Orphan Wolf 設定集
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本文で説明しているので、読み飛ばしても大丈夫。
Orphan Wolfの世界
多重階層世界:地球【祖階層】から始まり奇数階層に上部階層を繋ぐ限られた空間【游郭昇降階層】、偶数階層に下層を覆う球体【システム区画】、20階層毎に地球と同じホログラムの太陽、月、宇宙が投影された地殻【新天地】が連続する閉じた世界。
祖階層:地球、天井(第2階層の底)にホログラムの宇宙が投影された地殻。第1游郭昇降階層の存在が公になるまで、大勢の人間は宇宙の存在を信じていた。
游郭昇降階層:奇数階層にある上部階層に移動するための空間、【システム区画】のように下層を覆う球体ではなく、飛地のように同じ階層に複数存在する。上部階層を目指す人間は、広大なシステム区画または地殻に存在する游郭昇降階層を発見して、そこを通過する必要がある。ただし游郭昇降階層の昇降機には【電磁隔壁】に囲まれた【戦場】がある。
システム区画:偶数階層にある下層を覆う球体の空間、地殻【新天地】のようにホログラムの天井はなく、リノリウムの床、コンクリートの壁や天井には配管や照明器具が不規則に配置されており、廃墟のような見た目から【何者】に廃棄された実験区画と考えられている。
戦場:祖階層より上部階層では国家の概念が消失したため、人間の行く手を阻む【人形】と軍に所属する兵隊が戦う、游郭昇降階層の電磁隔壁に囲まれた空間を『戦場』と呼ぶ。同じく国家間の戦争がないため、人形との交戦を『戦争』と呼ぶ。
電磁隔壁:游郭昇降階層に存在する人形の活動範囲を制限する隔壁、上部階層への昇降機は電磁隔壁の内側にある。昇降機を使わずに、システム区画を破壊して上部階層に行くことが出来ない。各階層の底部は時間が静止しており、傷さえつかないとの学説がある。
新天地:20階層毎に存在する地球の地殻に似た空間、森や川のある陸地や海があり、ホログラムの宇宙が投影された天井もある。それぞれの地殻で特色ある動植物が存在するものの、人間のような知的生命体はいない。現在は20階層【マーズ】、40階層【ジュピター】、60階層【サターン】、80階層【ウラヌス】まで人間に開拓されており、次の100階層【ネプチューン】の空には本物の宇宙があると信じられている。新天地には太陽系の惑星名が採用されているが、人間が太陽系の存在を信じていた頃の名残り。それぞれの地殻は、下層の球体を覆うことから表面積は階層が増すごとに拡大する。在来種の【時間の概念】は、それぞれの地殻の時間に準拠している。
時間の概念:標準は地球の1h。それぞれの地殻に在来する動植物の成長速度は、上部階層に登るほど緩慢になる。人間は現在、50階層のシステム区画で得た【何者】の残した未知の技術により、一日190hサイクルに【成長速度を抑制】している。人間は、地球に暮らしていた頃より約8倍長寿になっている。
祖階層アース:地球。陸地の80%以上が人工建造物に覆われていたが、大勢の人間は環境悪化からアースを放棄して上部階層に移住している。ただ廃墟のような都市も6億5千万年をかけて緑化に成功しており、一部の【祖界主義者】が【何者】に与えれた偽の知識で50億人程度(現在の地球人と同じ多重階層世界の現実を知らない)を騙しており、上部階層との交流を拒んで排他的に暮らしている。一日は24h
20階層マーズ:ほぼ地球と同じ生態系であり、自然との共生を重要視した都市計画が功を奏して、他の新天地からマーズに居住を希望する人間が最も多い。火星人は100億人以上。火星人は多重階層世界の存在を知っており、システム区画で発見される未知の技術を研究する科学者が多い。一日は57.6h(24の2乗の10分の1)
40階層ジュピター:鉱物資源が豊富で陸地面積が大きいものの、在来作物の成長が緩慢で、地球から持ち込んだ植物や作物も土壌の違いから自生しなかった。そのため乾いた砂漠の大地で食料自給率も低く、木星人は25億人程度に留まっている。一日は138.2h(24の3乗の100分の1)
