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魔本の錬金術師  作者: 霊馬の錬金術師
3/4

03.鑑定の義

ここからテンポは落ちるけど色々と物語が動き始めます!

あれから2年が経った、オレは身体が大きくなり滑舌も喋れる言葉も増えた。そして外で遊ぶようになって仲間も増えた。

あのステータスの儀式の時にいたネルはオレよりも大きくなった…横に、焦げ茶色の髪と薄いオレンジのタレ目でポッチャリとした優しげな少年になった。


そして村の農家の四男で親と一緒に店に来ていた時に知り合ったジーク。暗めの紫の髪と明るいアメジストのような目を持った少年だ。


最後は村の服屋の五女でジークと同じ日に知り合ったラーネ。オレンジの髪に赤色の目の活発な女の子。


この四人でずーと遊んでた。時には年上のグループと縄張りを奪い合ったり、年下のグループと遊んだり、暇な冒険者をからかったり、兵士の訓練を覗いたり、親に内緒で草原に行ったり、薬草をとったり。悪戯したり。冒険者に怒られたり、ダンジョン産の使い道の分からないガラクタアイテムを安く買ったり……いろんな事をした。そして今日また人生の転機が、迫っていた。


今日も変わらずおれはかーちゃんから隠れていた。2

年前のあの日と同じように。


「あれ?まだいたのクウ」

「姉ちゃん!?ビックリしたなー!」

「ごめんごめん。でも早く行かなくていいの?もう母さん達は出ていったよ」

「マジで!?そんなの聞いてないよ!」


後ろから話しかけてきたねーちゃんが衝撃的な事を言ってきた、っていうか先に行くって一切聞いてないんだが。


「そんなことより早く行きな。あっ!ちょっと待って………これで昼御飯でも食べて来な」

「ありがとう!……ってなんだ銅貨五枚かよ」

「なんだって何よ。そんなこと言うなら返してくれる?」

「わー!ウソだって、じゃ!行ってきます~!

ねーちゃんも彼氏と見に来いよな!」


そう言って俺はねーちゃんからもらった五枚の銅貨を握りしめて外に飛び出して行った。


「ちょっとクウ!……まったくもう。」



それから駆け足で教会の近くの広場まで行ったおれは屋台で買ったチューコッコの串焼きを食いながら目の前の屋台のお姉ーさんをジーと見ていた。


因みにチューコッコは間抜けな名前だけどネズミ色の鶏のお尻から尾とは別にネズミの尻尾が生えてる魔物だ。

滅茶苦茶弱くて一杯いるから結構大きめの肉がついて銅貨二枚(日本円だと二百円ぐらい)だからおやつによく食べる。



「やっぱりここにいた!みんな待ってるから早く行くよ!クウ」

「なんだラーネかよ。みんな何処にいるんだ?」


「みんな教会前の広場で待ってるよ」

「教会前ってここだろ?」

「何言ってるの!ここは教会裏の広場でしょ!

「みんなが待ってるのは表の教会前広場!さ!行くよ!」




そうして歩くこと五分。さっきまでいた広場の五倍はあるような広場についた。この広場はギルド広場って呼ばれていて、冒険者・商人・職人の三ギルドと教会・役所・騎士団の事務所があるこの村の中核のような場所だ。


「遅いぞ!クウ。どうせまた綺麗なねーちゃんの胸でも見てたんだろ!ハハ!」

「はぁ?違うしー、胸じゃなくて腰を見てたんだよ!腰!まぁどうせ?お子ちゃまのお前には腰のよさは分かんねーだろうがな」

「ああ分かんねーよやっぱり男は腰より胸だろ!

ネルもそう思うだろ!」

「はは、僕は胸でも腰でもなくてお尻が好きだなー」


「もう!本当男子ってサイテー」


と、ここまでがお約束みたいなものだ。

5歳でここまでエロくなるのは多分おれ達全員。兄が男ばっかりだからだと思う。ってかそれほどこういうことには厳しくないんだけどな、ここは。


「あーら、とっても愉快な話をしてるのねワタシも仲間にいれて~!」


っとそんなお約束を消化し終わった後にすこーし変な言葉で話しかけてきたのはパッと見はごく普通の男の子だった。灰色の髪とタイガーアイのような目を持った短髪で良い生地の服を着た子だった。


