオタク友達だった事を言うのだと思う。女性の専務だったんだけど、夏や冬の大型イベントで良く顔を合わせていて、後から自社の専務紹介の広報紙見た時は、変な声が出かけたのは、良い思い出。まぁその人脈の関係で、一時期転勤を余儀無くされて、戻って来た時は昇進することになっていた、というのはご愛嬌でしょう、多分。


 ステンスとは、前世で夫婦になったというのに、ヘタレていたヨウちゃんの話せなかった気持ちとか。

 生まれ変わってから学院に入るまでのアレコレとか。

 お互い、昼休憩中に話すことは沢山有って。会話が途切れるなんて事もなく。


 ーー女神様、人を好きになるって、結構日々が楽しいものなのですね。


 なんて、空を見上げて呟いてみた。












(了)

お読み頂きまして、ありがとうございました。


完結致しました。

また何かの作品で、よろしくお願いします。

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