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第21話 ステータスを確認してみよう

 

 ひとまず3人で食堂へと向かう。腹が減ってはなんとやら、っていうしね。


「ベルガモットさん、飯を一緒に食うのはいですが、食ったら帰ってくださいね?」


 シュウはベルさんを敵認定しているらしく、なんだかツンケンした態度をとっている。


「つれないわねぇ。ベルでいいわって言ってるのに。ねぇ、リン?」

()()()()()()さん、リンさんにちょっかい出すのはやめてくださいと言いましたよね?」


 食堂に着いて、8人くらいが座れる丸テーブルに3人並んで腰掛ける。シュウ、私、ベルさんの順だ。4人掛けのテーブルにしようと思っていたが、どっちが私の横に座るかで一触即発だったので、妥協してこうなった。

 うーむ、理由がイマイチわからんが百歩譲ってふたりがバチバチするのはいい。ただ、私を挟んでバトルのはやめてくれ。

 落ち着いてごはんが食べられないじゃないか。ここのごはんおいしいのに。


「シュウもベルさんも、なんでそんなに好戦的なのさー。いっしょに仲良くごはん食べよ?おいしいよ?」

「はぁー、リンさん…まぁ、リンさんがそう言うなら」

「ふふっ、リンは本当に可愛いわね」


 やっぱりここのごはんはおいしい。特にこの鶏肉?っぽいグリルがいい。なんの肉かは怖くて聞けないけど。

 ふたりのバトルがひと段落してやっと落ち着ついてごはんが食べられると思ったら、今度は周りの冒険者さんの視線が痛い。私とシュウのランクがもう上がった件かなって思ったけど、どうやらそれだけでは無いらしい。こちらだけではなく、ベルさんをチラチラ見ながら話してる人もいる。


「ねぇねぇ、ベルさんは有名人なの?さっきからいろんな人が見てるよ?」

「そうね…冒険者レベルもBで高ランクの端くれだし、魔力も一般的な冒険者よりは高いから、名はそこそこ知れてるかもしれないわね」

「えっ、魔力とかわかるの?」

「あら、ステータスを見られることを知らないの?」


 ベルさんはステータスの確認方法を教えてくれた。冒険者登録した時にもらったギルドカードにステータスが登録されているそうだ。ギルドカードに向けてステータスと念じるか、口に出してステータスと言うとステータスウィンドウが開くらしい。受付のおねーさん、そんな説明してくれなかったじゃないか…

 自動更新されるので、いつでも現在のレベルやステータスを確認できるようになっているとベルさんが言うので、試しに確認してみることにする。


「ステータス」


 ギルドカードの上にステータスが表示される。なになに…


 〈 名 前 〉 リン

 〈 レベル 〉 9

 〈 職 業 〉 斥候


 〈 攻撃力 〉 325

 〈 魔 力 〉 158

 〈 体 力 〉 285

 〈 敏 捷 〉 360


 〈 スキル 〉 倉庫

 〈 称 号 〉 ジャック・ザ・リッパー、妖精の祝福


 ほうほう?数値はわかるが残念ながら高いか低いかは全くわからん。称号もなにこれ。助けてー!ベルさーん!


「ステータスはね、自分だけが見たい場合はステータス、他人に見せたい場合はステータスオープンって言えばいいの。そうすれば、近くにいる人なら見ることが出来るわ。差し支え無ければ見せてもらってもいいかしら?」

「ステータスオープン!」

「これは…リン、貴方」

「えっ、なになになんかヤバいやつ!?」

「いえ、そういうわけじゃないわ。ただ、貴方、恐ろしくステータスが高いわね」


 ベルさんが言うには、一般的な村人などは全ステータス平均50から80前後で、冒険者になるような人となると100前後になるらしい。高レベルの人でも高いもので300から500くらいらしく、AランクやSランクの超高ランク冒険者でやっと1000を越える人がいるとかいないとか。

 基本的にステータスは自分だけの秘密にするものだから、詳しいことまではベルさんもわからないらしいけどね。それでも、このレベルでこのステータスはハッキリ言って異常だとか。なんだと…