「だれだお前」

ジッと警戒するように目を見るジーク。


「ワタシはアリクト。アートちゃんって呼んでね!」

アリクトは最後にバチッって音がするほど強くウィンクをして来た。

それには警戒していたジークとみんなも唖然とした。


「あなた達も今日鑑定の義を受けるのよね?」


「あ、ああ、そうだぜ!俺は鑑定の義をして冒険者になるんだ!それでこの四人でダンジョンを攻略するんだ!」

「あら、素敵ね。じゃあその時にワタシも仲間に入れてくれないかしら?」

「あ?弱い奴は無理だ!それにそんな変なしゃべり方の奴は弱っちいから無理だな」

「あらそうなの、んーどうしようかしら。」


怒涛のジークと、アリクトの会話でアリクトが悩んだのを気にようやく俺たちはジークに詰め寄ることが出来た。


悩んでるアリクトから離れるようにジークを引きずってアリクトに聞こえないように小声で相談をすることにした。


(ちょっとジーク!俺はみんなで冒険者になるって聞いてないんだが)

(そうよ!あんたとクウはともかくあたしとネルは冒険者って柄じゃないでしょ!)

(それに今日神様から貰えるスキル次第じゃない?)

(な、なんだよ…いいだろ冒険者。それに俺はみんなとダンジョンを攻略したいんだよ!……悪いかよ。)

(いや、悪くは)(ないけど)(僕たちはいきなり言われたからビックリしただけだよ。)


「相談は終わったかしらぁ?ワタシが戦えるって言う証拠があったわ、ほら『ステータス』」

そう言って現れたステータスを見て俺たちは固まってしまった。


────────────────────────────────────

[名前]アリクト・ラービンフス

[性別]男

[年齢]10歳

[種族]人間

[レベル]2


[生命力](B)28/28

[魔力](B)32/32


[体力]18

[精神力]16

[器用]23

[素早さ]15

[運]7


[スキル]【投擲術】【闇魔法(死)】


[称号]


────────────────────────────────────


「「「「…………」」」」



「すげー」

「あたし始めてみたわ、こんな数値」

「生命力と魔力がBもあるんだねー」

「も、申し訳ございませんー!!!」


俺達三人がステータスに気を取られてるなかジーク一人だけ取り乱して地面に擦り付けるように謝罪していた。


「いいわよ。でも今はお忍びだから静かにしてねぇ」


「は、はい!」


「おい、どうしたんだよジーク」

「そうよ、なんか変なものでも食べたの?」


「お!ま!え!ら!は!ちゃんとステータスを見たのか!」


「見たぞ?」

「見たわよ?」

「……あ!」

「クウとラーネはともかくネルまでそっち側に行くなよ。」

「あはは…ごめんね」


「あなた達面白いわね~」


「申し訳ございませんアリクト様」


ジークがアリクと話している後ろではクウとラーネがネルに説明を求めていた。


「なあ結局どういう事なんだ?」

「あのジークがアリクトに様って言ってたわよね、あのジークが」

「そこは強調しなくても……まあいいや。二人はアリクト様のステータス画面の名前のところ見た?」

「見たけどそれがどうしたの?」


「あの画面にはこう書いてあったよね。『アリクト・ラービンフス』って僕達には苗字は無いよね?苗字があるのは貴族様だけなんだ。だからアリクト様は貴族様なんだ。僕達は知らない内にとっても無礼なことを言っていたんだよ!

それにもうステータスが出せるってことはそれ事態が貴族の証明だったんだよ。僕も数値に驚いてスルーしちゃってたけどね。」


「ほへー」「そうだったのね」


「って言ってもワタシは男爵家の四男で偉くはないわよ~

それにステータスもわるいから10歳になったら勘当されちゃうの」


「何でなの?アリクト様のステータスはBだし、運以外は全部15以上じゃない…ですか」

「フフ、無理しなくてもいいわよ~、それに様も要らないわ。貴族にとって、ステータスよりもスキルと称号が大事なのよ。いくらステータスが高くてもそれを支えるスキルがダメだと価値がないの。それにワタシは加護がないからそれが勘当の一番の理由ね~。勿論ワタシのこのしゃべり方も原因の一つではあるんだけどね。

