私の1ページ_6
「おっ、久しぶりじゃん」
自習が一段落して塾から帰ろうとしたところ、ロビーでコンビニ袋を持った彼に出くわした。お菓子でも買ってきたところのようである。
「もう帰るの?早くね?」
挨拶の返事も聞かずに話し続ける。
「まぁでも、お前来るの早いもんなー」
袋をごそごそとまさぐる彼を見ながら、そうね、と呟く。
「そんな今日を頑張った君にご褒美をあげよう」
にかっと笑いながら、チョコレートが差し出された。
「俺は毎日来てるからな。今度お前来たときは俺に皆勤賞を献上すること」
渡すだけ渡して、一方的に約束を押しつけられる。
「じゃ!また!」
ヒラヒラと手を降りながら、彼は自習室のドアへ向かっていった。
久しぶりだった。
彼に会えるかなと期待して、私も毎日来てるんだけどな。