プロローグ 追いかけてくる女の子
初めまして。春のオガワです。小説は初めて書くので誤字・脱字があるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。
僕は走る。彼女から逃げるために。
「待ってよ、コウキ。私を置いてかないでぇ。一緒にこの〈相談〉を解決しよう!」
後ろを振り返ると、彼女の一つにまとめてくくっている長いサラサラとした黒髪がピョンピョンとはねていた。
あんな細い体なのになんであんなに速く走ることができるのだろうか? 体育の授業もあれぐらい本気で走ってほしいものだ。そんなことを思いつつ、前を向き走る。
僕の名前は白波幸樹霜月学園の高校二年生だ。後ろの彼女は神田桜子同じく霜月学園の高校二年生だ。僕たち二人は〈相談部〉という部活に所属している。相談部とは善良な市民の相談にのる部活(桜子曰く)のことだ。
本題に戻ろう。なぜこの僕が桜子に追いかけられているかというと、相談が来たからである。証拠に桜子は相談の内容を書く手紙を手に持っている。
「ねぇ幸樹お願い相談を早く解決しよう。この小さな時間の間に善良な市民が困ってるよ」
たとえ後ろを見なくても分かる。桜子は本気でこの相談を解決したいのだろう。そして、僕を同情させようとしているのだろう。この手には何度か引っかかったことがある。もうこの手には引っかからないと決めたんだ。この手には、この手にはぁ……!
そして僕は〈この手〉に引っかかったのだった。