ワタシのスキルは【投擲術】と【闇魔法(死)】この二つは貴族らしくないの、まずスキルが4つ以上ないとそれだけで貴族失格でさらに【投擲術】は武器を振るうことができない臆病者。【闇魔法(死)】はただでさえイメージが悪い闇魔法の死に特化したものだから気味悪がられるのよ。これで死神様の加護がついてたらまた違ったんだけどね~。死神様の加護がついてたら死ぬときにはちゃんと死神様が神様のもとへ魂を導いてくれるっていう言い伝えがあるから。飼い殺しにはされたんでしょうけどね~。」


「そんな…酷いわね。同じ家族じゃない!」

「それが貴族って生き物なのよ。」



そのアリクトの話が終わってから誰も話さなかった。

あまりにも違う価値観とそれを当たり前に受け入れているアリクトがすごく悲しそうに見えたから。


「ねえみんなあたし、アリクト様うんん、アートちゃんに私たちの仲間になって貰いたいの、いいかな?」

「勿論!」

「あんな話し聞いて断れるかっての」

「僕も勿論いいよー」


「嬉しいわー!ありがとう。また手紙を送るわね~。……そうねじゃあそこの真っ赤な髪の子クウちゃんとポッチャリとしたネルちゃんに手紙を書くわね~。」


「あ、うん。名前、クリウスで家族とかはクウで呼んでるからアートもそう呼んでくれこっちはネルウァで家族とかはネルって呼んでるからそう呼んでくれ」


「分かったわ~」

『アリクト様!こんなところにいたんですね!』

「あらマッシュじゃないどうしたの?」


突然現れたのは使用人の服を着た普通の男の子だった。


「なんだお前達は」

「もうマッシュたら、そんな怖い顔をしないで~。この子達はワタシと同じ今日儀式を受ける子達なの」

「そうなんですね。お前達アリクト様と話して貰えてよかったな、もういっていいぞ」


「なんなのあいつ!」

「礼儀がなってないな~あ?!」

「いっちょ教えてやるか?」

「まぁまぁ押さえて押さえて」


「なんだまだ居たのか?もう平民の儀式は始まっているぞ」


「グッ今日のところはここまでにしといてやる!」

「ほらほら行くよみんな。さすがに鑑定の義に遅れたらヤバイよー」


そしていきり立つ三人の手をつかんで引きずるように引っ張っていくネル。

ネルは意外と力持ちだったのだ。




そうして何とか時間には間に合ったけど、時間がないため四人同時に鑑定の義を受けることになった。

勿論それぞれの親には怒られたし、神父さんにも怒られた俺たちは準備している間さっきのマッシュって言った使用人の愚痴ばっかり言っていた。


「もう!本当になんなのアイツ!超ムカつくんだけど!」

「何が『なんだまだいたのか』っだ!」

「今度会ったらボコボコにしてやる」

「まあまあまあ」


そうやって四人で話してると一人づつ名前を呼ばれて祭壇の前に四人横並びに並んだ。そして神父が両手をひろげ


『神よ!この者達にあなた様の力の一部をお与えください!』


と言うと天から柔らかい光が降ってきてオレたちを包み込んだ。そしてブンッ!とそれぞれの前にステータスが現れた


────────────────────────────────────

[名前]クリウス

[性別]男

[年齢]5歳

[種族]人間

[レベル]1


[生命力](D)15/15

[魔力](A)38/38


[体力]11

[精神力]23

[器用]18

[素早さ]12

[運]19


[スキル]【錬金術】【基本属性魔法】【魔本】(鑑定・アイテムボックス)【木魔法】


[称号]錬金術神の加護

────────────────────────────────────

[名前]ネルウァ

[性別]男

[年齢]5歳

[種族]人間

[レベル]1


[生命力](C)18/18

[魔力](C)19/19


[体力]18

[精神力]19

[器用]19

[素早さ]14

[運]36


[スキル]【審美眼】【目利き】【値踏み】【従魔術】


[称号]商人の神の加護

────────────────────────────────────

[名前]ジーク

[性別]男

[年齢]5歳

[種族]人間

[レベル]2


[生命力](B)23/23

[魔力](E)6/6


[体力]17

[精神力]6

[器用]6

[素早さ]17

[運]12


[スキル]【剣術】【スタミナ】【逃げ足】【手入れ】


[称号]

────────────────────────────────────

[名前]ラーネ

[性別]女

[年齢]5歳

[種族]人間

[レベル]1


[生命力](D)8/8

[魔力](D)9/9


[体力]8

[精神力]9

[器用]8

[素早さ]9

[運]16


[スキル]【採取】【鑑定】【罠】【弓術】


[称号]

────────────────────────────────────




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