好きを共有したい!
私が読んでいる漫画は世間的には人気なのに、クラスメイトには認知されていないものが多い。面白いのに…
「知らないなー。漫画はレンタルしかしないし。私にはゲームという娯楽が既に存在してるから」
たまたま帰る時間が同じだった一色優未がそう言う。
「いやいや、私もゲーム大好きだよ。真面目そうって言われるけど結構ゲーマーだからね。というより、読んでよ!共感しあいたい。私逆に流行った漫画は読んでないから。アニメ化されてるやつはほぼ。そんな私がおすすめすんだから読んでよ!」
私がせがんでも優未はめんどいと首を振る。
「おつかれー」
後ろから聞き慣れた声がした。山吹生花だ。陸上部は外周中らしい。しかし、自慢の足の速さですぐこちらに追い付いてきた。
「あれ?外周?こんなとこで喋ってていいの?次期エース?」
陸上部って外周もタイムを計測してたはずだ。サボってると知られたら顧問の先生とマネージャーの小雪先輩にこっぴどく叱られるだろう。いいのだろうか。
「ふふん。近道見つけたから。プール裏から入ればバレない」
ドヤ顔をしている。
「で、何話してたのお二人とも」
「えっ、蘭がおすすめの漫画読めってうっさくて」
優未が呆れたように言う。
「それなら私読んだよ。面白かった!」
「ほんとに?やったー!」
心の底から嬉しい
「私アクション系とかしか読まないけど、たまにはいいね人情話」
「でしょー」
多分今最高にご機嫌な声が出た。
「そういや、執行部のこまちゃんも読んでるらしいよ。美術部一緒だからさ。忘れてたけど多分その作品。今度話してみなよ」
優未がそう言った。
「マジで?やったー!そういや、単行本19巻出たんだ!買いに行く!じゃあね!」
そう言って私は駆け出して行ったのだった
「やべ、小雪先輩に叱られる!じゃあね優未!」
生花も走りさった。私はあっという間に追い越された。
優未は一人残され呆れた顔を浮かべているが、少し微笑んでいる。
そんな常日頃だった。
あるあるというより蘭と生花と優未のお話です。ここまでで全然書いてませんが、一応この物語はフィクションです。これからもどーでもいい青春をお楽しみに!