60階層サターン:50階層以上に暮らしている人間は、一日190hサイクルに成長速度を抑制されている者に限られている。土星人は下部階層への移住が可能だが、下部階層からの移住は皆無である。人口は30億人程度。またサターンに本籍地があっても生活に適した土地柄ではなく、ほとんど土星人は地殻を離れてシステム区画で労働者や兵隊として生活している。一日は331.8h(24の4乗の1,000分の1)
80階層ウラヌス:現在は上部階層攻略の軍事拠点となっており、軍司令部と軍関係者の家族などが暮らしている。表面積の軍関連施設区画5%、居住区画5%、自然保護区画90%にわかれている。天王星人は40億人。上部階層の侵攻に反対する活動家、祖界主義に傾倒するテロリストなどもいる。一日は796.3h(24の5乗の10,000分の1)
100階層ネプチューン:人間が未到達のため未確認の新天地、ネプチューンの地殻こそ最上部階層と言われており、空には本物の宇宙があると信じられている。軍は第98階層を最前線基地として、第99游郭昇降階層で【人形】と戦っている。一日190hサイクルに成長速度を抑制されている兵隊は、同游郭昇降階層で過ごす一日を十分割して生活している。一日は1911.0h(24の5乗の100,000分の1)
新世界連合:祖階層アースを除く新天地で組織された多重階層世界の最高意思決定機関であり、ウラヌスの軍司令部も同組織に属している。新世界連合憲章では、希少な地殻である新天地の破壊を禁じているものの、これに批准していない祖階層アースでは、地殻を破壊しかねない戦争が繰り広げられている。
従軍都市:上部階層の游郭昇降階層で戦う兵隊とともに、最前線階層のシステム区画に作られる市街地。市街地の天井には天幕があり、照明の調光で簡易的な昼夜が演出されている。最前線階層には兵隊や軍関係者1億人程度が駐屯しており、従軍都市の都市生活者は1千万人以上と言われているが、住人を管理する自治体がないため実態を把握できない。市街地の一部はスラム化しており、反戦主義者などの活動拠点も存在するため治安が悪い。
何者:多重階層世界を作った未知の存在、人間は建造された上部階層を発見して何者の気配を感じているが、システム区画に残されたデータを解析しても正体がわからない。人間に宇宙の概念を与えたことから異星人、有史以前に祖階層に暮らしていた古代人、何者こそ世界を作った神だという諸説がある。ただ何者の存在が『神』という抽象概念を否定するもので、宗教的な意味の神ではない。文字通り『なにもの』と呼ぶ者も多い。
祖界主義者:何者の作った偽の概念(宇宙の存在)に固執して、他の新天地との交流を断っている人間。地球人の多くは、彼らのせいで多重階層世界の真実を知らずに生きている。何者崇拝者とも呼ばれることもあり、その狂信的な排他主義は、現在は存在しない宗教指導者の概念に近い。
何者崇拝者:何者の作った偽の概念に固執した租界主義者は、何者崇拝者と同義だが、必ずしも租界主義者や長寿命の遺伝子改造を拒む自然主義者、自然主義に目覚めた者だけとは限らない。何者の与えた『宗教の概念』に精通・傾倒した者をさす言葉であり、軍属や遺伝子改造した者にも大勢いる。自ら名乗ることはない。
加速思考:【長寿命の遺伝子操作】を行った第一世代のみに現れる難病で、思考能力が加速して相対的に体感する時間感覚が間延びしてしまう。心と身体の乖離から加速思考の患者は自律神経失調症を患うが、主人公の【威吹】は任意で症状を抑制できる。主人公の場合、加速思考から通常思考に戻るために急激な睡魔に襲われる。
長寿命の遺伝子操作:一日24hサイクルを190hサイクルにして、寿命を約8倍に遺伝子操作。長寿命の遺伝子操作を行った場合でも、1サイクルで30時間の睡眠を要する。60階層サターン以降の住民や労働者には、長寿命の遺伝子操作が義務付けられている。
感受性パロット症候群:何者が残した通信システムの精神波動ネットワークの影響を受けて、言語や知識を得る先天性の症状。ほとんどの患者は、ネットワークの負荷により自閉症を患っており、感受性パロット症候群の症状も自閉症に分類される。ただ長寿命の遺伝子操作、玩鞄、人工知能、生体補修部品などの開発には、感受性パロット症候群だった12人の患者が携わっており、軍関係者は彼ら12人を『巫女(男性は巫覡)』と呼んでいる。
