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会えない日々のはじまり

「ねぇルイス。

急にどうしたの?

ケンカでもした?」

ステーシャに戻ったルイスはサフランからの質問ぜめにあっている。

〜ちがうわ。

クラウス王子が、今仕事が忙しいから今のうちに里帰りしたらって。

いってくれたから〜

「あら。

そうなの。

だったらゆっくりしていきなさい。

それより、ミリアの町を案内してもらったんでしょ。

くわしく、きかせなさいよ〜」

全部メモにかけと?

手が疲れるわよ。

「まぁまぁ。

サフラン。

そんなに質問責めしたら可哀想だろ。」

「あらマルク。

いたの?

でもマルクもききたいでしょ?」

希望の目をマルクに向けるルイス。

「まぁな。

でも、話せるようになってから

たっぷりきかせてもらうし」

お義兄さまー

ルイスは喜んでマルクに抱きつく。

「ちょっとルイス、何してるのよ〜」

「そうだよ。

ルイスちゃん。

義弟くんがみたら妬いちゃうよ?

今のサフランみたいに」

笑顔で言うマルクとちがいサフランは怒りに満ちている。

「なんですってー」

そんな2人をみながらルイスは笑っていた。

すると2人は驚いた表情でルイスを見つめてくる。

首をかしげるルイス

「ルイス、自然に笑えるようになったのね。

よかったわ。」

ほんとだ。

笑えてるんだ。

ルイスはクラウスと過ごした日々のかけがえのなさを実感した。

3人で微笑みあっているといきなりドアがひらく。

「フン。

いいご身分だこと。

クラウス王子もあなたみたいな子に未だに惚れてるなんて、たいしたことないのね。」

いきなりはいってきたエリザベスはルイスに嫌味をつげる。

その一言にルイスは震えている。

「ちょっとエリザベス。やめなさいよ。」

私の事を悪く言うのはかまわないけどクラウス王子の事を侮辱するなんて、許さない。

ツカツカ

ルイスはエリザベスにむかってまっすぐに歩きはじめる。

「な、何よ?」

パンッ

部屋中にひびきわたる。

エリザベスは驚きながら頬をおさえている。

〜クラウス王子を侮辱しないで。

彼の事を悪く言うのは許さない。〜

ルイスの気迫におされたようにエリザベスは何も言わずにさって行った。

パタン

急に足から力が抜けその場に座り込む。

ハァ

私、なんて事をしちゃったんだろう。

手をあげるなんて最低よね。

そんなルイスとは裏腹にサフランは尊敬の眼差しをむけてくる。

「よくやったわ、ルイス。

さすが私の妹よー」

「何言ってんだ、サフラン。

ルイスちゃんもお手柔らかにね。」

なんて、ふざけているとまたドアがひらいた。

「おかえりなさいませ。

ルイス様。

国王様がお呼びです。」

もしかしてもうばれてる?

〜わかりました。

すぐに行きます。〜

謁見の間のドアをマルクがあけてくれる。

ルイスは中に堂々と足を踏み入れた。

この部屋に来るのも久しぶりだ。

「おかえり、ルイス。

さっそくだがさっきクラウス王子から手紙が届いた。

ルイスのかわりに説明するって。

だから、俺はもう全てをしった。

ルイス、これはもうお前達だけの問題ではない。

この世界全体の問題だ。

わかるな?」

コクッと頷くルイス。

〜じゃあ私はミリアに戻れないの?〜

ルイスにとってはそれが一番の問題だった。

「しばらくはステーシャにいてもらう。

ステーシャは今はミリアを敵だと判断はしていない。

けれど、仲間とも言えない。

そんな場所に帰す訳にはいかないからな。

お前は俺の大切な娘だからな。」

国王の言い方はせこいと思う。

そんな事を言われたら何も言えないのわかってるくせに…

〜わかりました。

しばらくはステーシャで里帰りの気分をあじわいます〜

「うむ、よろしい。

話はそれだけじゃ。

もう行ってもよいぞ。」

〜1つだけきいてもよろしくて?〜

「なんだ?」

〜今回私はミリアの人間によって拉致されました。

それによって両国の関係は何かかわりましたか?〜

「いや、かわらない。

今はミリアと争う時期ではない。

アジファーの方を考えるべきだ」

国王の返事に安心したルイスは謁見の間を後にした。


その時、サフランとマルクはルイスの話をしていた。

実は二人ともルイスの帰国理由を国王からきかされていたのだ。

でも、わざと知らないふりをしていた。

でも、これは意地悪ではなくルイスの事を思ってのためだった。

「ねぇマルク。

私、ルイスがもっと精神的に不安定になってると思ってたの。

だって拉致されたなんて…

でも、ルイスは違った。

ルイスは強くなったのね。」

「あぁ、そうだなサフラン。

ルイスちゃんはきっと幸せなんだよ。

だから、自分をとり戻してきている。

今回の結婚はルイスちゃんのためにもよかったんだな。」

笑顔で語り合う2人。

「えぇ、そうね。

マルク、私には何がしてあげれるかしら?」

「それは、きっと邪魔をしないことだろう。

あと、問題を起こらないようにすることだ。」

サフランは難しそうな顔をする。

「そうね。

アジファーもそうだけどエリザベスの事もある。

なんせ、彼女の腕には竜がいるからね。」

「あぁ、そこが問題だな。

いいほうに転ぶか悪い方に転ぶか。

まぁでも、なるようになるだろ。

それこそ、見守ってやれ。」

「えぇ、そうするわ。

彼女の幸せを祈って見守るわ。」

そして、2人はお互い手を組み、神に祈りを捧げた。


どうか、ルイスに不幸が訪れないようにと。



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