人魚姫…か?
初めて投稿する作品なので、自信ないですが、せいいっぱい頑張りましたっ!
ユカ「…よかったねぇ~」
只今、アタシはお姫様や王子様がでてくるような、いわゆる<メルヘンチック>な本を見て「よかったねぇ~」を繰り返し、号泣している。
ユカ「やっぱり最後には2人が結ばれるのが決まりだよね~…」
アタシ(鈴木ユカ(15))はメルヘンが大好きだ。
理由は最後が、たいがいハッピーエンドだから。
だから、最後は絶対ハッピーエンドじゃないと許さない!…とゆうか読みたくない!
(なので!いくら大好きなメルヘンでも人魚姫とかは可哀想で見ていられないのである!)
9冊目を読み終わったアタシは今まさに10冊目に取り掛かろうとしているところだ。
本を探していると、ホコリまみれの全く見覚えのない鏡が本棚の上に置いてある。
(…あれっ?あんな鏡あったっけ?……まぁ、いいか…それにしてもキッタナイなぁ~、キレイにしようかな……アタシってば今チョー優しいっ!)
手でこすってホコリをはらってみる。
ユカ「ハァ~今日も可愛いわ…アタシ」
自分の顔に見とれていると、鏡の中からいきなり煙が出てきた。
「えっ!えっ何!?アタシの顔が可愛すぎて鏡が照れちゃった!?…………///」
…自分で言ってみて自分でテレる…。
そんなバカなことをしていると、部屋いっぱいに煙が充満してきた。
充満している煙を吸っていると眠くなってくる。ユカ「ね…眠…」バタンッ…!
…勢いよく音をたててアタシは地面にたおれた。
(ん…)
…目が覚めると、そこにはキレイな海が広がっていた。
(…何…ここ天国…?……アタシ死んだの…?)
ボー然としているアタシに誰かが近づいてきた。
(…だれっ!?…え…声が出な…)
ユカ「…っ!…っ!」
いくら頑張っても声は出ない。
そして…
(…っ!えっ!?アタシの足…っ)
ひどく痛む足を見ると…
そこには魚の尾びれのようなものが、ついてる。
(…キ…キモいッ!自分の足がなんかキモいことになってるっ!)
心の中で「キモい」を連呼してるアタシに誰かが話しかけてくる。
王子「…人魚姫…?」
(はっ?)
驚いて声のした方を振り向く。
すると見るからに王子様オーラをそこらじゅうに充満させている男性がこちらを見ている。
王子「…やっぱり!生きていたのか!君がいなくなって、ずっと心配していたんだ!」
(…何言ってんの…?この人の頭どうかしちゃったの…?)
そんなことを思っていると王子はアタシを抱き上げて歩き始めた。
(えっ…!?ちょっ…)
しばらく歩くと、王子が立ち止まった。
王子「さぁ、ここが僕のマイホームです」王子が視線をやっているほうを見ると、とても大きいお城があった。
(
でかっ!)
そんなことを思っていると王子はアタシを抱きながらマイホームの中に入っていった。(ちょ…ちょっと!)
アタシが抵抗する間もなく、王子は中に入っていき、なにやら熱く語りながら長い廊下を歩いていく。
…が、アタシは王子の話を何も聞かずに廊下を見回した。
(あっ、あれ高く売れそう…王子がいなくなったら盗んどこぉ~)
しばらく廊下を歩くと大きい扉があった。
中に入ると廊下に並んでいたものよりも高価そうなものが、いっぱいあった。
(セレブみたいだ…)
王子にイスに座るようにいわれ、イスに腰掛ける。
座ると、王子はすぐさま、どっかへ行ってしまった。
王子が帰ってくるのを待つ。
5分位すると王子がペンと紙を持ってきた。
(ん…?)
王子「君が喋れないのは、わかってる。何か伝えたかったら紙に書いてくれ」
(…じゃあ…)
<なんでアタシが人魚姫なんて呼ばれてるんですか?>
そう書いてみる。
王子「えっ…だって君は人魚姫だろ?昔僕を助けてくれたし…」
(はぁ!?助けてないですけど!?頭大丈夫!?)
<助けてません!あとアタシ、人魚姫なんかじゃないですから!>
そう書くと、王子は驚いたように喋り始めた。
「えっ…だ…だって尾ビレもついてるし喋れないじゃないかぁぁぁ!!」
(…キレられた!今コイツにキレられたよ!?逆ギレ!?)
それから何かを思い出したようにしてから王子は続けた。王子「…そーいえば人魚姫には双子の妹がいるとか聞いたことがある…君はもしかして人魚姫の双子かもな…」
(…最初から言え、バカ!)
王子「お願いだ!人魚姫を一緒に探してくれ!」
(絶対ヤだね。得することなんてないし)
王子「金は払う!」
<わかりました>
…こうしてアタシと王子の旅は始まった。
王子「…まず、始めに声を出せるようにしないとな。そのままじゃ、なにかと不便だろう。」
(いや、最初に2本の足が欲しいんですけどね…)
王子「じゃあ魔女のところへ行って声を取り戻そう!」
(えぇ!?魔女!?)
