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幸せの背景につきまとう心の傷

ミリアに戻って来てからクラウスは機嫌がずっといい。

理由はもちろんルイスだ。

見つける事が出来て結婚の日程も決まりこの前渡されたメモには

〜ありがとう。愛してるわ〜

ってかいてあった。

そりゃうれしいけどここまでくるとたまに不安になる。

こんなに幸せでいいのだろうか?

そう不幸の前に幸せが来るのが掟ですからね。


今日は、クラウスとルイスの結婚式の日だ。

ミリアに来てからは約2ヶ月たちだいぶ生活にもなれた。

結婚式がはやいのはおそらく国の結び付きの問題だろう。

でも未だになれない事もある。

それは服のデザインだ。

相変わらず身体の部分を強調するデザインが多くウェディングドレスも胸の開きが目立ちウエスト部分ですごく絞られている。

でもこれだけはクラウスがゆずらなかった。

身体の形を強調するのは人を美しく見せるためだからである。

あとのデザインは何でもいいと言っていた。

なのでルイスは白い薔薇をあしらったドレスにした。

ウェーブは短めでとても大人っぽくみえる。

神父が告げる。

「では誓いのキスを」

クラウスの顔がちかづき髪の毛があたる。

クラウスはあまり考えずに軽く口付けた。

ルイスはそれだけでいっぱいいっぱいなのにクラウスはあまり気にしていない。

ルイスにとってはこれが初めての口付けだった。

「ルイス〜。」

声がきこえた所をみるとそこにはサフランとマルクがいてルイスに手をふっている。

ルイスも手をふりかけよる。

「まあ。

ルイスったら綺麗になって〜。

ドレス似合ってるわ。」

恥ずかしながらもやはりそう言われるとうれしくてルイスはニコニコしていた。

「お久しぶりです。

お義姉様。

お義兄様。」

「おー。

久しぶりだな。

元気にしてたか義弟くん。」

「えぇ。」

「ルイスの様子からして幸せそうでよかったわ。

心配してたの。」

「大丈夫ですよ。

約束しましたから。

幸せにするって」

「まぁ。

いいわねー。

こんなに大切にしてもらって」

ここでルイスは気になっていた事をたずねる。

〜エリザベスお姉さまは?〜

「エリザベス?

来てるわよ。

たぶんそこらへんにいるて思うけど…」


ドンッ


やばい。

倒れる。

誰かにぶつからられて転けそうになったルイスをクラウスが支える。

「大丈夫か?」

「えぇ」

ぶつかってきた女のひとがふりむく。

エリザベスお姉さま!

「お久しぶりです。

クラウス王子。

お元気でしたか?

私、すごく会いたかったです。

ルイスなんてやめて私と結婚しません?」

むっかー

ルイスには他愛ない会話がイチャイチャしている様にみえ、エリザベスにわざと体当たりをしてみる。

しかし、ぐらついたエリザベスを支えたのはクラウスだった。

「ありがとうございます。

クラウス王子。」

「ルイス。

お客様に失礼だ。」

なっ

何よ。

クラウス様のバカ!

ふんっ

しーらない。

ルイスはクラウスの態度に怒って行ってしまった。

ほんとはわかってた。

どうしようもなく妬いてる事くらい。

「ルイス様。

よろしかったら少しお話でもいかが?」

知らない女の人に話しかけられる。

どうしよ…

メモなんてだせないし…

悩んで困り果てたルイスの前に人影があらわれる。

「すいません。

我が后はもうつかれてしまったみたいで。

失礼します。」

クラウスだ。

助けに来てくれたんだ。

「妬いてんなよ。

もう行くぞ。」

クラウスはルイスの肩を支えながらお城の中にはいっていく。

〜いなくなっちゃ。

困らない?〜

「大丈夫だ。

国王に話はとうしてある。

もう時間も遅いしな。

部屋に戻ろうぜ。」

今まで部屋はとなりだったが今日からは同じ部屋だ。

クラウスは着替えるとすぐにベッドに寝転がる。

「うん?

どうした?

こいよ」

どうしよ…

寝るって…そういう事よね。

まだ心の準備が…

いつまでも来ないルイスにクラウスはもう一度声をかける。

「どうした?」

何も反応がない。

「何もしないから来いよ。

共に眠るくらいいいだろ?

夫婦なんだから。」

そのこえにやっとルイスが動く。

そりゃ跡継ぎも生まなきゃなんねぇ。

けどルイスは声さえでねぇ。

そんな奴になんか出来っかよ。

変に意識させやがって。

ルイスがベッドの端っこに寝転がる。

ケンカしてる夫婦かよ。

はぁ。

クラウスはルイスに近づき抱きしめる。そして、前から気になっていたことを確かめる。そうルイスの腕に竜のあざがあるかないかだ。

幸いルイスは抱き締められている事に気をとられ気づいていない。服の袖をまくる。でも、そこに竜のあざはなかった。

「おやすみ。ルイス。」

そして、さまざまな思いを胸に二人は眠りについた。


ルイスは夢をみていた。

ルイスの横にはクラウスがいる。

しかし、いきなりクラウスは女の人の手をとり行ってしまう。

「待って。

待ってー。

クラウスー」

目が覚めたルイスは手探りでクラウスを探す。

でも、そこにクラウスはいない。

どこっ

どこにいるの?

辺りを見回すがそこにクラウスの姿はない。

その時浴室の扉がひらきクラウスがでてくる。

ルイスはせいいっぱい走りクラウスに抱きつく。

濡れていようと気にせず抱き締める。

「おい!

どうした?」

抱きつきながら震えているルイスにクラウスは笑いかける。

「怖い夢でもみたか?」

〜いなくなるかと思った〜

「ハハ

大丈夫だ。

俺はルイスの側にいる。

これからもずっと。」

この日クラウスはルイスの心の傷の深さをしった。


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