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機械仕掛けの街は光を知らない  作者: 理央
第一章
4/59

燃える。燃える。何もかも。現実を知ることすらままならない。

悲鳴。

また1人、また1人。

逃げ惑う。そして倒れる。

また1人、また1人。

助けを求める声。響き渡る。

また1人、また1人。

揺れる。視界と熱気。狂気。

自分はなぜ…。


生きている。


……………………………………………………………


「………!………!……………………ろ!」

誰かの声。響き渡る。はっきり言ってうるさい。

「…起きろ!」

聞き覚えのないその声で僕は目を覚ました。

目の前に、見慣れない顔。

精悍な顔だなぁ…、誰だろ…。

「起きたのならなんか言ってくれよ!!」

その少年が叫ぶ。

「うるさいので、静かにしてもらえますか?」

「…………。」

しばしの沈黙。

周りを見渡すと、荒廃した都市。

崩れたビル、苔と雑草の生え渡った道路。

いや、待って。

自分はさっきまで焼けてゆく学校にいたはずじゃ…?

しかも、この目の前の少年は?

「ここは?」

「おかしなことを聞いてくるんだな。ここは旧第四東海自治区。こんな無法地帯で寝てるなんてすごい度胸だな。」

「だ、第四東海自治区…?どこ?」

「君は何を言ってるんだ。じゃあきみはいままでどこにいたんだ?」

「…別府」

「………。どこだそこ?」

…え?別府がわからない…?

「大分の…。」

「大分…。九州地区か?」

九州…地区?駄目だ、全く持ってわからない。

東海もわかるけど、旧?第四?自治区?

どうなってるんだろう?

二人して、この訳の分からない状況に黙り込んだ。


ふと、自己紹介がお互いまだだったことに気づいた。

「えっと…、山ノ瀬 優花です。…よろしく?」

「アオ・コハルだ。君の名前、珍しいな。まあ、よろしく。」

…………珍しい?よけい訳が分からなくなってしまった…。

「師匠ならわかるか?行きたくないが、行くか。」

ししょー…。一体何がどうなってるのか、分からない…。

「いくぞ。しばらく歩くことにはなるが、大丈夫か?」

「うん。ここに居ていても何も解決しないし、僕一人じゃどうしようもないから。」

そして、僕らは歩き始めた。

が、その後コハルの"しばらく"を思い知ることとなる。

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