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異世界転生からの世界革命  作者: アーシャ
第2章 ウィルルアルトの幼児期
30/52

9節(2) 眷属契約 (2)

第2章9節の改訂版(15/2/15)です。


分割した2番目です。

side ルーシャ



 思っていたよりすんなりと、契約の儀式は終わった。今のところ体に目立った変化は起きていない。耐え切れずに状態異常に陥る場合もあるので、少し不安だったけど問題なくなれて満足している。


 私、ルーシャはウィルルアイト・スヴュートの眷属になった。

 ウィルくんは最後まで私が後悔しないか心配していたけど、私はそんな気持ちは全くこれっぽっちも沸かない。この契約は大きな危険性を孕んでいるのは理解している。けど、眷属主がウィルくんなら問題ないと思うし、私が力を付けるためにも有用なのは間違いない。なので、不安になる必要性を私は全く感じていない。


 私は弱い――その事さえも、ウィルくんのパラメータを見せてもらうまで分からなかった。


 私は兄弟の中では、一番パラメータが高い。

 スキルの数ではお兄ちゃん達に負けるけど、向き不向きがあるんだしこれでいいやと思っていた。


 でもウィルくんは違った。

 パラメータでもスキル数でも、私達兄弟を圧倒していた。それにただスキルが多いだけじゃなかった。見慣れないスキルの説明を聞くと、とても緻密に計算されていることがわかった。


 私も同じシャルロットおばさんの後継者候補だ。負けていられないと意気込んだものの、ウィルくんのようには中々なれなかった。シャルおばさんが眷属の話をしてくれたのは、そんな時だった。


 "眷属契約をしようと"、言った時のウィルくんの顔は傑作だった。"本当に意味を分かってるのか"と相当必死に質問していたとき、私はウィルくんとなら絶対に大丈夫だと確信した。


 閑話休題。


 そして現在、眷属の機能を確かめている真っ最中だ。


「体に異常はない?」

「うん、問題ないかな」

「なら、次は……」


 ウィルくんと手をずっと握っていて少し恥ずかしい。


 眷属スキルというのは主が配下の眷属に設定するスキルで、主が覚えているスキルの中から設定できるものだ。

 今までの検証で、現在の私達が設定できるスキル数は1個で、スキルレベルは主との結び付きが弱いと低下することがわかっている。

 だから、魂の結び付きがまだ弱い私達はこうしておかないとうまく眷属スキルが使えない。そのうち握らなくても出来るようになれると思うけど、それはそれで少し寂しいな。


「【技能統制】をセットしたから、起動して【技能統制】取れないか試してみて」

「わかった」


 【技能統制】はウィルくんが作ったスキルだ。

 ウィルくんは生後半年からスキル作成をしていたらしい。もうビックリだよね。

 そしてこの【技能統制】だけど、スキル効果が無茶苦茶だと思う。だってさ、パラメータなどを自由に成長させるだけじゃなく、伸びを上方修正する効果まで付いているんだもん。ウィルくんも成長の基盤にこれは外せないって言っていたし、相当強力なスキルだ。


「項目に表示された?」

「う……ん、されない」

「そうか。んー、あ、効果をさ、もう一度詳しく説明するから覚えて」


 ウィルくんがいつもより詳しいスキルの説明をしてくれます。ああ、いつ聞いても凄いスキルです。


「もう一度、取れないか試してみて」


 これで取れるようになったら苦労しないと思いま――――って、ちょっと待って。急に取得できるようになっているんだけど!!


「取得できるようになったわ。なんで??」

「あーとりあえず、説明は後。いくらSPが必要?」

「1000もいる……」

「1000ね。っと、多分これで渡せたと思うけど、どう?」

「え?嘘、1000ある」


 1000SPがどれ程の経験値なのかは分からないけど、【身体強化】をレベル1から2に上げるのに必要なSPが20なのを考えると、相当多いのだけは分かる。それをポンとウィルくんはくれました。


