4節(3) ブラッドオーガ襲来(3)
side アリシア
オーガ達の足音が聞こえる。木々を薙ぎ倒しながら凄い音を立てながら追ってきている。おかげで進路上の邪魔な魔物とかは逃げ、かなりハイペースに森の中を走れている。
一刻も早く遠くに行かないと!
混乱から立ち直った冒険者達がオーガに向かってくるかもしれない。そうなると厄介なことになる。
誘導するペースはルーちゃんが合わせてくれている。後はあたし達の足次第だ!
かなり森の奥に入った。ここからなら馬車は見えないだろう。
「そろそろ、頃合かな」
あたしが止まると同時にルーちゃんは反転した。
ガァ!?
不思議そうな顔をしたブラッドオーガの首から上がずれていく。ルーちゃんが刀で一閃したのだ。刀を取り出したところや刀の軌跡なんか相変わらず全く見えなかった。
ホント、自信なくしちゃうなー!せめて、普通のオーガでは貢献しよう。
「待って」
駆けつけようとしたあたし達に静止がかかった。
「どうしたの?」
「言いそびれていたけど、他の2体もブラッドオーガにしてから倒そう。折角だしレア素材集めをしよう」
「そんなこと出来るの?」
「うん。全匹特殊なスキル持っているから、それを利用すればね。次のはもう条件クリアしているから後は進化完了まで待つだけだよ」
「そっかー。あたしはそれでもいいかな。希少な素材ってのは採れるときに採らないと」
「妾もそれでいい。今後の事を考えると希少な物は集めれるだけ集めたほうがいいわ。特殊な儀式だと何が必要か分からないからね」
「それじゃ、少し時間がかかるから2人は休憩してて」
「妾達だと足手まといになるだけだね。分かった、そうさせてもらうね」
「おっけー。あ、休憩がてら解体しておくよー」
「それ良いわね。分かった、少し離しとくね」
あの冒険者達を壊滅させた魔物達相手にこの対応……ああ、あたしも少し感覚が麻痺してきているのかも。
舞うように回避し続けるルーちゃんを横目に解体作業を開始する。まずは血抜きからだ。魔物の血も使い方によっては立派な素材になるので、エルちゃんの魔法を使って集めておく。エルちゃんは今結構悩んでいるようだから、何か作業をして気を紛らわせるのがいいだろう。
大きい図体しているだけあって、解体には凄く時間がかかった。
1体目が終わる頃には、ルーちゃんは全匹倒し終えていた。
「今終わったわ。予想以上に変化まで時間かかっちゃった」
「お疲れー。こっちはやっと1体目が終わったところだよ」
「この場を離れたほうがいいんじゃない?妾達がこんなところに居たら・・・」
「・・・そうね。わかった。残り2体は後で解体することにして、【亜空間】に収納しておくわ」
【亜空間】内なら時間経過で痛んだりしない。後で時間がある時にでも解体することにして、移動することになった。
ルーちゃんが見つけた野宿できそうな箇所を目指して、森の中を歩いていく。
「少し気になることがあるんだけど……」
「何?」
「さっき、森の中に誘導してたとき…途中ぐるっと迂回した箇所あったんだ」
「偶然なんじゃない?」
「初めはそう思ってた。だけど、今も真っ直ぐなルートで進んでいる筈なのに、気付いたら曲がりながら向かっているの」
「木が多いからとか地形的な問題じゃないの?」
「【マッピング】や【時空間掌握】なんかを使いながら進んでいるから、そういうのは関係ないの」
「だとすると、この森に何か有るって事?」
「ええ。自慢じゃないけど、私って能力が高いでしょ?その私にさえ、気取られないような何か――おそらく結界があるのよ。見つけられたのは本当に偶然ね」
「いかにも秘境って感じだね。調べる価値はありそう」
「そうだねー。変なスキル持ってた魔物がいたのも気になるし、徹底的に調べよー」
まだこの森は国内だ。もし原因があるなら、何としても取り除かないと。これでもあたしはこの国の騎士なのだから。
ご清覧ありがとうございました。
最近更新が遅くなっています。すみません。
読み易い文章って何だろうって調べたりしてたら、いつの間にかゴールデンウィークに入っていました。ま、ゴールデンウィークって言っても今日まで仕事してたんで微妙ですが……
読み辛いのはフォーマットのせいかもと考え他の方の文章を見たのですが、いまいちフォーマットでは改善点が見つかりませんでした。強いて上げるならば、字の大きさを大きくするぐらいでしょうか。後は一度の更新の字数を今回ぐらいに少なくするでしょうか?(こちらは正直微妙)
文章的なこととしては、もう少し文章を短くするでしょうか?あまり短すぎるのは良くないですが、ライトノベルを見ると若干私の文章は長いのかなと思いました。
1人の感覚で判断するのにも限界があるので、改善点とか気軽に書き込んでくれると幸いです。
P.S. 明日は約束で出かけますが、明後日は完全に休みなので頑張って書き溜めたいと思います。ほんと、最近更新おそくて申しわけない。