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明日へ  作者: yukko
30/57

車は高速を走っていた。

もう泣いてばかりで何を話しているか分からない状態だった。

拓海君は聞いてくれていた。


「ティッシュ、そこにあるから使いなよ。」

「……ありがとう。」

「拓海君…。」

「うん?」

「ありがとう。」

「もう何回言うんだよ。」

「そう……なのね。何回も言ってたのね。」

「そうだよ。」

「あのね……。」

「うん。」

「人は誰でも最期が待ってるのね。」

「……そうだな。」

「だから、私……これから出逢う人……

 一期一会の言葉通りにしようと思う…。」

「そうだな…。」

「父と母が……きっと…そうだったんじゃないかと思うの。

 大切な出逢いだったんだと……。」

「きっと、そうだ!」

「拓海君にも……これから…多くの人との出逢いが待ってると思う。

 その中に居ると思うから、ね。

 拓海君を愛して……拓海君が愛する人…。」

「……そうだな。」

「……翔太君と奥様……美里と年下君…がそうであったように……。」

「…うん。」

「いつかは分かんないけどね。」

「確かに。…………ありがとな。」

「何で? ありがとうは私の言葉だよ。」

「こんな時にまで俺のこと気に掛けてくれて…ありがとな。」

「……そんなこと……

 ちょっと母のことだけから逃れてる……。」

「もう少しだからな。会えるからな。」

「……うん。」

「必ず会えるからな。」

「……うん。」


病院に着く寸前に拓海君は言った。


「ありがとう。俺、一人でなくて助かった。」

「私もだよ。」

「行って来い。大丈夫だからな。」

「ありがとう。」


到着して私は「ありがとう。」の言葉だけ残して拓海君の車から下りた。

母が待つ病室へ走った。

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