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忍び寄る影

次の日クラウスとルイスは2人で町にでた。

護衛はつけていない。

2人でいたかったから。

でも、クラウスにかえって気をつかわせてしまった。

クラウスの顔はこの国で知らない者がいないほど有名だ。

そのため、隠す事は出来ない。

だから、クラウスはさっきからまわりを警戒している。

〜大丈夫よ。

そんなにキョロキョロしてたら、かえって目立つわよ〜

するとクラウスは今ごろ気づいたのか前だけをみて歩きはじめる。

「そうだな。

普通が一番だな。

おっここだ。

この店だ。

はいるぞ」

そのはしゃぎようはまるで子供のようだ。

中にはいるとそこには沢山のアクセサリーがおいてある。

わぁ

きれい。

「今日は記念にプレゼントしたくてな。

どれがいい?」

うーん

悩んでいるルイスの横でクラウスも同じように悩んでいる。

「ホッホッ。

仲がよろしそうでなによりですな。

どれになさいますか?

どれも一点物でおすすめだよ。」

「これは、どうだ?」

クラウスがみせてくれたのは、ルビーとサファイアをあしらったかわいいネックレスだ。

かわいいけどあまりほしくない。

そう思い首をふる。

〜ねぇ。

ペアの物ってないかしら?〜

「よし。

きいてやる。」

クラウスは店長に笑いかけながら問う。

「ルイス様。

これは、いかがでしょうか?

ペアリングで片方にはアメジストがもう片方にはエメラルドを使っております」

まぁ

きれい

まるで私とクラウス王子の瞳みたい。

うんうんとルイスはうなずく。

「店長、これをくれ!」

「ありがとうございます。

今お付けになられますか?」

「あぁ。

ほら、ルイス。」

そう、言ってクラウスはルイスにアメジストの指輪を差し出す。

それを、受けとるとルイスはクラウスの手を引っ張る。

「なんだ。」

ルイスは指輪をクラウスの指にはめる。

「えっ。

お前アメジストのがほしいんじゃ?」

ルイスは首を横にふりながら手をクラウスに差し出す。

〜私はエメラルドのがほしかったの。

クラウスがアメジストのをつけて、私がエメラルドのをつける。

そう、したらいっしょにいてる気分になれるから〜

「ルイス…」

ルイスはクラウスの顔の近くまで手を差し出す。

クラウスは手をとり、指に指輪をはめる。

婚約指輪はずっとつけてられない。

でも、これなら、いつでもつけていられるね。

宝石店を出るとクラウスは次々に場所を案内してくれる。

中でも気に入ったのは広場だ。

中心には噴水があり、それを取り囲むように人々が会話をしている。

ルイスは自国で、サフラン意外とあまり話をできなかった。

だから、こういう、光景には憧れがあるのだ。

クラウスと2人歩いていると前から男の子が走ってくる。

重そうな水瓶を抱えている彼には前があまりみえないみたいだ。

ルイスはそんな様子に気遣い道をあける。

しかし、男の子はルイスの前でバランスを崩す。

次の瞬間、


バリーン


あたりの人が何事かとこちらを向く。

彼の真ん前にいたルイスはおかげでびちょびちょだ。

「ルイス。

大丈夫か?」

コクッとうなずく。

「あっあっあ…

すいません。

すいません。

ほんとうにすいません。

命でつぐないを…」

ルイスに水をかけてしまったからか彼はひどく戸惑っている。

自分の声で大丈夫だと伝えてあげたい。

そう、思いのどに力をこめる。

でも、そこからは何もきこえない。

〜私は大丈夫。

あなたは怪我をしていない?〜

そっとメモを手渡す。

彼はそれをひどく怯えながらうけとる。

「ありがとうございます。

僕は大丈夫です。

ルイス様はおやさしいのですね。」

ルイスは彼に微笑みながらも寒くて凍えていた。

「ルイス。

大丈夫か?

寒いか?

これ、羽織っとけ!」

クラウスがルイスに自分の上着を着せる。

そして、すぐにお城へと、戻った。


その時、ルイスとクラウスは気づいていなかった。

濡れたルイスの腕をみてつぶやく声に…。

「やっぱり。

あの女は12龍士だ。

メルシス様にお伝えしなければ。」


お城へ戻ったクラウスはルイスを抱き上げて部屋に戻った。

「アイラ。

入浴の用意をしてくれ。」

「どうなさったんですか?」

「町で濡れてしまったんだ。」

「かしこまりました。」

俺の上着もびちょびちょだな。

タオルかなんかで暖めたほうがいいな。

クラウスはルイスをソファーにおろして、タオルをとってくる。

戻ってくるとルイスはぐったりしている。

「悪い我慢してくれ。」

そうつぶやきクラウスはルイスのドレスを脱がしていく。

脱がしながら腕を持ったその時、クラウスは驚いて手をとめる。

さっきまでぐったりしていたルイスの意識がはっきりする。

その直後ルイスはクラウスから逃げるように腕を隠しながら浴室に行ってしまった。

どういう事だ。

たしか、この前はなかったはずだ。

なのに、どうして今はあるんだ?

あの、竜のあざは何をあらわしているんだ?

ルイス…

どうして、そんなに隠すんだ?

昔竜が出たのはステーシャとアジファーの間であるため、ミリアのクラウスは竜のあざの意味を知らなかったのである。



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