「ウィルくん本当にこんなに使ってもいいの?」

「あー、そっかルーシャは僕のAPやSP量を知らないんだったね」

「うん。ステータスプレートには載らないし、スキル持ってないから見れなかった」

「えっと、僕のSPは現在1千万ほどあるから気にしなくていいよ」

「ええっ?!」

「普段から稼いでるからね。ああ、一度に大量に渡さない理由だけど、問題があるかもしれないから今は様子見ながら渡してるんだけど――ダメかな?」

「い、いえ……それがいいわ」


 ウィルくんってやっぱり凄いなあ。暇さえあればスキル訓練しているのを見ていたけど、コツコツここまで貯めているなんて。私も今日からしてみよう。後でウィルくんに方法を聞かなくちゃ。


「習得できたわ」

「おめでとう。よし、これでAPとかSPが表示され、手動で操作できるようになったと思うから確認してみて」

「本当、ステータスに表示されている。でも、0だけど……」

「それは仕方ないよ。自動で即分配されていたんだから。よし、次は少しSP多めに贈るから異常を感じたら直ぐに言ってくれ」

「了解」


 その後、私はウィルくんの指導通りにスキルを覚えていった。色々聞いてたら、取る順番も大事なんだと分かった。

 ウィルくんはあんなに沢山のSP何に使うのだろうって思っていたけど、スキル作るときのこと聞いてあれでも足りないことに驚いた。

 ホント今日は驚くようなことが沢山ある日だ。




side ウィルルアルト・スヴュート



 俺とルーシャは眷属契約をした。


 ルーシャは自我が完全に目覚めてから1年しか経っていない。

 こんな重要な事を経験が浅い今のルーシャの意志に従って決めてしまって良かったのか疑問は残るが、もうした以上は俺が全力でサポートしよう。それに、解除できた事例がないだけで、相当難しいが解除できるかもしれない。もし必要に迫られたら、相当大変だろうが俺がなんとかすればいいだけのことだ。


 眷属契約には、予想通りSC(魂魄容量)が必要だった。

 おそらく、一門を新規定義するのに1万SCが消費されたのだろう。高レベルの【限界突破】などでもSCはMPみたいにコスト消費されることを知っていたので、結構沢山用意していたが――まさか、こんなに使うとは予想外だった。失敗したかもと思うと、もうヒヤヒヤもんだ

 そして、霊的パスの維持にもSCが必要なのもわかった。契約前後で、俺とルーシャはそれぞれ占有SCが100増加しているからだ。職業『戦士』とかの占有SCが5SCなので100もあれば足りるんじゃないかと楽観視していたので、もう今は無事に終わった奇跡に感謝したい。


 俺は今、ルーシャに絶対に覚えておいた方がいいスキルを伝えている。どのスキルを取得するかは前日までにルーシャと母さんと3人で協議して決めていた。


「これで、全部かな」


 俺はメモとルーシャのステータスを比較しながら、習得もれがないか確認していった。


=======================================

ルーシャ   Lv.1  人間族・女 2歳

 職業:神凪[1]