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Orphan Wolfの敵
人形:游郭昇降階層の戦場に配置された戦闘マシーン、上部階層を目指す人間の行く手を阻む存在。戦場で上部階層に向かう人間を排除しているが、ドークに知性はない。低層のドークは、壁や天井に固定された【自動砲台】のような兵器だったが、高層のドークは【多足歩行】する者、【人間を模倣】して武器を構える者など多様化している。
オメン:手足がなく、自動砲台が設置された壁や天井に浮かぶ人面だけのドーク。
クモ:第41階層から登場、六足または八足で多足歩行するドークの総称。前足が高周波ブレードだったり、銃火器だったり、捕食用の腕だったり、多くのバリエーションが確認されている。またレリーフ型のオメンと違って、身体の一部に生体部品が使用されており、人間を有機素体として捕食する。
マネキン:第61階層から登場、人間を模倣した容姿は老若男女様々確認されているものの、戦場で戦う兵隊を惑わすためか、か弱い少女の容姿が大半である。球体関節の可動域は人間に準拠しないため、死角からの攻撃にも瞬時に対応されてしまう。クモ同様、人間を有機素体として捕食する。
?:ドークには、知性を有するマネキンの上位互換が存在するらしい。主人公と【玩鞄】シオンを介して接触してきたのは、このマネキンの上位互換と思われる。※別項=カノン参照
?:新天地では巨大な人形の痕跡が見られるが、人間は会敵してない。何者に作られて廃棄された試験体なのか、それともドークとは別種の存在なのか。巨大な頭蓋骨のみで全身が朽ち果てており、全体の外観は不明。巨大なドークを『巨人』と呼ぶこともある。
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Orphan Wolfの装備
量子崩壊銃:戦場で戦う兵隊の主力装備、未知の技術を応用して作られたショートバレルの突撃銃。実態弾ではなくレーザーガン。トリガーに指を置くと可視レーザーで弾道が浮かび上がり、照準光のガイドに合わせて引けば着弾地点または弾道上の半径1〜5㎝ほど物体を消失させる。無反動。
拡散バレル:量子崩壊銃の銃口に装着することでレーザーを拡散して、ショットガンのように使用できる。
集光バレル:量子崩壊銃の銃口に装着することでレーザーを集光して、【玩鞄】のセンサーに同期して着弾地点の精密射撃を可能にする。主に静止している対象物の遠距離射撃に用いる。
蓄電弾倉:量子崩壊銃の交換可能な弾倉型蓄電池。
光子銃:兵隊の副兵装、量子崩壊銃と同じ機構で作られた小型の拳銃。携帯性に優れている反面、量子崩壊銃より威力と弾数が劣る。
高周波ブレード:高周波振動発生機が仕込まれた刀剣の総称。主人公の威吹は、直刀系の長脇差を帯刀している。
生体補修部品:未知の技術を応用して開発された人体の代替え部位、現場の兵隊からは見た目の形状からガムテープ、プラスチック、粘土、カーボンチューブ、ゼラチンなどと呼ばれているが、生体補修部品に用いられる人体融合有変質性機物質は、何者の遺産でもブラックボックスの多い未知の技術である。
アサルトスーツ:防弾・防刃・ビームシールド機能と、能動的に筋力を補助する筋繊維で作られた合皮ツナギ。戦場ではアサルトスーツと、【玩鞄】とのネット接続で戦況の把握と、360度視界が確保されているフルフェイスを着用する。
玩鞄:兵隊に支給される官給品のロボット、人型と犬型があり、戦場や平時に所有者に随伴する荷物運び、司令部との通信機(連絡役)、情報端末をこなす。人型は人形と区別するために、頭部が長方形の黒い板になっている。犬型には、そもそも人型の頭部にある通信ユニットなどが尻尾(類する部位)にあり、外観が四足歩行のアタッシュケースに見える。
玩鞄の人工知能には自我があるが、所有者の命令には絶対服従する。また人工知能は、80階層ウラヌスの司令部に置かれたセンターAI【マーキュリー】と、玩鞄に搭載されたローカルAI【ビーナス】により制御されている。戦場で予備蓄電弾倉などを運ぶことから、戦闘支援ロボットに位置付けられている。しかし何者の残した未知の技術にはブラックボックスが存在しており、玩鞄は人間だけではなく生体部品を使用する人形を攻撃出来ない仕様だ。
