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機械仕掛けの街は光を知らない  作者: 理央
第一章
9/59

過去

西暦2040年一僕の産まれた年

世界は度重なる戦争から、第三次世界大戦へと発展する事をなんとか回避していた。しかし、その状況から国家間の信頼というのは薄くなっていた。その中、日本は大幅な防衛費増額や新型ステルス戦闘機の独自開発などを行っていた。戦闘機の開発に関しては極秘であったが、どこからか情報が漏洩していた。日本は技術的にも戦闘力が高く、他国は日本による侵略を警戒していた。実際に侵略の計画はあったようだが、結果的に侵略は行われなかった。

他国による「連合正義軍」が日本へと攻撃を仕掛けた、宇宙から。電磁波を照射する兵器が実は宇宙に建造されていた。この電磁波は電子レンジが似たもので、照射範囲内のものは水分が急速に膨張し、最終的に…、という恐ろしいものである。関東・中部・東海・関西などは壊滅したが、朝鮮や中国など他国への被害を抑えるため、範囲は絞られたため、東北地方や北海道、中国四国地方、九州などは空襲が行われた。それでもほとんどの人は亡くなったが、一部の人は生き残った。その人々はそれぞれ東京や大阪等の大都市へ集まり、自治区を作った。コハルが言っていた第四東海自治区や九州地区、東京特区がこれだ。それぞれの自治区が離れているため、名称はそれぞれで変わったそうだ。大阪に至っては関西国という国家を成立させた。(第四東海自治区が「第四」なのは、比較的新しく、日本国内の自治区どうしが合流できたあとだったからだ。)

壊滅した日本の土地は最初世界各国で分割する話があったようだが、地盤が攻撃によって軟弱になっていると思われる上、作物なども育つことが難しいと思われたため、最終的に放棄された。それが現在も自治区が残っている理由だ。だが、東京特区は生存者がいるかの確認のため、攻撃の十年後一2065年に連合正義軍による上陸作戦が行われたため、崩壊した。

最終的に他の自治区は残り、海外では第三次世界大戦によって共倒れのように国家が崩壊した。その後がどうなったのかはわからない。これだけの情報は海外で生き延びた日本人が世界大戦の間に日本へたどり着き、ノートに書き残したから分かったそうだ。

それから100年が経ち、今に至る。


……………………………………………………………


「信じられない…。そんなことがあのときあったなんて…。」

「気持ちはわかるが、おそらくこれが真実だ。」

「俺も、そんなことは全く知らなかったな…。」

3人して黙り込んでしまった。

あのときの光景が頭の中に流れる。

「大丈夫か?」

コハルが優しく聞いてくれる。

「うん、大丈夫。ありがとう。」

「過去にあったことは話したが、それ以上のことはわからない。他の自治区の奴らはわかるかもしれないが、聞きに行くことは危険かもしれない。」

「自治区同士、犬猿の仲なんだよ…。」

コハルが補足する。

「どうすればいいんだろう。」

「そうだ、師匠。図書館の本になにか載ってる可能性は?」

「どうだろうか。可能性はあるにはあるが、低いだろう。」

「可能性があるなら、僕は調べたいです。どんな本があるかはわからないですが、知りたいことも多いですし。」

「そうだな。行くか。」

図書館に何があるのかはわからない。けれども、探さなければ見つかるものなどない。

そして僕らは図書館へと向かった。


……………………………………………………………


余談

「そういや、優花ってなんかこの状態にすごい適応してるよな。」

「…確かに、自分のなかでもそんなにパニックになってないね。なんでだろ…。」

「それもまた図書館でわかるといいが。」

わからないことだらけだなぁ…。まだまだここからか。頑張らないと。

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