 称号:探究者

□AP 0   □Exp  0/100

□SP 26500 □SC  200/200


HP: 989/989 MP:  1321/1321

STR  204  INT   328

VIT  225  MEN   361

DEX  263  AGI   259


スキル一覧

 <システム系統>

 【技能統制】【隠しパラメータ可視化】

 【能力擬装隠蔽】【擬装工作】【以心伝心(1)】


 <巫術系統>

 【惟神之道(1)】


 <学問系統>

 【ステファニア語(6)】


 <能力上昇系統>

 【治癒回復力】


 <武術系統>

 【身体強化(1)】


 <魔術系統>

 【魔力転換】

 【生活魔法】+


状態異常

 なし


加護

 なし


眷属主

 ウィルルアイト・スヴュート

--------------------------------


「取得もれはないようだな」

「うん。これでとりあえず第一段階終了かな?」

「そうだけど……ルーシャ、あんまり焦んなくていいからね?」

「別に焦ってなんていないよ」

「んー。十分生き急いでいるように見えるんだけどなー」

「ウィルくんと比べたら全然そんなこと無いと思うよ?」

「ルーシャはさ、俺と違って前世の記憶なんて持ってないでしょ?」

「うん」

「俺の前世の2歳のときとか、すっごく泣いて手のかかる甘えっ子だったらしいぞ」

「想像できないね。そのウィルくん見てみたい。確か検証結果次第だけど、異世界の本とか見れるんだよね?」

「ま、まあ考えておくよ」


 ルーシャ、恐るべし。確かにアルバムもデータとして格納されているけど、それにすぐ気付くなんてやっぱり凄いな。


「っと、話がずれた。能力値とかスキルとかはこれから先どうとでもなるから、今必要じゃないなら無理に取らなくてもいいと思うよ」

「でも、今覚えたスキルがあれば、これから一杯強くなれるよね?」

「うん。成長効率は格段に上がる。でも、こんなのは本当の力じゃないと思うんだ」

「本当の力じゃない?」

「前にも言ったけど、ルーシャは本当の強さを持っていると僕は思ってる。こんな付属品じゃない力をね」

「んーと、ウィルくんが考えているのがなんとなく分かったりするとか?」

「そうそう。目に見えないけど、そういうのこそが最終的に勝負を決めると思ってる」


 俺は、最終的にはその人間が持っている素養や本質なんてものが勝負を決めると考えている。そういう力を俺は求めて努力している。


 相手の気持ちを察する能力もそうだ。俺が前世で求めてやまなかった力だが、未だに俺は相手の気持ちが知りたいという願望に駆られることが多々ある。

 今はルーシャとは【以心伝心】で強制的に意志疎通ができそうだが――こういうスキルを利用するのは何か違う気がするので、そういうのに頼らずにお互いを理解し合いたいと思っている。それに【以心伝心】は同属内でしか使えないみたいだし、根本的な解決にはなっていない。


 今のルーシャは、何処か産まれたての雛鳥のような、何でも鵜呑みにしているような気がする。今回も不安になって、その部分も含めて説明をした。が、何時ものごとく、嘘ついているように見えないし大丈夫だよと返してくる。


「私達って、お互いに無いものに憧れているだけなのかもね」

「そうかもしれない。僕はルーシャに追いつかなきゃっていつも思っているし」

「そっか。ウィルくんもなんだね」

「まあ、(パラメータやスキル)が無くて出来なかったと後悔しないようになるし、パラメータとかを有ったほうがいいのは確かだけど」


 まあ、普通は眷属になって成長を促進するなんてことは出来ないんだがな。

 訓練で上がる能力値ってのは微々たるものだし、通常はレベルアップ時にしか職業レベルアップの判定がなされない。職業補正に大きな差があるか訓練を相当しない限り、同レベルで差が無茶苦茶開くなんてことはない。職業補正を増加するためにもレベルアップは欠かせない。

 だが、特定のいくつかのスキルを組み合わせることで、レベルなんて形骸化している異常な状況を作ることができてしまう。そう、ゲームとかだとバグとかぶっ壊れ性能とか言われるような能力値に簡単にすることができる。今更ながら、開発したスキルの性能はチートだと思うよ。


「と、いつまでも同じ事を話しても仕方ないよね」

「まあ、そうだな。異常は今のところ見受けられないし、次のステップに行こうか」

「何時までもシャルおばさんを待たせるわけにはいかないしね」

「うん」


 さて、次のステップに行きますか。

 第2段階は眷属の機能検証だったな。今迄もしてきているけど、本格的に一度ちゃんと調べよう。


 その後も、スキルを試してみたり、職業を増やしたりと色々とこなしていった。


 こうして、ルーシャ2歳の誕生日は過ぎていった。

 途中、トリシアさんが呼びに来なかったら、夜のパーティすっぽかすところだった。


 ルーシャもこれからは俺みたいにAPとか貯めるって言ってる。

 ルーシャは努力家だと思うからきっと凄く稼ぎまくるだろうなぁ――化け物仲間が増えそうだ。

ご清覧ありがとうございました。


久々の休暇で部屋の整理していたら……何故か大掃除することになりました。昨日から大掃除しているけど、全然片付いた気がしません。日々整理整頓を心がけないと大変って実感します。大掃除でネタを書きなぐりにしたメモ用紙とか出てきたんで、それ使えたら使おうとか思っています。多分、没にしたネタだとは思いますが…。

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