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明日へ  作者: yukko
25/57

翔太の結婚

翌年の春に翔太君が挙式した。

「良い式だった。」と拓海君からのメールに書かれていた。

ホテルでの挙式だったらしい。


⦅巡り会い愛し合って……

 別れても二人共に忘れられずに居た時間を経て、華燭の宴を迎えられた。

 羨ましいな……。⦆


とっても美しい花嫁だったと書かれていた。


⦅そりゃあ、そうでしょう!

 めっちゃ美人だもん。⦆


拓海君は受付をしたそうだ。

美里は何か思ったかもしれない……でも、今は年下君が傍に居てくれるから大丈夫!


⦅いいなぁ……何も無いや……。

 何も無い……な。

 やばい! こんな日がやばいんだ……。

 思い出してしまう……。

 めっちゃ、やばい!

 過去に縋らない! 縋っちゃ駄目だ!

 振り切らないと……もう終わって何年経ってるんだよ!⦆


⦅二度と戻らない日に戻ってしまうような気持ちになってしまう弱い自分が一番嫌

 いなのに……。

 たった一度の恋だったから、それしかなかったから……執着してしまうんだ!⦆


拓海君から新着メールが届いた。


「詩織ちゃん

 今、二次会なんだけどな。

 翔太が奥さんと二人の写真を添えてメールしてもいいか?って……

 隣で煩いんだ。

 送っていいかな?」

「いいよ。送って!」

「詩織ちゃん

 お祝いありがとう!

 俺達二人で幸せになるよ。

 詩織ちゃんも幸せになって!

 祈ってる。」

⦅写真撮って、そこにメッセージを入れて……

 うわぁ~~っ……参ったな。

 めっちゃ幸せそうな翔太君だね。

 初めて見るかもしんないな。この笑顔……。

 良かったね。翔太君!

 お幸せに! 心から……お幸せに!⦆

「ありがとう!

 幸溢れた写真、大事にするね。

 今更だけど……ちょっと遅い…ごめんなさい。

 ご結婚おめでとうございます。

 末永くお幸せに!」

「ありがとう!」


拓海君にメールを送った。


「拓海君

 今日はお疲れさまでした。

 終わったら、ゆっくり休んでね。

 ありがとうございました。

 返信は不要です。」


誰かの結婚の度に思い出すのはいつまで続くのか……。

拓海君も同じかもしれない。

胸の痛みが無くなる日よ。早く来い!

そう思いながら布団を被って涙を流して……夜が明けた。

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