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制服の必要性 ~一時間目から美術の件~
一時間目は美術だ。
それは朝から着替えることを意味する。
そこから生まれる疑問。制服を着てくる必要があるのかということだ。
朝から着替えるというのは案外面倒なことである。だって移動教室もあるのだから。面倒の極みである。でも、川蝉中では朝は必ず制服を着て登校することが決まっている。
「ねえ、こまちゃん。執行部で話し合ってくれん?」
執行部の権力でどうにかならないものか。
「執行部でもそんなできんから」
こまちゃんが仕方ないのだよと首を振る。
「執行部意外と権力ない?」
「そんなに権力あると思ってたの?」
「あるんじゃないの? ライオンくらいの権力はないの?」
「そのライオンの例えは分からないけど、結局のところそういうの決めるの大人だもん。あんま権力ないよ」
「じゃあさ、先生に意見したらいいってこと?」
「そういうことでもなさそうだけど」
「とにかく面倒だよー。こまちゃんどうにかして!」
「どうにもなんない。ねこ型ロボットじゃないし」
「こまちゃん冷たいー! 冷血!」
「冷たくはない」
制服面倒に思う常日頃だった。
会話多くなっちゃいました。すみません。