「シュウ、シュウも!ステータス見せて!」

「あら、それは気になるわね」

「リンさんはいいですが…まぁ、今回は仕方ないですね。ステータスオープン」


 〈 名 前 〉 シュウ

 〈 レベル 〉 6

 〈 職 業 〉 魔術師


 〈 攻撃力 〉 312

 〈 魔 力 〉 186

 〈 体 力 〉 295

 〈 敏 捷 〉 254


 〈 スキル 〉 倉庫、鷹の目

 〈 称 号 〉 スナイパー


 おおう、シュウもステータス高いね。レベルが私より低いのはあれか、私はひとりでオークを倒していたからか。あ、ベルさん驚いてる。


「貴方たち…只者じゃないと思ってはいたけど、想定以上ね…」

「この称号はなにか効果があるのかな?」

「スキルも称号も見たことがないものばかりね。効果が見たいなら、その欄に触れてみると効果がわかるはずよ」


 倉庫はどんなスキルかわかるので、称号に触れてみる。


「ジャック・ザ・リッパー」

 数多くのあらゆる敵をナイフで倒した者に贈られる称号。ナイフで攻撃した場合のみ、レベル×10の攻撃力ボーナスが入る。


「妖精の祝福」

 妖精を助けた者に贈られる称号。妖精の力を借りることができる。また、妖精王国に行くことができる。


 強くない?これ。レベル×10って、かなり大幅なボーナス補正だよね。そうか、私のナイフちゃんが強い理由がわかった気がする。元々ステータス高いのもあるけど、この補正のおかげだったのか。

 妖精の祝福っていうのはきっとカロさんたちを助けた時にもらった称号なのかな?妖精の力を借りることができる、妖精王国に行くことができる、とな?

 シュウはスキルに鷹の目ってあるね。なんとなく想像できるけど、称号と合わせて効果を聞いてみる。


「鷹の目」

 遠距離にいる敵を狙う時、命中率が上がる。


「スナイパー」

 一定以上距離が離れている敵を数多く倒した者に贈られる称号。遠距離の敵を攻撃した場合、武器に関わらずレベル×10の攻撃力ボーナスが入る。


 うんうん。聞かなくてもわかったけど、ガチのスナイパー向けスキルと称号だったね。

 スキルと称号に関しては、これ!といった明確な獲得方法などはあまりないらしく、ほとんどは運による獲得か元々固有で持っているかのどちらからしい。私たちの場合、妖精の祝福以外は元々持ってた固有スキルと称号っぽいね。


「決めたわ。私、やっぱりリンと一緒に妖精王国に行きたい。リンの持ってる妖精石とこの称号があれば、妖精王国に行くのはそう難しくないはずよ。ね、リン、お願い。」


 ベルさんが私の手を取り、じっと目を見ながらお願いしてくる。うっ、美人なお姉さまにこんなに真剣にお願いされて断れるヤツなんているのか!いないよ!


「どっちみち私たちだけじゃ行く方法もわからないし、ベルさんも一緒に行ってくれれば心強いかな」

「本当!ありがとう、リン!」

「ちょっと待ってリンさん!俺がいれば十分だと思いますよ!?」

「えー、でも私たちだけじゃ行く方法もわからないじゃない」

「ぐっ!」


 ベルさんはそんな私たちのやり取りを見ながらクスクス笑い、了承してくれて本当にありがとう、と私の手をぎゅっと握りながら再度お礼を言ってくれた。

 そして、リンたちのだけを見てフェアじゃないから、といってベルさんもステータスを見せてくれた。


 〈 名 前 〉 ベルガモット

 〈 レベル 〉 68

 〈 職 業 〉 魔術師


 〈 攻撃力 〉 260

 〈 魔 力 〉 506

 〈 体 力 〉 156

 〈 敏 捷 〉 125


 〈 スキル 〉 アイテムボックス、火魔法、水魔法、

 風魔法、土魔法

 〈 称 号 〉 魔道を歩む者


 おおっ、レベルも魔力高い!さすがベテラン冒険者さんだなぁ。称号の「魔道を歩む者」は、魔法の出がよくなる称号らしく、魔術師さん垂涎の称号だそう。

 すごい、ベルさんは4属性魔法が使えるんだね。私たちは魔法が使えないから羨ましいな。シュウなんて「ふーん、俺らに着いてきたいって言うだけはありますね」とか言ってるし。だから、なんでそんなベルさんを敵対視するの。


 ベルさんに、なんでそんなに精霊王国に行きたいのかを尋ねてみた。なんでも、ベルさんには昔仲良くしていた精霊がいたそうなのだ。でも、急に姿を消してしまったそう。なぜ急に居なくなってしまったのかはわからない。でも、どうしてもその妖精にもう一度会いたい。会って、突然居なくなってしまった理由と感謝を伝えたいんだそうだ。そのため、魔術師となって妖精王国に行けるかもしれないようになった今、妖精王国に行く方法をずっと探していたんだとか。


 そういう理由なら喜んで協力するよ。仲違いしたままじゃお互い辛いもんね。




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