王子はアタシを抱き抱えて魔女の館に向かった。
中に入ると不気味な音が聞こえる。
王子「しっ…静かに!!」
(…いや喋れないから…てかお前が静かにしろよ…)
そんなことを思っていると王子の声が聞こえたのか奥から誰かが近づいてくる。
王子「だから静かにしろって言ったのに…」
(人のせいにしたっ!コイツ人のせいにしたよっ!?)
魔女「誰だ…」
王子「あ…あの…」
魔女「誰だと聞いている!」
王子「ヒィッ!」
カタカタカタカタ…
王子の足が、産まれたての馬のように超小刻みに震えている。
…しばらくすると魔女は落ち着いたようで…
魔女「お前の、それ…いいな…」
魔女は王子の冠を見てうっとりしている。
王子「わ、わわわわ…わかった…かかか…冠を…あげるから…こ…この子の声を戻してあげないか?
(悪の魔女が、そんなんで承知してくれるわけ…)
魔女「わかった」
(いいのかぁぁ!)
…こうして、アタシの声は驚くほど軽い代償で取り戻されたのであった。
ユカ「あのぉ…さんざん延ばしといて今さらなんですけど…王子の名前って…」
王子「あぁ、いってなかったね。僕の名前は「リオン」だ」
(なんか名前ものすごいカッコイイ!…でも、カッコイイ名前のわりに……顔は………………………ううん…言わない…!…きっと、この小説を読んでくださっている皆さんは「王子といったら、きっとカッコイイ」を想像してるハズだし…皆さんの期待を裏切っちゃダメだよね!うん!アタシ、あえて言わないでおくよ!)
王子「ん…?どした?」
ユカ「い…いえっ!なんでもないですっ!」
王子「僕の顔に見とれていたのかい?」
ユカ「…………………………。」
王子「…おい、哀れみいっぱいの表情で僕を見ないでくれ………冗談だよ…」
ユカ「…ですよねぇ!王子に見とれるなんて世界中探しても1人いるかいないか位ですもんねぇ~」
王子「…おい…笑顔でそんなこと言っちゃダメだろ…」
~それから1週間~
王子「おっ…あれ人魚姫じゃないか?」
王子の指差した方を見ると、そこには長い髪の女の人がいた。
アタシ達は女の人の方に近づいてみた。
(えっ!?尾びれないじゃん!)
どこから見ても普通の2本足だ。
王子「人魚姫…」
人魚姫「っ!その声は王子!?」
人魚姫は嬉しそうに振り返って王子を見ると表情が一変した。
(…?久しぶりに会ったのに嬉しくないのかな…?…てか、この子にアタシにソックリだなぁ…ホントに双子なのかなぁ…)
人魚姫「王子…冠は?」
(えぇ!?久しぶりに再会して、まずそこ触れちゃう!?)
王子「ゴメン…ないんだ…」
人魚姫「…っ!そんなっ…!!私は王子の冠を見て一目惚れしたとゆうのにっ!冠がない王子なんて…っ!嫌いですっ!」
(…冠で冷める愛って…)
人魚姫は、しばらくするとアタシに気づいたようで話かけてきた。
人魚姫「…もしかしてなんだけど…あなた…私の双子の方?とてもソックリだから…」
ユカ「…はい…そうらしい…ですね…」
人魚姫「やっぱり!では交換しましょう!」
ユカ「…………何を?」
人魚姫「住む世界よ♪」
ユカ「……は?意味わかんないです…」
人魚姫「…もともと、私とあなたは逆の世界で産まれるハズだったの。でも予定が狂ってしまい逆の世界で産まれてしまったの。簡単に言うと、本当は、あなたが人魚姫で私が人間に産まれるハズだったのよ。」
ユカ「え…えぇ!?」
人魚姫「お願い…もとの世界に戻して…!…そして、何の取り柄もなくなった王子から逃れたいの…」
(…なんか最後に聞いてはならない一言を聞いてしまったような…)
ユカ「…じ…じゃあ1億払ってください!そしたら交換します」
(1億なんて大金払えるわけないよね!これで諦めてくれるハズ…)
人魚姫「わかったわ。払う」
(えぇ…~なんの戸惑いもなく、わかられちゃったよー…)
…とゆーことがあり、アタシと人魚姫は住む世界を交換した。
そしてナゼか、流れ的にアタシは王子と結婚しないといけない空気になり結婚した。
なんだかんだありながらも、アタシは今を幸せに暮らしてる。
(…とゆーか法律的にこの歳で結婚ってアリなのか…?)
(元)人魚姫は人間界に行って青春を謳歌している…らしい。
こうして、皆幸せに暮らしたとさ。
~おしまい~
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