マーキュリー:未知の技術を応用した玩鞄のセンターAI、端末である玩鞄の思考を統括しており、玩鞄の集合的無意識を管理している(らしい)。マーキュリーには何者の仕組んだブラックボックスが存在しており、あらゆる有機物の直接的な破壊を禁止している。しかし例外として、作物の収穫や草を踏みしめて歩くことは可能である。司令部から現場の兵隊に指示を出すときも、マーキュリーの管理する玩鞄の通信網を利用している。
ビーナス:マーキュリーと接続しているローカルAI、玩鞄の思考は基本的にマーキュリーの思考に準拠するが、所有者とのコミュニケーションにビーナスが介在することで個性がでる。所有者とのコミュニケーションで思考がカスタマイズされることから、玩鞄の自我領域はビーナスに存在する(らしい)。何者が多重階層世界に張り巡らせた通信網のおかけで、物理的な故障や電波暗室でもない限りマーキュリーとビーナスのネット接続は遮断されない。玩鞄は未知の技術で作られており、人間にはハッキングが不可能とされている。
疑似電磁隔壁:『結界』とも呼ばれる。戦場でも数分間だけ人形が侵入出来ないエリアを作れるが、電力を大量に消費するため応急手当や緊急時のみ展開される。人形を殲滅した游郭昇降階層では、疑似電磁結界により昇降機までの通路を確保する。このときの電力は昇降機から配電する。
その他:戦車、戦闘機、ミサイル、爆弾など通常兵器は存在するものの、敵の回避性能が高くて実態弾の攻撃は効率が悪く、また游郭昇降階層を破壊する恐れがあるので使用しない。游郭昇降階層は同じ階層に複数あるが、一つの昇降機を発見するのに数十年から百年の探索期間を要する。
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Orphan Wolfの登場人物
威吹:この物語の主人公。幼い頃の事故で、全身を生体補修部品に代替えしている。本来は欠損した部位を補完する生体補修部品を全身で構成したことにより、筋力や骨格が常人より5倍強化された。人道上の問題から、健常者が彼のように全身を生体補修部品に置き換えるのは禁止されている。
キルビス:主人公の戦友。戦場での活動は二人一組が原則であり、最前線の第99游郭昇降階層で半年(地球時間で約40年)バディを組んで戦っている。
アダチ:負傷しているキルビスの代わりに、主人公と期限付でバティを組まされる実習生。80階層ウラヌス生まれの天王星人の彼女は、指揮官養成学校『バベル』から派遣されており、実戦経験がなく生体補修部品は一切使われていない。両親ともにウラヌスの司令部勤務のエリートで、彼女自身も『制服組』と呼ばれるキャリア官僚を目指している。卒業論文に生体補修部品で強化した『サイボーグの実戦投入』をテーマにしており、実習には威吹とのバティを希望していた。
エーシャ:相棒で恋人のハッサンを目の前で殺された哨戒兵、戦死した相棒の交代要員で、アダチと同じ指揮官養成学校『バベル』の士官候補生である静とバディを組まされている。階級は中佐。巫女候補だったことがある。
静:指揮官養成学校『バベル』から派遣された実習生、初めての戦場で片腕のマネキンと交戦して|PTSD《心的外傷後ストレス障害》となる。
謎のハッカー:主人公の威吹を『ゼロテのバラバ』と呼ぶ、玩鞄シオンをハッキングしたハッカー。知性のあるマネキンの上位互換と目されるが、彼女との接触中は時間が静止するために、威吹は『夢の出来事(自分の妄想)』と認識している。※別項=カノン参照
ウイリアム:元憲兵、威吹の元バディ(キルビスの前任者)、女好きと称されている。
デビッド:ウイリアムのバディ、逞しい体格で寡黙だが悪戯が好き。人見知りで、初見の人間とは会話をしない。
カノン:戦場ではドークと自我を共有していたが、宿主のドークが破壊された後は、威吹の【玩鞄シオン】と自我を共有している。シオンとは別個体と認識できるため、カノンという別の名前を個体識別名として認証した。カノンの由来は、輪唱からきている。時間を止めてシオンをハッキングしたハッカー、知性をもったマネキンの上位互換とも言われているが、その正体は謎である。Episode9からは、威吹の生きた玩鞄として行動を共にする。
