美里の心
卓球を4人で遊ぶ……勝負ではなく、「遊ぶ」を強調した。
「だって、誰もいないじゃないの。
誰が得点を?」
「そうだよな。」
「兎に角やろうぜ。翔太&美里 vs 俺&詩織ちゃんでっ!
いいよな。美里!」
「う…うん。いいよ。」
「じゃあ、それで遊ぼう。」
暫くして……。
「チェンジしよう。入れ替えようぜ。
拓海は美里ちゃんと、俺は詩織ちゃんで……。
いいかな?」
「う…うん。いいよ。」
「詩織ちゃんは?」
「私は誰でもいいけど……ただ…ごめんね。私だけがピンポンだから…。」
「そんなの。誰も気にしてないわよ。ねぇ!」
「うん。気にしてない。」
「気にしてたの? 詩織ちゃん…。」
「うん。ちょっとね。ごめんね。拓海君。」
「気にすんなよ!」
「じゃあ、入れ替えて遊ぼう。」
最後には男性vs女性で遊んで汗をかいたので、再び温泉に……。
今度は部屋ではなく大浴場に4人で行った。
大浴場に入る時に美里から……。
「ねぇ、詩織……。」
「うん? なぁに?」
「……あの…ね。」
「うん。」
「翔太君………あの子とどうなったのかな?」
「あぁ……21歳の子だったけ?」
「うん。」
「美里……聞いて欲しいの…よね。」
「うん。……ごめん。」
「いいよ。聞くけど……。」
「分かってる。私、諦めてるから……。」
「じゃあ、上がったら……ラウンジバーでも行きますか?
4人で!だけどね。」
「うん。ありがとう!」
大浴場を出た所で二人が待っていたので驚いた。
こちらから誘わなくても誘ってくれた。
4人でラウンジバーへ行くことを……。