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明日へ  作者: yukko
13/57

返済の目途

クリスマスが終わった。

独り身には辛い季節が、やっと終わった。

でも、今年は美里にとって辛い季節だった。


帰宅してからスマホに父からのメッセージが入っていた。


「元旦は来るのか?

 もう少ししたら借金も終わる。

 詩織には本当に迷惑をかけた。

 親として情けないと思っている。

 設備投資さえしてなかったら、詩織の貯金まで使わせることなかった。

 友人とは全く連絡が取れないままだ。

 あんなことになった後、彼が生きていてくれることだけを願っている。

 詩織から見れば、ただのお人好しだと思う。

 お父さんの気持ちを伝えておきたい。

 恨まずに生きていくお母さんと一緒に、これからも……。

 借金を返し終わったら、詩織に借りた300万円を少しずつ返したい。

 遅くなると思うが、全額返せるように頑張るから……。

 いつか、詩織の幸せな笑顔を見たい。

 先ずは元気で居てくれ。

 借金返済の目途が立ったから、もうお金を送ってくれなくてもいい。

 長い間、本当に申し訳ない。

 300万円返し終わったら、その次に今まで出してくれたお金を返すからな。

 少し長い目で見てくれ。

 詩織、お前の幸せを祈っている。

 不甲斐ない親で本当に申し訳ない。」


父のメッセージを涙で頬を濡らしながら読んだ。


「お父さん、お母さんも元気?

 私は元気よ。

 もうお金送らなくってもいいのね。

 目途が立ったのなら良かった。

 お父さん、私、後悔してないからね。

 それから、前の家と工場、見に行った。

 もう他の建物だった。

 長い間、見れなかったけど、もう見て終わりにしたかったの。

 古い家だったし、工場だったから、いい値段にならなかったよね。

 でも、お父さんが頑張ったから、従業員さんに退職金を渡せたよね。

 良かったよ。それ……。

 お父さんは凄いと思う。

 自分を責めないでね。

 私は私で頑張るから…安心してね。

 元旦はそっちに行くわ。

 元旦、楽しみにしています。お母さんのお雑煮!

 お父さん、お母さん、元気で居てよ。」


返信メッセージを読んだ父から「ありがとう。待ってるよ。」というメッセージが届いた。

設備投資したばかりだった。

新しい機械を入れたばかりだった。

その借金もあったから……。

父は母の実家近くに引っ越したが、私の仕事場からは遠すぎて、私は独りで暮らすようになった。

美里がビックリするくらいの〖おんぼろアパート〗。


⦅実家にお金を送らなくていいのなら………

 もうちょっといい所に引っ越そうかな~。⦆


スマホで早速調べたけれど、やはり不動産屋へ行く方がいいと思った。

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