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機械仕掛けの街は光を知らない  作者: 理央
第一章
8/59

進展

荒廃した東京の中を進む。鳥の鳴き声が響き渡っている。何というか、平和。とても心が和む。

「ついたぞ。」

そこは…(ナンカヨクワカラナイ)交差点。

「着いたってなにもないじゃん…。」

そう言うと、コハルはにやっと笑って地面に生えている苔をめくった。…めくった?!

めくるという動作ですでにおかしいが、そこにはハッチがあった。

「こんなところに…。」

僕が驚いている間に、コハルは横にあるキーボードにパスワードを打ち込んでいた。

ピピッと音がして、ハッチの鍵が解除された。コハルがハッチを開けると、はしごが下まで降りていた。

「気をつけて降りろよ。」とコハルは言って、僕に入るように促した。

しばらくはしごを降りていると、地下通路に出た。幅が4m、高さが2.5mといったところ。しばらく続いてそう。通路は2方向に伸びていて、はしごがその真ん中に降りている。通路の両側のかべに等間隔でナトリウムランプがついているが、点滅していたり、ついていなかったりと不気味ではある。

「こっちだ、行くぞ。」

「分かった…。」

(仕方なく)コハルについていく。

10分くらい歩き続けたころ、通路の末端に着いた。壁と、扉と、キーボード。安定のセキュリティの高さに思わず笑ってしまった。ロックを解除して、コハルがドアを開ける。

「戻ってこないと、言ってただろ。」

中から、人の声が聞こえた。

「絶対とは言ってないし、別にいいじゃんか、"師匠"。」

コハルと誰かとの会話を聞きながら、僕も薄暗い部屋に入った。部屋の壁には、色々な工具や銃、ナイフなどがかけられていたり、コードが通っている。床には、木箱や段ボール箱が転がっていて、中には電子部品らしきものも入っている。奥には、机と椅子があり、そこには貫禄のあるおじいさんが座っていた。

「なるほどな、何かあったのか。」とおじいさんは納得した。いや、僕は納得してないんですが…。

「色々あって会ったんだけど、俺じゃわからないことが多くて、師匠ならわかるかなと思って来てみた。」

「話は早い方がいい。何があったかを聞こう。こっちに来なさい。」

そう言って彼は壁を押して、僕らを手招きした。彼が押した壁は隠しドアで、普通のドアのように開いた。コハルは格別驚くこともなく、彼について行った。僕も慌ててそれについて行った。

ドアをくぐった先は居間のような場所で、机と椅子が4つあった。彼が僕らに座るよう促したので、とりあえずコハルの横に座った。その向かいに彼は座った。

「まずは自己紹介からか。私はアオ・シラヌイ。なんと呼んでくれても構わない。」

「あ…、山ノ瀬 優花です。よろしくお願いします。」

「旧名方式…。」

何それ…。

「もしかして、君はタイムスリーパーか?」

「タイムスリーパー…なのかもしれません…。」

「なるほど。たぶんこの状況がよく理解できていないだろう。まずはここまでの歴史を話さなければならない。コハルにも話したことがないが。」

「これまでの歴史…。確かに聞いたことがない。」

聞いたことがないのはわかったが、凄いあっけらかんと言うなぁ…。色々ありすぎて「…」がめっちゃ入るじゃん。

「まずはそうだな、西暦2040年代から話すか。」

そう師匠は言うと、静かに語りだした。

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