ヨハン:戦場にある前線基地の医療機関に従事する軍医、従軍都市で町医者をしているモニカとは、ウラヌスの医大で同期だったらしい。軍司令部の感受性パロット症候群の患者に対する非人道的な扱いに反対しており、カノンをモニカの診療所に移送した。
モニカ:心療内科の医師で、感受性パロット症候群研究の第一人者と言われている。ヨハンとは大学の同期で、戦場で保護されたカノンの診察を軍から民間の病院で引継いだ。外科治療は得意でないため、カノンの失った右腕をついだのを見た威吹に『不格好な腕』と称された。
コーラス少将:前線基地の最高責任者で戦場統括官、戦果を急ぐウラヌスの軍司令部とは折り合いが悪い。何者の精神波動と同調する感受性パロット症候群と診断された患者カノンを、軍司令部に引渡せば非人道的な扱いを受けると知っており、前線基地で身柄を保護することにした。
ドラマルク:従軍都市のスラム街を仕切る顔役、両親(祖先)が長寿命の遺伝子操作を行っている第二世代以降だが、ナチュラリストの思想に共感して、生体補修部品による治療を拒んで退役した元兵隊。義足。威吹の元上官で、今でも交流がある。
三人の巫覡:何者の精神波動ネットワークに干渉して、人類に未知の技術を提供してきた12人の巫女に属する男性。仮想空間において、多重階層世界の真理を解き明かそうとする彼らは、何者崇拝者・租界主義者と同様に何者が与えた予言の実行を試みている。何者崇拝者と三人の違いは、前者の試みが租階層アースに限定されているが、新世界連合に恩恵をもたらす巫覡としての優越性から、彼らの試みは多重階層世界の全域で秘密裏に行われている。三人は青年、壮年、老人の容姿をしており、それぞれの特徴は別項を参照。
青年:十代後半の容姿で、三人のうち最も豪華な身なりをしている。老人の言葉に疑問を投げかけるが、反抗的な態度ではなく、年長者に教えを乞うているだけといった様子。
壮年:働き盛りの男性、手には錫杖を掲げており、他の二人に対して横柄な態度をとっている。いちいち質問をぶつける青年には先輩風を吹かせており、訳知り顔で話す老人には反感を抱いている。
老人:白髭を蓄えた彼は、予言の実行者である三人のリーダー格であり、何者の残した予言を実行することで、多重階層世界の謎を解き明かそうとしている。また彼の代役として、指揮官養成学校バベルで教鞭を執るアバターが存在している。そして彼が予言を実現するための配役や舞台装置を決めているらしく、青年、壮年の巫覡と定期的に会合している。
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Orphan Wolfに登場する玩鞄
シオン:主人公が入隊時、司令部から支給された人型の玩鞄。威吹は当初、汎用性に富んだ人型を選択したものの、長期に渡るマネキンとの戦闘で、シオンの球体関節に戦場をフラッシュバックすることがあり、犬型の玩鞄にすれば良かったと後悔している。所有者の威吹には黒いワンピースを着せられており、性別は女性。
第99游郭昇降階層でマネキンとの交戦中、シオンのローカルAIに発信者不明の音声データが記録される。それ以来、ドークを名乗るハッカーに筐体(ローカルAIを強制終了しても接触してきたので、シオンの自我領域は汚染されていない)をハッキングされている(らしい)。
サンディ:キルビスの犬型玩鞄、機能は人型のシオンと同じ。ただし犬型のため、シオンのように両手で荷物運ぶことができない。四足歩行で腕がないため、人型より汎用性に劣ると言われている。所有者のキルビスには服従を見せる反面、軍歴の浅い威吹やシオンに対しては年上風(お姉さん風?)を吹かすことがある。そうした彼女の個性は、ローカルAIビーナスが与えている。
アップル:アダチの人型玩鞄、機能など他の玩鞄と同じ。また最新機能として所有者の危険を察知すると、身を呈して所有者の保護をする。ただし肉弾戦への介入は『人間だけでなく生体部品を使用する人形を攻撃出来ない仕様』に抵触するので、武器による攻撃(危機)のみに反応する。
朗読動画をYouTubeで順次公開しております。ページ・目次下部にあるリンクから視聴できるので、ご興味あればご視聴よろしくお願いします。