40歳
先輩の会社は上手くいっているようだった。
良かったと思った。
美里は2児の母になり、拓海君も奥様が出産して2児の父になった。
フランスで暮らしている翔太君夫婦の夫婦仲が大変良くて、いつも当てられている。
日が経つのは早くて……私も40歳を過ぎて主任になった今も会社にしがみ付いている。
そして、フランスから翔太君夫婦が帰国する。
帰国した翔太君夫婦とみんなで温泉に行くことにした。
行先は……有馬温泉!
泊る旅館も同じ旅館だ。
「素敵~!」
「だろ?」
「いい所ね。」
「だろ?」
「嬉しいな! 二人っきりで……。」
「そうよね。」
「あとで行きますか? ピンポン! あればだけど……。」
「そりゃあ、旅館と言えばピンポンですものね。」
「ダブルスですよね!」
「年下君、ペアの変更可能?」
「駄目ですよ! 僕は妻以外とは……。」
「分かってるわよ。それにしても……ラブラブよね。いつまでも……。
いいことだわ。」
夕食を皆で食べて、大浴場でゆっくりお湯に浸かって……みんなでピンポンをした。
私は審判だ。
楽しかった。
笑い声が絶えなかった。
部屋で一人で居た時にスマホの通知が目に入った。
「仕事、終わったよ。
今から行ってもいいかな?」
「もう、遅いわ。 第一、来ても良いって……私、言ってないわ。」
「そうだね。……でも、ご挨拶したかったんだけど……。」
「次の機会があれば……。」
「次の機会……作ってくれるのかな?」
「私一人じゃ……。」
「そうだね。」
「おやすみなさい。」
「おやすみ。」
彼は………。




